美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H399

 私はアンティケイドから本体に戻った。エデンに居るのにアンティケイドの中に居る必要性ないからね。むしろ本体が無防備なのってやっぱりちょっと心配だし。

「お任せください。自分が貴方をこの命に代えてもお守りします」

 ――とかクロスの奴が言ってたが、イヤ一番危険なのお前だからね。無防備な私の体があったら絶対に我慢出来ない奴の筆頭だよ。
 まあだから私の体の側にはシズちゃんとオオランちゃんを配置してた。純粋な子供の前で不貞は犯さないだろうって魂胆だ。それは正しかったね。

「「お帰りなさいラーゼ様」」
「ただいま」

 それに目覚めたら可愛い女の子がいる……私は二人をぎゅっと抱き寄せる。幸せ。最近は二人は私が与えた可愛い服を着てる方が多いから眼福眼福。
 確かにあの黒いスーツみたいなのは多機能高性能だけど、可愛さという一点において致命的だからね。まあエロさならあるけどね。なにせボディにぴったりと張り付いてるから、女の子なら体のラインがはっきりと出る。それは……エロい。
 ラリアとか機能的だからってずっとアレを着てるわけだけど、ラリアのスタイルでアレを着てるのはかなりエロいと思うんだ。まあ言わないけどね。それもまた眼福だからね。

「ラーゼ様、さっきからドカンドカンしてるよ」

 シズちゃんが不安そうに言って私のことをぎゅっとしてくる。そうだね……小さなこの子達にはちょっと怖いね。最近怖いこともあったから二人の不安は大きいんだろう。
 この地下の人々のために二人は毎日ライブをやって明るく振るってるけど、まだまだ十歳くらいの小さな女の子なのだ。不安じゃないなんてことある訳ない。
 でも皆がこの子達の笑顔と歌に勇気をもらってるから、だからこそ普段は最高の笑顔を見せてるんだよね。

「大丈夫だよ。心配ないない」

 私は二人の頭をなでなでしてあげる。二人ともとてもサラサラとした髪をしてる。気持ちいい。さっきから地下まで響くような音が轟いてる。衝撃はさほどでもない。今も雷は落ちてるだろうけど、地下はかなり頑丈に作られてるし、数千年を経ててもまだまだ頑丈なようだ。
 でもエデンって、ずっと昔、それこそ私が眠りにつく前から数千年を空に漂ってたわけで……全体的に見たら万超えててもおかしくないかもね。
 それでもこれだけ頑丈に出来てるって、羽持ち達の技術がヤバい。

「エデンは絶対に落ちないし、怒ってる神様だって、私が魅了しちゃえば許してくれるからね」
「本当?」
「神様も、ラーゼ様にメロメロ?」

 私の発言に二人はコテンと首をかしげる。何この可愛い生き物。押し倒したい! けど我慢だ。

「本当だよ。それに私にメロメロじゃない生き物なんて居ないからね」

 私は自信満々にそう言ってあげた。

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