美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H383

「任せろって……任せろって言ったわよね?」

 むむむ、何かラリアの奴が私を見ながら嫌な奴の顔をしてるぞ。知ってるよ……そういう顔してる奴が何を考えてるか……私は知ってる。なにせ私は可愛いからね。尋常じゃないかわいさしてるからね。
 だから良く嫉妬されてた。特に同性にはね。私が偉くなると、同じように偉い女性達からの嫉妬は凄かったからね。特に権力持ってて
、自分が美しいと思ってる奴とか厄介だったよね。

 大体は私の美しさって圧倒的だから中級的な相手ならすぐに負けを認めてくれるんだけど、厄介なのは私が現れる以前に中心に居た気位の高い女性だったよ。

 なにせその地位、全て私に奪われたんだからね。周りに居る奴らは神輿をそいつから私に変えれば良いだけだけど、中心に居た奴ってのはそうはプライドって奴が許さない物だ。
 だってそうでしょう? 今までは「凄い凄い」とか「美しい美しい」とか「きれいきれい」とか言われまくってたんだよ? それなのに今度はそれを言わなくちゃいけない側に回らないといけないって、屈辱じゃん? 私だったら蹴落とそうとするね。

 まあけど、私に限ってはそんな側面が出ることはないんだけどね。だから私はいつだって最高に綺麗で美しい女性像のままで入れるのだ。なぜなら私以上に綺麗で美しい女性なんてのはこの世に、この世界に存在していないからだ。

 私はいつだってトップで、生まれたときからトップできっと死ぬまでそうなんだろうなって思う。確信がある。老い? 私の体は神の器だよ? 成長はしても老いることはないのである。多分ね。

 そしてラリアだってまあただちやほやされてた女性とは違うけどさ、トップだったことに変わりは無いだろう。その地位が私という存在に奪われたわけで……私が目覚めたらそうなる……ってわかってたと思うんだけど……折り合いがついてないみたい。

 私の事は神とか、女神とかと同じ存在だと思ってくれれば良いのに……私は崇める対象であって、人々の生活を左右するような存在ではないって言うね。
 そういう決め事は下々の者たちで勝手にやってくれれば良いのだ。私は私のルールでしか動かないからね。だから此奴は存在が違うんだから……と思ってくれるのが私との正しい付き合い方だと思う。
 だって国のトップだって神様には嫉妬しないでしょ? それと同じだよ? でもその話したときラリアは「は?」と言ったからね。

 昔とは私という存在の捉え方が違ってるようだ。まあ目の前に居るのに「私は神だ」とか言う奴が痛い奴というのはわかるよ。でもそうだから仕方ない。

 でもそれに納得出来てないラリアは私と対立してる。そして、そんな奴が次に何を言うのかなんてのは簡単にわかる。

「じゃあ、後は全部任せてあげる。なにせラーゼ様ならそのくらい簡単でしょう?」

 ほらね、こういうことを言ってくると思った。

「美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く