美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H378

「入るわよ」

 私はある一室にそう言って踏み込む。すると扉が横にシュッと開いたと同時に、なんか紫の煙が出てきた。むむ……くっさ。

「わわわ、私のビサイボーグ達がぁぁぁぁ! 誰だぁ!!」
「私だけど?」
「ラーゼ様!!」

 キレてた顔――というか顔見えなくてなんかドットが荒いモニターを顔につけたツインテールの女が――そのモニターでニコニコを表して私に抱きついきた。更に頬釣りしようとモニターひっつける。熱い熱い。

「暑苦しいわよ」
「ああ、ごめんなさい。けどラーゼ様に会えてうれしくて……つい」
「まあそれは誰もが思うことだからね。許してあげるわ」

 モニターの表情が眉ね下がった感じになってる。反省の意を表してるんだろう。この子は機械とか技術系に強い子だ。子とかいってるけど、私よりも大きいけどね。体も大きいし、巨乳でもある。かっこうはスウェットみたいなので色気全くないけどね。

 技術開発とか、エデンの資料とか色々とみてもらってる。どうやら天才みたい。ネジマキ博士とかの家系か? とも思ったけど、どうやらそんなわけでも無いみたいなんだよね。たしか一応娘は居たと思うけど……その人が子供やらなんやらを生んでたらこの時代までその血脈が受け継がれてても不思議じゃないんだけどね。でも居なかったんだよね。
 まあ厳しい時代だったみたいだし、そういうこともあるだろう。でも行き成り天才とは生まれる物で、この子はまさにそうみたい。ちなみに名前は『バンゼ』というらしい。

「で、さっきのビサイボーグとかいうのはいいの?」
「ああああああ! ラーゼ様が扉開くから――っていやいやラーゼ様は悪くなくて! けどあの子達はさっき空気中に流れていって……あああ、どうしたら」

 なんだかとっても動揺してる。私を責めたいけど、私の事は好きだから責められない……みたいな? ああ、可愛くて良かった。やっぱり可愛いって正義だよね。

 まあでも巨乳の子が困ってたらやっぱり助けてあげたくなるのが心情という物だ。私はパチンと指をならそうとしたけど鳴らなかったから、何せぬ顔で一体のヌーデレリアを前に出した。

「その子は?」
「パオ君だよ。この子がさっきの空気吸ってるから大丈夫じゃない?」

 パオ君は象のぬいぐるみなのだ。これで大丈夫だね! いや、何が大丈夫なのか全く自分的にはわかんないけど、とりあえず自慢げにしとく。するとバンゼちゃんは泣いて抱きついてきた。よしよし流石私天才。

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