美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H376

「何か変なのがある?」

 そんな報告を受けたのは、ここ最近だ。まだまだエデンの地上部分を取り返してないけど、一応アンティケイドやヌーディケイド達を送り込んではエデンの地上部分の調査をさせてるんだよね。それにちょっとずつ、私の力の影響力強めていって、アクトパラスの足が出てこないようにっていう結界を伸ばす施策もやってる。

 まあ完璧に私の純粋な力でやってるから私への負担がね……こんなに働きたくないんだけど……いつまでも地下に閉じこもってるなんて、私じゃないじゃん。私は太陽の光の下に燦然と輝くのが似合ってる。まあ勿論、星明かりだけの夜の下にだって私は輝ける女だけどね。

 何が言いたいかというと、私この時代で目覚めてから、ちゃんと働いてると言うことだ。何か最近はラリアの奴が不穏な動きをしてるみたいだけどね。

 早めに話し合いたいところだけど、仕事以外で私に話しかけなくなったんだよね。これが女の嫉妬って奴か。恐ろしい。別に私は何もしてないのにね。
 ただ私はいつものように過ごしてるだけだ。けどなぜか嫌われてしまった。これもそれも、私の美しさが原因だ。はあ……美しすぎるってのも罪だよね。まあこの容姿に不満なんて一ミリもないけど。むしろ毎日起きて鏡を見る度にニヤニヤするくらいには気に入ってるけど。

 てか今はそんなことでは無い。何やらエデンの地上部分に変な物があるらしい。私はそんな変な物を作った覚えはない。なら、私が眠った後に何かの目的でそれを作ったって事になるけど……

「アンティケイド……視界を繋げるわよ」

 そう言って私は一人のアンティケイドに視界を移す。すると見えた。久々の青空だ。まあこの地下部分もとても広いし快適だしで、別段閉塞感なんて物はない。けどやっぱり青空の下ってのは格別ではある。
 そしてアンティケイドの視界には何やら伸びる白い柱が見えてた。どうやら空を見てたわけじゃなく、その白い柱を見てたらしい。しかもそれが五つ……四つが等間隔に間を置いておかれていて、一本がその四つの中心部分にある……みたいな感じだね。確かに何か変だ。というのも、なにか、別段なにか特別な場所、なのかというと、別にそうでもなさそうな場所に、行き成り白い柱が五つ建ってるんだよね。

 柱の地上部分には何かあるのか? と言われると、ここから見てる限り何もない。というか、行き成り柱が建ってる感じだ。

(あんなの無かったよね? 先鋭芸術かな?)

 私の昔の記憶にはあんなのない。でも私も全てを把握してたわけじゃないしね。でも重要な施設くらい把握してたはず。私がお遊びで作って放置してた……って線もなくはないが、あんな無意味な物は流石に私の好みじゃない。

(もうちょっと近くに行ってみて)

 私はそうアンティケイド達に指示を出した。意味がある何かなのかもしれないし、全く意味がないものかもしれない。だからそれを確かめる必要があると思った。

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