美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H364

「ふむふむ……使えそうなのは……」

 私はとりあえずコールドスリープのリストを見つつ、更に別の情報にアクセスしてる。私の側には小さなキューブがくっついてる。いやほら、ここってエデンの地下施設だからね。なかなかに高度な文明が残ってる訳だけど、普通ならやっぱりその場に行ってデータを取り出して――ってやらないといけない。

 でも私はこのエデンの主。必要な物は持ってこさせることが出来る。他の人には大量の情報が詰まってるだけの箱のこのキューブだけど、私ならこれ自体を操れるのだ。
 まあ昔は人がいっぱい居たから、こんなことを自分からする必要なんて無くて気づかなかったけどね。このちっこいキューブはただ全てのこのエデンの情報にアクセする為だけの末端装置みたいな物だ。
 それを常に手元に置くことで、何が使えるのかを把握してるのだ。効率的でしょ? 本当なら私が労働なんてもってのほかなんだけど……キューブの情報を呼び出せるのは私しか居ないからね。しょうがない。まあけど、流石に私の他にもこういうことを出来る奴を目覚めさせる計画ではある。
 でも食糧の問題もあるからね。いや、食べる方は大丈夫だよ。なにせあの固形食料が大量にあるし。でも問題は水だ。どうやら水は雨水とかをちゃんと蓄えるようになってる見たいだけど、そのままじゃ流石に飲めないじゃん。ちゃんと浄水しないといけない。けど、どうやら長い年月のせいで何か異常が発生してるらしい。
 このままでは水が枯渇してしまう。それは不味い。だからまずはこの数人で水の様子を見ることになった。それでなんとかなればよし。無理ならそれ系に強そうな奴を目覚めさせて対策を取らせる。水は貴重だし、食料よりも何なら重要だからね。
 あんまり余裕がないときに人を増やすことは出来ない。

 まあ電気とかエネルギーとかは大丈夫なんだけどね。今までは超省電力? 電力でもないけど、超省エネルギーモードだったんだけど、私が目覚めたことでその制限は撤廃された。なのでどこでも電気使い放題だ。
 世界樹からの供給はさっぱりと無くなったわけだけど、そもそも私はそんな物無くても超規格外のエネルギーを持ってたからね。ゼルの力だ。
 なので問題なし。とりあえずキューブ通してこう命令したよ。

「エデンの全機能を解放しなさい」

 それで一気に倦怠感が襲ってきたが、それだけ。別に倒れるとかもなかったし、ちょっと休憩したら元通りだよ。色々とエデンが騒がしくなったのを感じる。
 まあ感じるというか、実際そうだ。何やら大量のロボット達が中や外を闊歩しだした。御掃除ロボットとか、改修ロボットとかそんなのだ。一応戦闘用のロボットもいる。アンティケイドやヌーディケイド、そしてヌーデレリア達も動き出したらしい。私の側には昔と同じでヌーデレリア達、ヌイグルミの皆がきてくれた。
 うむうむ、やっぱり美少女の側にはかわいらしいヌイグルミ達が映える。

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