美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H354

「この星全部が世界樹って事? 信じられないな……よし!」

 私はそう思って再び検索を掛けた。いやさ、もしかしたらエデンの方が間違ってるかもしれない。なにせずっと存在してるし、ちょっと何カ所か壊れててもおかしくない。なにせ時間はかなりたってるんだ。うんうん。

「うーん……」

 というわけで何回かキーワードを変えて検索してみたけど……うん、全部同じ結果だった。まさか本当に? なに? この世界は世界樹の苗床にでもなったの? 世界樹って確か、世界に一つ……星に一つしかならないんじゃなかったんかい!?

「全部がクリスタルウッドのような感じなのかな?」

 そう思って私は今度は映像を出してみた。なにせ世界樹が多すぎて星全体の表示になってるからね。細かく観るためにも、倍率を上げるのだ。その結果……

「ええー全部普通の木に見えるけど……」

 まさに感想の通りだった。どう見ても一つ一つの木は何の変哲も無い木だった。いやいや、クリスタルウッドとかめっちゃ違ったんですけど!? 観てもやっぱりだけどアレを世界樹だと思えない。希少性皆無だよ? 一体どういうことなのか? とりあえず私はエデンの知識を引っ張ってみる。

「ふむふむ……これもアクトパラスとゼンマイの仕業なのね」

 まあそいつら意外にこんなことを出来る奴はいないよね。どうやらアクトパラスとゼンマイは何やら目的があって一つ一つの力が弱い世界樹を量産してるようだ。

「別の星を侵略するため……とか?」

 行き成りその世界で世界樹をはやさせるって多分難しい。でも元々ある世界樹を持ってきて植林すれば良いじゃない――的な精神なのかもしれない。

 それで上手くいくかは知らないが……なにせ世界樹事態に手を入れてるみたいだし、種くらい仕込んでるだろう。

「うーん、これってもうアクトパラスとゼンマイがどれだけ強くなってるか……」

 本当なら皆のために一矢報いるのもやぶさかではなかったんだけど……この月日の流れでどれだけアクトパラスとゼンマイが強くなってるかわかんないからね。
 一つの世界の中でなら、まだ勝負はできたと思う。でも……この星にある大量の世界樹が別の星を侵略するための物だとしたら、これだけ用意してるって事は、私が眠ってる月日の間にアクトパラスとゼンマイは沢山の星を……世界を侵略してるんだろう。と、なると既に私では手に負えない可能性が高い。

「みんなごめん」

 私は復讐は諦めることにした。確かに色々と悔しいけど、私は一番自分の身が可愛い。なので死ぬような事、死ぬとわかってるような事はやらないよ。それが私だしね。

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