美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H338

「あはははははは! そのまま干からびてなさい!」

 私のそんな高笑いに、なんとかラジエルたちは抵抗しようとするも……立ち上がろうとしても、力が出ずに膝をつく。どんどん自身の中から力が抜けていってるのがわかるんだろう。

「ねえ怖い? 恐ろしい? 私に逆らったらどうなるのか、わかったかしら?」

 私は上から目線でそう言ってあげる。強大な種というのは倒すのがとても難しい。なにせ奴らは強大だからだ。その力、存在はやっかいそのもの。まあラジエルが強大かは置いておくけどね。とりあえずこいつが持ってる王の剣は危険だ。

 でも王の剣も今やただの剣だね。なにせラジエルがその剣を振るえないんだもん。今まで見てると、別に勝手に主の為に動く……とかいう物でもないみたいだしね。
 そういう剣があってもおかしくないかなーとか思ってたけど……今のところ王の剣は反応してない。そろそろ私を王だと認めてこっちに寝返った方が王の剣としても良いと思うけどね。
 まあ剣に、そういう細かな現状を把握しろって言うのが難しいか。剣だけにまっすぐな性格をしてるのかもしれない。一度決めた主は裏切らない……とかね。
 そう思うと、私に脅威を感じさせてた王の剣もなかなかに想像力を働かせてくれる。そういう物体の擬人化的なカルチャーってまだこっちにはないからね。
 いや、実際魔法という代物でリアルにあり得そうだから、萌の対象になり得ないってことなのかもしれないけどね。まあつまりはこうなってしまうと、王の剣も形無しっこことだ。

「ふん、お前のような小娘なんか恐ろしいわけはない」

 ラジエルの奴が強気にそう言ってきた。この状況で何を言ってるのやら。ここで泣いて懇願したら、滑稽だからその映像を撮っておいて、何度でも楽しめる良い映像に出来たのに。そしてそれで私の溜飲がちょっとは下がったかもしれないよ? 

 もちろんその映像はうさぎっ子にも見せてラジエルの奴に幻滅してもらうんだけどね。それが出来なかったのはなかなか悲しい。

「あっそ」
「危ないですラーゼ様!」
「大丈夫よ」

 私は銃口を向けて引き金を引く。それでラジエルの奴が大切に持ってた王の剣を弾き飛ばす。これで奴の武器はなくなったし、心置きなく踏めるよね。
 そう、私はラジエルの奴に近づいて奴を足蹴にするのだ。顔面に足を置いてぐりぐりしてあげる。

「ほら、どう? 屈辱受けてる? それとも獣にはご褒美だったかしら?」

 ああー、スッキリする。

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