美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H323
「「きゃああああああああああ!?」」
男の取り巻きだった女二人が耳をつんざくような金切声を上げた。二人は走って男のところに走り寄って手を……伸ばさなかった。
多分その床に広がる血がそうさせたのだろう。まあ他人の血って汚いもんね。わかる、わかるよ。けどさっきまでベタベタしてたのにそれはちょっと薄情じゃない?
結局あの子達はあいつの顔とかがある程度良かったから付き合ってたのかも知れない。それか金……かな? それなりに良いもの着てたしね。でも貴族って感じではなかった。
なら人種の国がうまく回りだしてからの成金かな。そういうの実はいっぱいいる。なにせ一気に人種の国は発展したんだ。企業が増えていろんなものが市場に溢れた。
それで一番下だった人たちには働き口がいっぱい増えて、懐が潤ったらみんないろんなものを買えるようになる。そうやってどんどん市場が膨らんでいくと、さらに沢山の企業が新たな市場を求めて立ち上がるのだ。
言うなれば好景気だね。だから小金持ちって人たちが沢山だ。まあ悲惨だった人種の立場を考えれば、今は誰もが小金持ちだと言っても良いと思うけどね。なにせお金を見たことないって人だっていただろうし。
下の階層の人たちはだいたい昔は物々交換が主流だったんだ。そこにちゃんとした貨幣経済を導入できたのは何を隠そう私の功績に他ならないんだよ。だからこうやって私を取り囲んでるこいつらは私に平伏さえすれ、反抗的な態度に出るべきじゃない。
鶴の一声で潰しちゃうぞ? それが私には出来る。だって私は最高権力者だよ? あんた達の王様よりも私の立場は上だ。まあこいつらはそれに気づいてないからこんな態度を取れるわけだけど。
「なんてことを……」
「こんなの人間じゃない!」
「こいつもきっと下の連中の仲間なんだ!!」
「早く軍に連絡しないと!」
そうくるか……いや、こんな細くて華奢な女の子が大の大人を片手で吹っ飛ばしたらそう思うのも仕方ないとは思う。人種は魔法に疎いしね。ここにいるほとんどの人は魔法なんて見たことないだろう。じっさい私が吹っ飛ばした訳じゃないけど、この人たち視点では私が大の男を吹っ飛ばしたようにしか見えないだろうからね。
魔法をちょっとでも知ってれば体格差なんそんなに関係ないってわかるもんね。無知とは恐ろしいものだよ。
「私が下の連中の仲間ですか。まあそう思うのは勝手ですけど、なら今頃あなた達全員生きてないと思いません? ちょっとは頭使ったらどうですか? それとももしかして今のって遠回しな殺してくださいってお願いですか? なら叶えてあげますよ?
どうぞ、前に出てきてください。あの失礼な人と同じ状態にしてあげます」
私はそう言って周囲を取り囲んでる奴らを見る。私に睨まれた奴らは全員顔を逸らしてる。死にたくはないと……
「確かに、俺たちは生きてるな。下の奴らの仲間なら、殺されてないのはおかしいのかも……」
そんな事を言い出す奴も出てくる。手のひらがコロコロと覆る奴等である。
「それでは理解できたようなら、退いてもらいます? 私は行かなくちゃいけないんで」
「待って!」
「そうよ! 彼はどうするの!!」
そういうのは私のぬいぐるみが吹っ飛ばした男の取り巻きの女二人だった。いや、知らんし。
男の取り巻きだった女二人が耳をつんざくような金切声を上げた。二人は走って男のところに走り寄って手を……伸ばさなかった。
多分その床に広がる血がそうさせたのだろう。まあ他人の血って汚いもんね。わかる、わかるよ。けどさっきまでベタベタしてたのにそれはちょっと薄情じゃない?
結局あの子達はあいつの顔とかがある程度良かったから付き合ってたのかも知れない。それか金……かな? それなりに良いもの着てたしね。でも貴族って感じではなかった。
なら人種の国がうまく回りだしてからの成金かな。そういうの実はいっぱいいる。なにせ一気に人種の国は発展したんだ。企業が増えていろんなものが市場に溢れた。
それで一番下だった人たちには働き口がいっぱい増えて、懐が潤ったらみんないろんなものを買えるようになる。そうやってどんどん市場が膨らんでいくと、さらに沢山の企業が新たな市場を求めて立ち上がるのだ。
言うなれば好景気だね。だから小金持ちって人たちが沢山だ。まあ悲惨だった人種の立場を考えれば、今は誰もが小金持ちだと言っても良いと思うけどね。なにせお金を見たことないって人だっていただろうし。
下の階層の人たちはだいたい昔は物々交換が主流だったんだ。そこにちゃんとした貨幣経済を導入できたのは何を隠そう私の功績に他ならないんだよ。だからこうやって私を取り囲んでるこいつらは私に平伏さえすれ、反抗的な態度に出るべきじゃない。
鶴の一声で潰しちゃうぞ? それが私には出来る。だって私は最高権力者だよ? あんた達の王様よりも私の立場は上だ。まあこいつらはそれに気づいてないからこんな態度を取れるわけだけど。
「なんてことを……」
「こんなの人間じゃない!」
「こいつもきっと下の連中の仲間なんだ!!」
「早く軍に連絡しないと!」
そうくるか……いや、こんな細くて華奢な女の子が大の大人を片手で吹っ飛ばしたらそう思うのも仕方ないとは思う。人種は魔法に疎いしね。ここにいるほとんどの人は魔法なんて見たことないだろう。じっさい私が吹っ飛ばした訳じゃないけど、この人たち視点では私が大の男を吹っ飛ばしたようにしか見えないだろうからね。
魔法をちょっとでも知ってれば体格差なんそんなに関係ないってわかるもんね。無知とは恐ろしいものだよ。
「私が下の連中の仲間ですか。まあそう思うのは勝手ですけど、なら今頃あなた達全員生きてないと思いません? ちょっとは頭使ったらどうですか? それとももしかして今のって遠回しな殺してくださいってお願いですか? なら叶えてあげますよ?
どうぞ、前に出てきてください。あの失礼な人と同じ状態にしてあげます」
私はそう言って周囲を取り囲んでる奴らを見る。私に睨まれた奴らは全員顔を逸らしてる。死にたくはないと……
「確かに、俺たちは生きてるな。下の奴らの仲間なら、殺されてないのはおかしいのかも……」
そんな事を言い出す奴も出てくる。手のひらがコロコロと覆る奴等である。
「それでは理解できたようなら、退いてもらいます? 私は行かなくちゃいけないんで」
「待って!」
「そうよ! 彼はどうするの!!」
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