美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H296
「くっ……」
おかしい……まるでじわじわと追い詰められてるような……そんな気さえするほどに自分たちは包囲されつつある。オウラムから来た我々を完全に把握はしてないようだが……確実にこっちに割く人数は増えている。更には世界樹の警備も多くなってる気がする。
「狙いがばれたのではないか?」
「いや、そうじゃない。奴らの動きは完全に世界樹を守るようなものじゃない。まだあべこべだ」
我らの存在は確実にばれてるだろうが、我らの目的はばれてはない……そんな所だろう。だが……自分はそう考えつつ、空を見る。地上もそうだが、空の方がやばい。
空には四つや八つのプロペラを持つような機械が大量に飛んでいる。少し大きな八羽の機械を親玉に、四羽の機械が十幾づつを伴ってる……という感じだ。最初はそれこそ、空を見たらちらほらとそれが見える――という感じだった。けど今は違う。視界にはいくつものそれらの機械が跋扈してる。
そしてなぜか俺たちが姿を現すと、すぐさまにあの赤い光を向けて来る。多分だが、あの小さい四羽の機械たちが赤い光を放って、照準を定めて、でかい八羽が攻撃を放ってるんじゃないだろうか? わからないが、推測だ。
「無理矢理にでも進むか? このままここにいても、いずれ見つかるぞ。あの攻撃とて、我等なら耐えられない事はないはずだ」
そういう仲間の一人の意見を聞く。これまでは攻撃にはなるべく当たらずにきた。攻撃に当たったという事実が、奴らにどう捉えられるかが恐ろしかったからだ。
実際あの程度……といっていいのかわからない攻撃に俺たちがそれほどのダメージをおうとは考えられない。なにせ点の攻撃だ。確かに一点集中は怖いが、赤い点が指し示して攻撃が到達するまでに若干のタイムラグはある。
しかも攻撃が来るところが事前に示されるのも実は大きい。そこにマナを集めて強化すればいいだけだしな。そこらの凡百な種なら難しいかもしれないが、自分たちは大いなる使命を帯びた精鋭だ。
今もこうしてる間にもオウラムは人種と魔族の軍に攻められてるだろう。セーファが抑えてるマナの源泉となってる山が落ちたら……我らの、オウラムの敗北だ。
そして敵は、そこを抑えるまで、その歩みを止めることはないだろう。自分は考える……俺達なら強引にでも世界樹にたどり着くことは……できる。だが狙いをみすみす相手側にバラすのはリスクが高い。俺たちは強いが、おごってはいけない。人種というのは、種としては弱いが、狡猾な奴らだ。
何をされるかはわからないから、下に見てはだめなんだ。俺たちはあくまでま挑戦者だ。
「奴らの目を分断する。世界樹の代わりになる手頃な目標があればいいんだが?」
「それならばあれはどうだ?」
そういって仲間の一人が指し示すのは立派な城だ。なるほど……確かにあれなら敵も相当慌てるはずだ。
「よし、ならあそこには俺が陽動をかける。みんなは――」
「何をいってるラジエル。貴様は世界樹へといけ」
「そうです。ラジエルは我等の王。陽動など私目にお任せください!」
「だがそっちには数は裂けないぞ」
「奴らの目をくぎ付けにするくらい暴れるなど、造作もない事」
一番危険な事を自分でやろうとするな――とティルにも言われてたな。自分は王なのだから、その自覚を持てと……ああ、自分は王だ。一番の活躍をしないといけない。目標である世界樹は自分の手で破壊する! 俺たちは二人を二重の陽動要因として別行動にして世界樹を目指すことにした。
おかしい……まるでじわじわと追い詰められてるような……そんな気さえするほどに自分たちは包囲されつつある。オウラムから来た我々を完全に把握はしてないようだが……確実にこっちに割く人数は増えている。更には世界樹の警備も多くなってる気がする。
「狙いがばれたのではないか?」
「いや、そうじゃない。奴らの動きは完全に世界樹を守るようなものじゃない。まだあべこべだ」
我らの存在は確実にばれてるだろうが、我らの目的はばれてはない……そんな所だろう。だが……自分はそう考えつつ、空を見る。地上もそうだが、空の方がやばい。
空には四つや八つのプロペラを持つような機械が大量に飛んでいる。少し大きな八羽の機械を親玉に、四羽の機械が十幾づつを伴ってる……という感じだ。最初はそれこそ、空を見たらちらほらとそれが見える――という感じだった。けど今は違う。視界にはいくつものそれらの機械が跋扈してる。
そしてなぜか俺たちが姿を現すと、すぐさまにあの赤い光を向けて来る。多分だが、あの小さい四羽の機械たちが赤い光を放って、照準を定めて、でかい八羽が攻撃を放ってるんじゃないだろうか? わからないが、推測だ。
「無理矢理にでも進むか? このままここにいても、いずれ見つかるぞ。あの攻撃とて、我等なら耐えられない事はないはずだ」
そういう仲間の一人の意見を聞く。これまでは攻撃にはなるべく当たらずにきた。攻撃に当たったという事実が、奴らにどう捉えられるかが恐ろしかったからだ。
実際あの程度……といっていいのかわからない攻撃に俺たちがそれほどのダメージをおうとは考えられない。なにせ点の攻撃だ。確かに一点集中は怖いが、赤い点が指し示して攻撃が到達するまでに若干のタイムラグはある。
しかも攻撃が来るところが事前に示されるのも実は大きい。そこにマナを集めて強化すればいいだけだしな。そこらの凡百な種なら難しいかもしれないが、自分たちは大いなる使命を帯びた精鋭だ。
今もこうしてる間にもオウラムは人種と魔族の軍に攻められてるだろう。セーファが抑えてるマナの源泉となってる山が落ちたら……我らの、オウラムの敗北だ。
そして敵は、そこを抑えるまで、その歩みを止めることはないだろう。自分は考える……俺達なら強引にでも世界樹にたどり着くことは……できる。だが狙いをみすみす相手側にバラすのはリスクが高い。俺たちは強いが、おごってはいけない。人種というのは、種としては弱いが、狡猾な奴らだ。
何をされるかはわからないから、下に見てはだめなんだ。俺たちはあくまでま挑戦者だ。
「奴らの目を分断する。世界樹の代わりになる手頃な目標があればいいんだが?」
「それならばあれはどうだ?」
そういって仲間の一人が指し示すのは立派な城だ。なるほど……確かにあれなら敵も相当慌てるはずだ。
「よし、ならあそこには俺が陽動をかける。みんなは――」
「何をいってるラジエル。貴様は世界樹へといけ」
「そうです。ラジエルは我等の王。陽動など私目にお任せください!」
「だがそっちには数は裂けないぞ」
「奴らの目をくぎ付けにするくらい暴れるなど、造作もない事」
一番危険な事を自分でやろうとするな――とティルにも言われてたな。自分は王なのだから、その自覚を持てと……ああ、自分は王だ。一番の活躍をしないといけない。目標である世界樹は自分の手で破壊する! 俺たちは二人を二重の陽動要因として別行動にして世界樹を目指すことにした。
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