美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H283
慟哭をあげる俺にさらに銃口が向けられる。
「うっ……うわああああ!!」
俺は逃げ出した。だって仲間を撃つなんてできない。けど殺されるのだっていやだ。向こうだって仲間を殺したくはないはずだ。でも俺にはできることなんてなくて。
なんとか個人で組み合って抑えてる人もいるが、もう周囲全部が敵味方と訳分からない状態だ。だから一人を組み伏せたとしても、別のやつに撃たれてしまう。要は相手にしたらだめなんだ。俺は森の中に逃げた。ここなら木々が邪魔して、身を守ることができる。幸いにして操られてる奴らは追いかけてくることもなかった。
「一体何が……」
機甲師団や魔族たちにどうにかして欲しいが、彼らは彼らでより強力な相手と戦ってる。こっちに構ってる暇はないようだ。そもそもが上の人が死んで、指揮系統がめちゃくちゃで、どうしたらいいのか分からない。
「うっ……」
頭にズキンと痛みが走る。頭のなかで木霊する声がある。それは俺に語りかけるように「目の前の相手を殺せ」と言ってる。
(この声に、みんな操られてるのか?)
でもそれなら、なんで俺はまだ無事なのか? いや、俺だけではない。まだ操られてない人はいる。そして操られてる人たちは別に操られてる同士で仲間……とか思ってるわけではないらしい。
普通に目の前にいたら操られてる同士で撃ち合って崩れ落ちてる。
「どんな形でもいいから、俺たちの数を減らすのが目的……なのか?」
せっかく操ったというのに、捨て駒以外の使い方をしてないところを見ると、そう捉えるのが妥当だと思う。
「ちょっ!?」
俺は慌てて自分が向けてる銃をおろした。まずい……自分は操られていない……と思ったが、そうじゃない。
いつの間にか、銃を味方に向けていた。すでに一人……俺は殺してしまってる。でもまだ……まだ戻れるはずだ。授業でも一発なら誤射だって言ってたし。
でも二発目はもうそんな言い訳はできない。屁理屈でも、心が許さない気がする。
もしかしたら心身ともに完全に操られてしまったら楽だったのかも知れない。でもこの症状はそうじゃなく、体だけを意思に反して動かしてる。つまりは、俺たちに心の傷やら絶望やらを植え付けることも目的なんだろう。めっちゃいやらしい攻撃だ。
「誰かを殺す……くらいなら……」
俺はそう言って震える銃口を自分に向ける。だってこのままなら、確実に俺は誰かを殺すだろう。これ以上そんなことはしたくない。だから−−
「もう大丈夫だ」
――肩に置かれた手。振り返ると重厚な服を纏った部隊がいた。そしてその後ろにはダンプの姿。ダンプの屋根には何か装置があって、それから魔法陣が輝き、青い光を拡散する。すると頭に響いてた声が聞こえなくなっていった。
「うっ……うわああああ!!」
俺は逃げ出した。だって仲間を撃つなんてできない。けど殺されるのだっていやだ。向こうだって仲間を殺したくはないはずだ。でも俺にはできることなんてなくて。
なんとか個人で組み合って抑えてる人もいるが、もう周囲全部が敵味方と訳分からない状態だ。だから一人を組み伏せたとしても、別のやつに撃たれてしまう。要は相手にしたらだめなんだ。俺は森の中に逃げた。ここなら木々が邪魔して、身を守ることができる。幸いにして操られてる奴らは追いかけてくることもなかった。
「一体何が……」
機甲師団や魔族たちにどうにかして欲しいが、彼らは彼らでより強力な相手と戦ってる。こっちに構ってる暇はないようだ。そもそもが上の人が死んで、指揮系統がめちゃくちゃで、どうしたらいいのか分からない。
「うっ……」
頭にズキンと痛みが走る。頭のなかで木霊する声がある。それは俺に語りかけるように「目の前の相手を殺せ」と言ってる。
(この声に、みんな操られてるのか?)
でもそれなら、なんで俺はまだ無事なのか? いや、俺だけではない。まだ操られてない人はいる。そして操られてる人たちは別に操られてる同士で仲間……とか思ってるわけではないらしい。
普通に目の前にいたら操られてる同士で撃ち合って崩れ落ちてる。
「どんな形でもいいから、俺たちの数を減らすのが目的……なのか?」
せっかく操ったというのに、捨て駒以外の使い方をしてないところを見ると、そう捉えるのが妥当だと思う。
「ちょっ!?」
俺は慌てて自分が向けてる銃をおろした。まずい……自分は操られていない……と思ったが、そうじゃない。
いつの間にか、銃を味方に向けていた。すでに一人……俺は殺してしまってる。でもまだ……まだ戻れるはずだ。授業でも一発なら誤射だって言ってたし。
でも二発目はもうそんな言い訳はできない。屁理屈でも、心が許さない気がする。
もしかしたら心身ともに完全に操られてしまったら楽だったのかも知れない。でもこの症状はそうじゃなく、体だけを意思に反して動かしてる。つまりは、俺たちに心の傷やら絶望やらを植え付けることも目的なんだろう。めっちゃいやらしい攻撃だ。
「誰かを殺す……くらいなら……」
俺はそう言って震える銃口を自分に向ける。だってこのままなら、確実に俺は誰かを殺すだろう。これ以上そんなことはしたくない。だから−−
「もう大丈夫だ」
――肩に置かれた手。振り返ると重厚な服を纏った部隊がいた。そしてその後ろにはダンプの姿。ダンプの屋根には何か装置があって、それから魔法陣が輝き、青い光を拡散する。すると頭に響いてた声が聞こえなくなっていった。
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