美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H253

 攻撃は成功した。見えるわけじゃないが、エネルギー自体がどうなったかくらいはわかるからね。今頃オウラムは大事だろう。なにせ感知できない遠距離からの攻撃だ。それこそ奴らにとっては寝耳に水だ。本当ならこれで、オウラム事態を殲滅したいところではある。けどこれは無差別殺戮兵器である。

 私にはラジエルに騙されてるうさぎっ子を助けるという義務があるからね。さすがにオウラムをこれで一気に滅ぼすという事ができない。まあ私もいつまでこだわってるんだって思うよ。けどうさぎっ子とは運命だからね。
 実際は理を私が書き換えて、美少女は寿命以外では死なない世界へとこの世界はなってるわけだが、実際理も絶対ではない。ほぼ絶対だけど、例外なんてものはあるわけで。その例外の一つがラジエルが持ってるあの王の剣でもあるみたい。

 そして超大出力のこのエデン砲ね。エデン砲って安直だけど、まあわかりやすいかなって。実際ちゃんとした正式名称ってやつも考えてある。けど長ったらしいからね。エデン砲が一番だよね。
 さすがにこの攻撃に晒されたら、理をぶち抜いてしまうのは必然だ。それでも私は魂の選別ができるからね。まあ結局は皆マナだからね。世界樹へと戻ってくる。そこで美少女はわかりやすくなってる。理が働いてるからだ。
 でも何故か、そう何故か、私はこんなに思ってるのに、うさぎっ子には嫌われてるというか……なんか慕われてない。あんなによくしてたのにね。なぞだ。

 それに実は、どうやら世界樹を介さずとも世界に還れる術はあるみたいだからね。うさぎっ子がそれをしてしまってたら、困る。まあ誰もができることではないはずだが、なんかエデン争奪戦の時に見たうさぎっ子にはへんな力があった。
 それにその世界樹を通さない世界への還元はオウラムのカマキリみたいなやつがやってたし、その術をうさぎっ子に伝えてないとも限らないから……

 うさぎっ子も変化してるからね。下手に殺すと何があるか分かったものではない。だからオウラムをパパっと押しつぶすことはできないのだ。

 本当なら自分たちとオウラムがぶつかる展開は避けたかった。やっぱり三つ巴だから、二つの勢力がぶつかり合ったら、残りの一つは漁夫の利を狙うじゃん。これも案外アクトパラスとゼンマイが悪い。
 まあ向こうのアルス・パレスは壊したから、変な兵器を新たに生産はできなくなったし、これでさらにこちらとの戦力差は開いたわけだ。

 それに一応アクトパラスとゼンマイも戦闘直後で、そんな早く出てこれないとおもわれる。なら、とっととオウラムをつぶして、そしてアクトパラスとゼンマイにぶつかる。
 それが一番わかりやすくて、単純だ。

「さて、ねよっと」

 あと数時間もすれば、こっちの最初の部隊がオウラムとぶつかるだろう。けど、別に私はそこに必要ないし、軍を統率してるグルダフや蛇がうまくやってくれるだろろ。だから私はやることやったから、さっさと寝るのだ。
 興奮した奴らを相手に……は今はしない。満足して死ぬよりも後からのご褒美の方か死に物狂いで戦いそうじゃん? だから私の手ごまたちにはお預けさせて戦場に送り出した。


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品