美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H252

 その日、人々は希望を見ただろう。それかもしかしたら恐れを抱いたかもしれない。なぜかというと、エデンが直接、攻撃を放ったからだ。狼煙が必要かなってことでね。
 なにせ、私がオウラムに潜入していろいろとやってたのは向こうもわかってる。もう最後の戦いは始まったと向こうだって思ってるだろう。なら、奴らだって進行してくる……かはわからないけど、挨拶くらいしておこうってわけ。

 この世界にはわざわざ宣戦布告をするなんて文化はない。いや、種族間にはあったらしいけど、一番弱かった人種はただ蹂躙されるだけの種族だったからそんなのはしらない。
 それにすでに戦闘は起こってる、もう開戦したようなものだろう。なら別にいいよね? 

「砲門展開!」

 私はエデンの玉座に座ってそういうよ。周囲にはプリムローズの皆と、メイドの皆さん。そしてぬいぐるみ達が控えてる。それにネジマキ博士に羽持ち達もいるが、そいつらは私にしか見えないからね。そして今やこのエデンの制御デバイスと化したキーであるぬいぐるみ達の一部は私の玉座からでた管がその背中にブスッとささり、このエデンを操ってる。これを作るのも大変だったよね。

 まあ大体エデンってオートなんだけど、深い操作が必要な時がある。それを私から指示してやってもらうのって非効率じゃん。羽持ち達が一番エデンに詳しいけどさ、その知識をネジマキ博士たちも引き出せてるとは言っても、すべてではない。
 それに私しかできないことはやっぱりある。その為の補助ができるデバイスとしてこの子たちがいるのだ。

 エデンの底面から、 棒が出てくる。そして城から空に一つの青い光が伸びる。更にさらにハッチが開いて、いくつもの小型のユニットが飛び立った。

「目標、オウラムにあるアルス・パレス」

 ユニットは位置情報を取得して、そのルート上に輪を作って展開して回りだす。そしてその輪の中には複雑な魔方陣がでてる。

「エネルギー充填」

 その言葉ともに、大地からマナが沸き上がり、底面から出てきた棒へと集まりだす。そして私の頭の中では重鎮率が示されてる。そして『目標固定完了』の文字。

「悪く思わないでよラジエル……発射!」

 次の瞬間、空に向かって伸びてた青い光が輪を作ってるユニットの中心を指した。そしてそこからものすごいエネルギーが噴出した。それは展開してるユニットの円の中を通って、進んでいく。さあいけ、私の力を思い知れ。

 そしてその光はもちろん、寸分たがわずにオウラムのアルス・パレスへと直撃した。

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