美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H225


「で、何があったわけ? あんたってこの山の主みたいなものでしょ?」
「ああ、私はセーファ、不死鳥種であり、この山こそが私の巣だ」

 巣っていうと、なんか神聖さがないな……とか思ったけど、黙っておいた。でもやっぱり不死鳥種ね……厄介な。事実上こいつを殺す手段が……いや、私ならできるか? 
 できそうな気がする。てかこの山がアクトパラスとゼンマイに取られたら、そもそもが復活手段がなくなるのでは? エデンの知識には不死鳥種はマナが豊富な場所で復活すると書いてあった気がする。それは多分、一度肉体とかマナを新たにするために、それだけ豊富なマナが必要だからだろう。

 本当ならそういうことは世界を回してる世界樹であるクリスタルウッドがやってるはずだけど、そういうのを自分たちの力で成し遂げる特性をもってるのがこいつだ。
 死んでもクリスタルウッドに帰ることはなく、ここに戻ってきて、セーファは復活する。

「ふーん不死鳥種なんだ。ならここが取られたら困るわね」
「そうだな。ここが取られればたら私の復活が……いや、ただ場所として取られるだけなら別に問題はない。ただ、やつらはマナをおかしくしてる」

 なんか色々とどうやって情報を引き出そう……とか思ってたんだけど……こいつ勝手に喋ってくれるな。なんかエデン争奪戦の時は、結構無口みたいな印象があったようななかったような……だけど、まさかこのポンコツさを隠すためになるべく喋らせないようしてたのかな?
 
「マナをおかしくしてるって?」
「流れ出る溶岩をよく見てみろ。含まれてるマナが邪悪になってる」
「なるほど……」

 まあ普通はこうやって溶岩近くでじっくり見えないが、今は別だ。セーファが溶岩の流れを制御してるから、私たちの周りだけよけてくれてるからね。本当ならここ、溶岩で頭の高さ以上になってる場所だ。

「このままではこの溶岩の制御も怪しい」
「純なマナなら制御できるってこと?」
「当たり前だ」

 当たり前ってそれはおかしいけどね。普通純なマナは制御された時点でその人の色に染まる。純なままマナを操れるのは私か魔王であるミリアくらいだ。
 種族的なあれかな? とりあえずちょっと興味はある。それに今はいいけど、セーファの制御がなくなるとまずい。溶岩に飲まれるのは勘弁だ。

「私がマナを浄化していくから、セーファは溶岩を操って道を作って」
「そんなことが!? いやいい拾いものをしたな」
「拾ったのは私なんだけど……まあいいけどね」

 とりあえず私は周囲の溶岩を浄化してそしてそれをセーファが操って道を作って進むことにした。思わゆ共同戦線だけど、向こうは気づいてないみたいだし、いっぱい利用させてもらおう。

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