美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H223

「この服……」

 私は溶岩の上を陽気に歩いてた。時々岩とかも来るからね。だから踊るようにステップを踏んでる。これはプリムローズで鍛えてたかいがあるというものだ。
 まさに今の私は溶岩の上で踊る天女の様だろう。なんかキラキラしてる気もするし。

 炎属性で相性がいいのかもしれない。多分これって何かの儀式とかで使う衣装だと思うし、オウラムであがめるとなれば、この山とかになるだろうからね。炎か土の属性がついてそう。見た目的に炎を模してるしね。

 とりあえず溶岩にダイブせずにいられたのはよかった。別段ダメージを負うほどにやわじゃないが、この流れにはきっと逆らえない。そうなると上の方には行けないからね。まあ実際、何が起こってるのかはまだわかってない。
 多分、この噴火にはアクトパラスとゼンマイがかかわってると思ってるんだけど……

「むむ……」

 なんか山頂の方から流れ出てる溶岩……いや、溶岩とともに大量のマナが出てるわけだけどさ……流石は源泉というだけある場所だ。
 でもそのマナがなんかおかしくなってきてる。赤いマナになってきてる。

(やっぱり)

 どうやら何かをアクトパラスとゼンマイがやってるのは確かだ。でもここの主は何をやってるのか? このままいいようにさせてる訳? そんなことを思ってると、火口から火の鳥が飛び出してきた。

「うわぁ……」

 なかなかにその光景は綺麗ではあった。あったけど……

「あっ」

 勢いよく飛び出してきた火の鳥だけど、その勢いはある一定の高さで一気になくなった。そして光とともに人の形になって落ちてこようとしてる。

「あれってヤバイ? いや、あれがこの山の主なら別に溶岩に落ちても問題ないよね?」

 私はそんなことをブツブツとつぶやく。そんなことを考えてる間にも、火の鳥だっだ女性は溶岩の中に落ちた。そしてどんどんと沈んでいく。

「起きないな……」

 体が沈んで行ってる。最後に残ったのは二の腕の先だけ。なんか歩いてたら近くまで来たから一応声をかけてみる。

「おーい、生きてるー?」

 反応はない。ただの屍の……

(いや、死んでもらっちゃ困るか)
 
 多分この山も彼女がいるから、アクトパラスとゼンマイに対抗してるはずだ。彼女がこのまま死んだら、多分この源泉はアクトパラスとゼンマイの手に落ちる。それは困る。
 私は最後にちょっと見えてた中指を握ってみる。

「うお!?」

 その瞬間、溶岩の流れの力に引っ張られた。ヤバイヤバイ、私かよわいんだよ。かよわいかよわい女の子なの!? 防御力は一級品だけど、筋力はないから!! 

「ひぃぃぃぃ、誰かああ!」

 なんで私まで流されそうにならないといけないのか。マジで手を放そうかなって……

「んひぃぃぃぃぃ!?」

 そんなことを思ったらなんか握り返された。これは罠だったんじゃ!? とか思った。

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