美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H188

(でもこれって、力ダダ流しだからなぁ。気づかれるかも?)

 私はちっちゃい幼女体になって木の幹をのぼってた。大爆発のせいで、戦場に近づくにつれて森が燃える熱気や、煙、直接的な炎が阻んでくる。
 じっさい今、登ってる木も斜めになって別の木によれかかってる。まあだから登りやすいってのはある。私はメラメラと燃えたぎる炎の中へと突っ込む。
 幹が地上に近い部分はそんなに燃える部分ないけど、流石に葉とか細かい枝とかある丈夫は燃え方が激しい。それに別の木の燃えてる部分と合流しちゃってるしね。でも問題なし。
 私は強引に炎を突っ切る。ある程度の力を垂れ流してるから、それが私を……というかアンティケイドを守る防壁になってる。だから熱くなんてない。目がないから、煙がしみるって事もないし、内臓にダメージを追わせる……なんて事もない。力さえ流し続ければ、そこらへん一切無視できるのがなかなかに利便性高い。

 斜めになってた木からまだ直立してる木へと移って、さらに木々を飛んでいく。無駄にデカイだけあって、あれだけの爆発があってもまだ立ってる気は多い。けど全体に的にここらへんは燃えてるから、そのうち倒れると思うけど……私は燃えてる木から頭をだす。

(これはなかなかいいカモフラージュでは?)

 とか思って私はご満悦だった。実際、こんなダラ漏れな力だと、敵に気づかれておかしくはない。でもこの炎の中にいるなんて相手も思わないかも……しれない。まあ近づいたと言っても、戦場のど真ん中に来たわけではない。流れ弾にだけ気をつけてれば多分大丈夫だと思う。

「おお……なんか増えてる」

 白い巨人が二体になってた。でもそれ以上にアクトパラスとゼンマイ陣の大型怪獣は増えてた。気持ち悪い毛虫みたいなのが三体くらい追加されてる。ビジュアルが同じなのは既にバリエーションが切れてるのだろうか? まあそれを言うなら、白い巨人も全く同じだけどね。

 どうやらアクトパラス側は亀と爆弾撒いてた奴は倒されたみたい。やっぱりあの爆発の直接の原因と一番至近距離であの亀は食らったからね。無事ていられなかったみたい。今は毛虫の一体を白い巨人の一人が持ち上げてそのまま背後にドバーとぶつけてた。そして仰向けになったそれに予め飛んでたもう一体の白い巨人がライダーキックをかまして、胴体を吹き飛ばしてた。

 真っ青な血が吹き出てる。うっわきも……それが私の正直な感想だよ。

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