美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H182

「確実に勝つためにまずは第一陣だよ」
「本当に必要なときにちゃんと呼ぶと」
「その時は、そうしないと駄目でしょ」

 最終的な相手がどっちになるかはわからない。けど、オウムラにしろアクトパラスとゼンマイにしろ、そのときって奴は来るんじゃないかな? って私は思ってる。
 まあ今話してるのはかなりこっちに都合良いように言ってるから。実際そうなる確率がどのくらいなのかっていうと……ね。それにあのブヨブヨした状態をどうにか出来たとしても、アクトパラスとゼンマイを倒せるとは限らない。そもそもがあの状態が何なのかわかってないし。

「今はまだ、待機しときなさい」
 
 私はそうビシッとカタフに言ってやる。まあ八割型、あんたを動かせないのは、ミリアのせいだけどね。あの行き過ぎたブラコンをどうにか出来るって言うのなら、考えなくもないんだけど……ミリアの対策を講じるよりも、カタヤにおとなしくしてもらって置いたほうが、簡単なんだもん。

 あのブラコン『お兄ちゃん』の事には超直感働かせるからね。本当に恐ろしい。

「それでは我らはどうですかラーゼ様」
『グルダフ達も一緒だよ。まだその時じゃない。私の約にたちたいのなら、私が求めたときに万全であれる様にしときなさい。最後の戦いは迫ってるんだから」
「御衣」

 グルダフも納得してくれたみたいだね。まあグルダフはただ単に、保険だけど。

「市街の様子はどう? 気づいた様子はある?」
「今の所はありません。プリムローズのライブを発表しましたから、そっちに皆気を取られているでしょう」

 ふむふむ、やっぱり目を反らすには他に大きな事をするに越した事はない。プリムローズは大人気だから、民衆の注目度合いも凄い。まああまりにもプリムローズ一強にはしたくないんだけどね。
 でも私がいるグループだし、一番でないと嫌なんだけど。でも流石に今回は私はパスだね。私のファンには申し訳ない。でもある程度露出を絞ったほうがたまに出たときに歓声具合が凄い事になるからね。

 あの優越感ったらない。最近はただ単に、気が向いたときにしか参加してなかっただけなんだけど……一時期のアイドル熱は私の中では収まってるんだもん。でもやっぱりやると楽しいし、いつもの人数以上の数でちやほやされるのは最高だ。

 なので私がたまにアイドルをやるためにもプリムローズの面々には頑張ってもらわないといけない。普段の活動を彼女達がちゃんとやってくれてるから、たまにいく私も大きな観衆が得られるからね。

「魔族の方は? 気取られてない?」
「今の所は大きな動きはないようです」

 彼奴等に領土を与えたのはやっぱり正解だったね。あいつら定住地もいらずにただ他の種族を蹂躙し続けたい衝動を溢れさせてたからね。領土で街の発展とか体験させたら、おとなしくなるかもと思ったが、実際なってる。

 色々と難しい事が多いからね。外に向けてた目を内政の方に向けさせる事ができてるってことだろう。ナイスだね。ハゲとヘビから報告ももらって、このままなら大丈夫そうだとわかった。カタヤ新たにミリアとの相手を言い渡して、更に動く事になる。

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