美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H112
一つの種が俺自身にこれで屈服した。吹っ飛んだヌウナ種の所までいくと、ヌウナ種はおおきな岩へとめり込んでいた。そいつは俺の気配に気付くとまだ動こうとしたが、そこには既に戦意はなかった。寧ろ――
「ひっ!? うあぁ……あぁぁ」
――とガラガラと岩から抜け出して立てもせずに這いずるように背中を向けた。おいおい……とちょっとビックリだ。なにせこういう武闘派な種族は誇りとか五月蠅くいう。まあそれは俺達もそうではある。大小の違いはあれど、どんな種にも誇りと言う物はあるだろう。そんなの無く勝てば良いなんて思ってるのはそれこそ人種くらいだ。
そして強い種は誇りの為に死んでいく。誇りを捨てる位なら……って感じで特攻とかよくしがちな訳だが……なるほど、どうしてこいつらがヌウナ種の中でたった三人だけ生き残ったのか、その訳が今わかった気がする。
俺は殆どその場から動けてないこいつに聞こえるように地面を踏んだ。するとそれだけで、さっきまで散々猛々しかったヌウナ種がビクッとしてその太い腕で自身の体を抱えてうずくまった。
「死にたくない、死にたくない」
そんな声が聞こえた。これは……こいつだけがこうなのか? それとも他の二人のヌウナ種もこいつと同じタイプなのだろうか? ぞれによってちょっと予定が変わるぞ。なにせヌウナ種はそれなりに強い種だし……戦力として数えられると思ってた。好戦的だし、上手く関係を築ければきっとオウラムの為にプラスになるという打算が有った。
でも……今わかった。少なくとも、この目の前のヌウナ種は戦場になんて連れて行けない。なぜなら……その心は既に折れてるからだ。きっとアクトパラス種とかとの戦闘でこうなってしまったんじゃないだろうか?
「逃げたのか?」
俺はうずくまって震えるヌウナ種にそう聞く。最初にここに来た時、一応の事情は聞いた。その時はアクトパラス種とぶつかり、戦闘中に運良く? 運悪くかここにたどり着いた三人が吹っ飛ばされて戦場に復帰したときには既に戦いは終わっていて、誰も居なかった……と聞いた。でもおそらく真実は違うだろう。
森の中、風と生き物の音だけがガサガサと聞こえる。そんな中、俺は促さす様に告げる。
「どうなんだ?」
俺は歩む。その度にヌウナ種はビクビクとしてる。そしてこれ以上近付かれる事に耐えられなくなったのか、ヌウナ種は口を開く。丁度それば木々の隙間で俺には木漏れ日が差し込んでいた。それに対してヌウナ種は木々の影で震えてる。
「逃げたわけじゃない……逃げた訳じゃ……」
「それは本当か?」
「逃げてなんか――」
こっちを僅かに見たヌウナ種に眼光をくれてやる。真っ直ぐに鋭い眼光だ。ヌウナ種の声が詰まる。その体は俺よりも大きく、そして頑強な筈なのに、今やただ図体デカいだけに見える。興奮したら赤くなるけど、弱気になると段々と青を通り越して白くなっていくようだ。てかわかりやすいぞその体。
「――仕方……ないじゃないか……あんなのに勝てる訳がない。あんな……うあああああああああああああ」
そう言ってヌウナ種はデカい体でわんわんと泣き出した。どうやらこいつが意地為ときたかった最後のちっぽけなプライド……それを俺は砕いた様だ。でもこれは仕方ない。問題はここからだ。ここから、こいつが這い上がれるか。もしも這い上がれたら、きっとオウラムの力になるが……果たして。それはそんな事を考えながら、近づき、腰を下ろしてその体に優しく触れた。緊迫した空気は出さずに、なるべく優しい空気を身を纏う。
「ひっ!? うあぁ……あぁぁ」
――とガラガラと岩から抜け出して立てもせずに這いずるように背中を向けた。おいおい……とちょっとビックリだ。なにせこういう武闘派な種族は誇りとか五月蠅くいう。まあそれは俺達もそうではある。大小の違いはあれど、どんな種にも誇りと言う物はあるだろう。そんなの無く勝てば良いなんて思ってるのはそれこそ人種くらいだ。
そして強い種は誇りの為に死んでいく。誇りを捨てる位なら……って感じで特攻とかよくしがちな訳だが……なるほど、どうしてこいつらがヌウナ種の中でたった三人だけ生き残ったのか、その訳が今わかった気がする。
俺は殆どその場から動けてないこいつに聞こえるように地面を踏んだ。するとそれだけで、さっきまで散々猛々しかったヌウナ種がビクッとしてその太い腕で自身の体を抱えてうずくまった。
「死にたくない、死にたくない」
そんな声が聞こえた。これは……こいつだけがこうなのか? それとも他の二人のヌウナ種もこいつと同じタイプなのだろうか? ぞれによってちょっと予定が変わるぞ。なにせヌウナ種はそれなりに強い種だし……戦力として数えられると思ってた。好戦的だし、上手く関係を築ければきっとオウラムの為にプラスになるという打算が有った。
でも……今わかった。少なくとも、この目の前のヌウナ種は戦場になんて連れて行けない。なぜなら……その心は既に折れてるからだ。きっとアクトパラス種とかとの戦闘でこうなってしまったんじゃないだろうか?
「逃げたのか?」
俺はうずくまって震えるヌウナ種にそう聞く。最初にここに来た時、一応の事情は聞いた。その時はアクトパラス種とぶつかり、戦闘中に運良く? 運悪くかここにたどり着いた三人が吹っ飛ばされて戦場に復帰したときには既に戦いは終わっていて、誰も居なかった……と聞いた。でもおそらく真実は違うだろう。
森の中、風と生き物の音だけがガサガサと聞こえる。そんな中、俺は促さす様に告げる。
「どうなんだ?」
俺は歩む。その度にヌウナ種はビクビクとしてる。そしてこれ以上近付かれる事に耐えられなくなったのか、ヌウナ種は口を開く。丁度それば木々の隙間で俺には木漏れ日が差し込んでいた。それに対してヌウナ種は木々の影で震えてる。
「逃げたわけじゃない……逃げた訳じゃ……」
「それは本当か?」
「逃げてなんか――」
こっちを僅かに見たヌウナ種に眼光をくれてやる。真っ直ぐに鋭い眼光だ。ヌウナ種の声が詰まる。その体は俺よりも大きく、そして頑強な筈なのに、今やただ図体デカいだけに見える。興奮したら赤くなるけど、弱気になると段々と青を通り越して白くなっていくようだ。てかわかりやすいぞその体。
「――仕方……ないじゃないか……あんなのに勝てる訳がない。あんな……うあああああああああああああ」
そう言ってヌウナ種はデカい体でわんわんと泣き出した。どうやらこいつが意地為ときたかった最後のちっぽけなプライド……それを俺は砕いた様だ。でもこれは仕方ない。問題はここからだ。ここから、こいつが這い上がれるか。もしも這い上がれたら、きっとオウラムの力になるが……果たして。それはそんな事を考えながら、近づき、腰を下ろしてその体に優しく触れた。緊迫した空気は出さずに、なるべく優しい空気を身を纏う。
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