美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H51

 パウジーフラワーの運命もここまで。俺達が狙いを定めた奴らは、確実に殺して……そしてこの世から去って貰って来た。その順番がパウジーフラワーに来たと言うだけ。世界を取ろうとなると、きれい事だけでは成り立たない物だ。ラーゼ様の様な美しい存在は美しいその印象を誰もが求めるだろう。そして実際、彼女はそう言うことだけをしてれば良いと思う。輝く人達を支える……それも影で。それが俺達だ。
 ためらいなんて無い。皆はもう準備をしてるだろう。だから後は俺の最初の一手だけ。とりあえず上空をみて、リリアと視線を合わせる。俺達は普通のパウジーフラワーを相手にすることにした。リリアがいるんなら、一番ヤバそうな奴を彼女にまかせるのが良いだろう。リリアならまず負ける心配は無い。リリアは上から、そして俺達は痴情から同時にパウジーフラワーに攻撃を仕掛ける。その火蓋は俺が告げる。取り出した容器の蓋を開けると、直ぐに異臭が漂ってくる。奴らに鼻なんて器官があるのかは謎だ。だが、外敵を察知する器官がないわけ無い。これを開けた瞬間に、何かがいると悟られるのは覚悟してる。だからここからはスピードの勝負だ。

「サポ!」
(はい!)

 サポが服の中で輝く。すると風が吹き荒れた。それと共に容器を上に投げてその容器を銃で撃つ。すると中の液体に炎が灯り、青い炎がサポの風に煽られて、化け物の様な見た目になった。全てのパウジーフラワー達がその炎を見上げてる。ここだ!!
 俺達第555遊撃独立部隊は動きだした。見えない姿で走り、そしてその体に生えてる一輪の花を刈り取る。だが一体狩ったくらいでは仕事は終わらない。なにせパウジーフラワーは50体くらいはいる。それに対してこっちは二桁と少し。姿が見えてないから、上手くまだ気付いてないパウジーフラワーを狙う。勘の良い奴はどうやら俺達の存在に気付いたようだが……数さえ減らせば、それもどうにかなる。だから周囲に残ってる奴を優先的に潰す。

「よし!!」

 俺はボスと言う事もあり、順調に三体を潰した。引きちぎった花を地面に落として、その体が崩れ去るのを見届ける。とりあえず俺が直ぐに相手できる奴らはこれで全部だった。周囲を見てもかなり上手くいってる。戦闘に入ってる所もあるが……それも数で押し切れる。どうやらパウジーフラワーは肉弾戦しか仕掛けてこないみたいだ。

「リリアの方は……」

 気になるのは様相が違った奴。でも……どうやらそれも希有だったらしい。なにせぶつけたのは魔王である。過剰とさえ言えるかも知れない戦力。あの顔がないパウジーフラワーの女王みたいな奴はリリアによって跡形もなく消し飛ばされてた。あっけない。だが、こんな物だ。俺達の戦いは静かに終わる――そういう物だ。

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