美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
H34
遠くで何か大きな振動が響いて来た。残ってる魔族の奴にリリアを呼び戻す様に要請してるんだが……いかんせん彼等は俺の指揮下に入ってる訳じゃない。上からいわれて俺達の部隊と合流してるバンセンさんとサポは俺の指示に従ってくれるが、魔族のこの二人はそんなことは全然無い。一応協力はしてくれてるが……
「せめてリリアの状況を――」
「「魔王様にはお考えがあります。何も心配する必要はありません。この世界はあの方の手のひらにあるのですから……」」
こんな返事しかしてくれない。いや、別に魔王であるリリアを心配してるわけではない。こっちを心配してるんですけど! でもこの魔族二人……もしかして双子なのかかも知れない。いつも同じタイミングで言葉を発して、寸分違わずに被ってるからな。この二人の連係はそれこそ完璧。一分の狂いもない。それはとても助かってるんだが……結局二人はリリアほどの力があるわけではない。
「リリアはこっちの状況もちゃんと分かってる……そう言うことですか? どこに居たって見通す目があると?」
「「魔王様を侮らないで頂きたい!!」」
怒られた。ダンプの中から銃を撃ってる僕たちとは違って、バンセンさんとか魔族二人は外に出て戦ってる。それに魔族二人は飛ぶことが出来る。離れてしまった二台のダンプが気になるから、この二人はそれぞれ別れて救援に行って欲しいところだ。リリアが帰ってこないなら、自分たちでなんとかするしかないわけで……戦力を偏らせてても仕方ない。飛べる魔族二人には縦横無尽に動いて欲しい。それに外でしか得られない情報だってあるだろう。ダンプ同士は通信出来るんだし、そう言う情報もその都度行き来してる中でやりとりだって出来る。
でも普通にお願いしても二人が従ってくれるかは分からない。ここは彼等を上手く動かす必要がある。
「二人はリリアからここを、俺達のことを任された……そうだったよな?」
「「その通り。気は進まないがな。貴様等など見捨てて、突っ込みたくて仕方ない。思いっきり力を解放できないのが残念だ」」
魔族が戦闘狂なのは知ってるが……この二人はかなりそれらしい。あの数に進んで突っ込んで行こうと思えるなんて……それだけの力があるって事なのだろうか? よく考えたらわざわざリリアが選別した二人だ。ただやっかいな性格をしてるこの二人を選んだわけではないだろう。なにか……それこそ二人でもリリアを守れるくらいの力があるから選ばれたとしたら? 二人はまだ力をセーブしてる。そう考えると頼もしく思える。だからこそもっと有意義に使おう。彼等はリリアから俺達のことを任されてるんだ。見捨てる事は絶対に無い。
「二人は空に上がってそれぞれ空から援護をしてくれないか? その力、存分にみせてくれ!」
「「ふん、いいのか? 我らがいなくなった途端に潰れて貰っては困るぞ?」」
「俺達はそこまで柔じゃない。それに……あんた達ならそうなる前にやってくれるだろ?」
「「がはははは! 人種が我らを使うか!! 豪胆な奴だ。良かろう。やってやる」」
そう言って二人の魔族は羽を開いて高く飛んだ。よし……これで離れてしまった二台のダンプもどうにかなるだろう。とにかくリリアが戻ってこないのはきっと何か考えがあるって事だ。彼女がこの魔物の波を止めてくれることを祈るしかない。それまで生き残ってみせるさ!
「せめてリリアの状況を――」
「「魔王様にはお考えがあります。何も心配する必要はありません。この世界はあの方の手のひらにあるのですから……」」
こんな返事しかしてくれない。いや、別に魔王であるリリアを心配してるわけではない。こっちを心配してるんですけど! でもこの魔族二人……もしかして双子なのかかも知れない。いつも同じタイミングで言葉を発して、寸分違わずに被ってるからな。この二人の連係はそれこそ完璧。一分の狂いもない。それはとても助かってるんだが……結局二人はリリアほどの力があるわけではない。
「リリアはこっちの状況もちゃんと分かってる……そう言うことですか? どこに居たって見通す目があると?」
「「魔王様を侮らないで頂きたい!!」」
怒られた。ダンプの中から銃を撃ってる僕たちとは違って、バンセンさんとか魔族二人は外に出て戦ってる。それに魔族二人は飛ぶことが出来る。離れてしまった二台のダンプが気になるから、この二人はそれぞれ別れて救援に行って欲しいところだ。リリアが帰ってこないなら、自分たちでなんとかするしかないわけで……戦力を偏らせてても仕方ない。飛べる魔族二人には縦横無尽に動いて欲しい。それに外でしか得られない情報だってあるだろう。ダンプ同士は通信出来るんだし、そう言う情報もその都度行き来してる中でやりとりだって出来る。
でも普通にお願いしても二人が従ってくれるかは分からない。ここは彼等を上手く動かす必要がある。
「二人はリリアからここを、俺達のことを任された……そうだったよな?」
「「その通り。気は進まないがな。貴様等など見捨てて、突っ込みたくて仕方ない。思いっきり力を解放できないのが残念だ」」
魔族が戦闘狂なのは知ってるが……この二人はかなりそれらしい。あの数に進んで突っ込んで行こうと思えるなんて……それだけの力があるって事なのだろうか? よく考えたらわざわざリリアが選別した二人だ。ただやっかいな性格をしてるこの二人を選んだわけではないだろう。なにか……それこそ二人でもリリアを守れるくらいの力があるから選ばれたとしたら? 二人はまだ力をセーブしてる。そう考えると頼もしく思える。だからこそもっと有意義に使おう。彼等はリリアから俺達のことを任されてるんだ。見捨てる事は絶対に無い。
「二人は空に上がってそれぞれ空から援護をしてくれないか? その力、存分にみせてくれ!」
「「ふん、いいのか? 我らがいなくなった途端に潰れて貰っては困るぞ?」」
「俺達はそこまで柔じゃない。それに……あんた達ならそうなる前にやってくれるだろ?」
「「がはははは! 人種が我らを使うか!! 豪胆な奴だ。良かろう。やってやる」」
そう言って二人の魔族は羽を開いて高く飛んだ。よし……これで離れてしまった二台のダンプもどうにかなるだろう。とにかくリリアが戻ってこないのはきっと何か考えがあるって事だ。彼女がこの魔物の波を止めてくれることを祈るしかない。それまで生き残ってみせるさ!
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