美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H3

 その日は何も違わない日だっただろう。大多数の人種の人達、この国合流してる他種族の人達、その人達はこの日、私達が世界へと進行したのをしりはしない。彼等が知るのはもっと情勢が動いてからだ。世界を動かすにはそれなりに時間が掛かるのだ。とりあえず世界に進行はしたが、この国には既に敵の間者がいるだろうしね。

 そいつらに簡単に知られたら困る。だから民間には内緒である。正方形はクルクルクルクルと回り出した。
そして下に降りてきてたそれらが自身でも周りながら、十個の正方形が円を描いて集い出す。

「転送装置きなさい」

 そんな風に言うと、回ってる正方形の中と外にそれぞれ魔方陣が描かれる。誰が描いてるのかはしらない。なんか私の意思をエデンが汲んでくれて勝手にやってくれるのだ。

「ラーゼ様、それでは予定通りのポイントへと送りますか?」
「勿論。変更はないわ。世界は広いんだもの。見当外れの場所に送っても意味ないでしょ? 敵が居そうな所に送るわよ」

 流石に直接は送らないけどね。それは流石に宣戦布告過ぎる。最初はちょっと新種が暴れてるみたいな感じの搦め手でいきたい。その間にエデンの主砲を治して溜めて……それぞれ一発ずつで私達の勝利というのが理想である。
 
 エデンは何もただの空に浮かぶ島ではない。一度だけその力の片鱗を見せた事があるのだ。その記録は人種には残って無かったけど、たまたま合流した他種族が知ってた。その伝承はこうだ。

『空から降り注ぐ光の柱、大地を割り、海を穿ち、世界を真っ赤にそめたもう』

 とかだった。まあつまり、このエデンの攻撃で地章が大変な事になりましたよって事だ。別に世界を破壊なんてしたくないが、目障りな奴らを討ち滅ぼすには丁度いい。なにせ私達の課題は火力である。敵は基本頑丈だ。まあどっかの負け犬共の集まりとかはそこまで問題ではないが、今この世界を牛耳ろうとしてる最強の種はそれこそ最強に相応しい肉体強度とかを持ってるだろう。

 上位の種ってのはそれだけで頑丈だ。頑丈だししぶといのが常。まともにぶつかってもあほらしいことがわかってるのに、まともにぶつかろうなんて思わないでしょ。


「それではこれを――」
「うむ」

 ハゲが差し出してくる紙を私は受け取る。本当は私がこの陣に干渉して細かい座標を指定するべきなんだろうが、そんな知識はない!! なのであらかじめそういうのが得意な奴にこのエデンの陣を解析して貰って細かな指定が出来る様な仕組みを考えて貰ったのだ。

 もちろんそれとなく羽持ち達にも協力させてる。なにせエデン事を一番知ってるのはここを作った奴らなんだから奴らに聞くのが一番だもんね。

 私は紙に力を流す。すると紙に特殊なインクで書かれた文字が浮かび上がって、正方形の周囲と中で回ってる陣へと組み込まれていく。そうして赤い色が緑色に変わると、どんどんと正方形が消えていった。後は世界の情勢を注視していよう。時々、アンティケイドと視界を繋げてみるけどね。

 その役目はちゃんと秘密部署というか、部隊が担ってくれる。私はおもしろそうな時だけ報告を貰って覗くのだ。楽しみが増えた。そんな感覚でしか無い。世界征服なんて、そんなものだ。

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