美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
閑話 ある日のシシの日常15
いきなり姿が変わった車長さん。流石にアンティカほどの大きさになったわけじゃないが、三メートルくらいありそうで、更に肉体が機械の様でがっちりしてるから、小さいアンティカって感じ? 実はあの車長さんはエデンの秘密兵器かなんかだったのだろうか?
まるで人種だったよ? 何も違和感なんか……
(いや、なんか変な人だったかも知れない)
……思い返してみると、程度だけどそんな気がする。まああのくらいのおかしな人があんな存在なら、この世界の人種がヤバい事になるけどね。てか、本当に皆があんな存在なら、人種が一番弱いとか言われないよね。本当にあれ?
変な姿になった車長さんはアンティカよりも小さな体を生かして、懐に入り込む。そしてたたき込む拳、ドームを飛び出して空へと飛んでく赤いアンティカ。けどクリエイトさんもただで飛んでいった訳じゃなかった。なんか鞭みたいなのが車長さんの腕には巻き付いてる。
それがピンと張った同時に、車長さんも空へと招かれていった。そして次に見えた時には、なんか二人とも揉みくちゃになりながら落ちてきた。
「きゃあ!?」
大きく揺れる地面に脚を取られて倒れそうになる。
「大丈夫ですか?」
そういうのはここに残ってくれていた獣人種の人だ。彼が私を支えてくれて、なんとか事なきを得た。彼は雄々しい角を生やしてるから、鹿とかだろうか。ここに居る獣人種では珍しく、なんと顔がまとも……というか人的な顔だった。
獣人種には二種類いるからね。人種の様な姿に獣の特性が出てるタイプと全身獣っぽい奴。彼は前者なんだろう。
「ありがとうございます」
「いえいえ、それよりも驚きましたか?」
その言葉はもちろん、車長さんの事だよね? それとも目の前の繰り広げられてる激しい戦いのことだろうか? まあ女の子ならこのバトルにも怯えておかしくない。けど私はアイドル。肝っ玉が小さいとアイドルなんてやれないのだ。だから勝手に車長さんの事だとして話を進めるよ。
「ええ、あの人はアレですか? エデンの秘密兵器的な存在なんでしょうか?」
「秘密兵器ですか……まあそう言えなくもないですね」
やっぱり! 私の推理は当たってたようだ。だっていきなり人があんな風になるんだよ? 普通じゃない。しかもアンティカよりも小さいのに、互角に戦ってる。てか二人とも殺す気でやってない? 二人の攻防が激しすぎる。
「一体あの人は何なんですか?」
「それは……流石に言えません。秘密です」
「私でも?」
「貴方でも、それを知ることは出来ません」
「見る分にはいいの?」
「出来ればよろしくないですよ」
なんだろう、何か不穏な気配を感じる。頭が危険を知らせてるような……この場所に居るからこの鹿の人を信用してたけど、私は彼の事を何もしらない。ここの場所の人なのかも……だ。そんな事を思ってると、彼が一歩近付いてくる。
「何、怖がる必要はありません。ちょっとだけ忘れて貰うだけ……そしてあの二人にはお仕置きが必要ですね」
「――つっ!! なんで!?」
私は紋章を使って魔法を使おうと思った。けど其れよりも早く何かされたのか、頭がぼうーっとして魔法は使えなかった。再び倒れそうになる私を彼が支える。ぼやける視界でなんとか睨んでやろうと思ったけど……頭が重い。最後に彼の声だけが聞こえてきた。
「全く、皆さん迂闊すぎですよ」
そこで私の意識は途切れた。
まるで人種だったよ? 何も違和感なんか……
(いや、なんか変な人だったかも知れない)
……思い返してみると、程度だけどそんな気がする。まああのくらいのおかしな人があんな存在なら、この世界の人種がヤバい事になるけどね。てか、本当に皆があんな存在なら、人種が一番弱いとか言われないよね。本当にあれ?
変な姿になった車長さんはアンティカよりも小さな体を生かして、懐に入り込む。そしてたたき込む拳、ドームを飛び出して空へと飛んでく赤いアンティカ。けどクリエイトさんもただで飛んでいった訳じゃなかった。なんか鞭みたいなのが車長さんの腕には巻き付いてる。
それがピンと張った同時に、車長さんも空へと招かれていった。そして次に見えた時には、なんか二人とも揉みくちゃになりながら落ちてきた。
「きゃあ!?」
大きく揺れる地面に脚を取られて倒れそうになる。
「大丈夫ですか?」
そういうのはここに残ってくれていた獣人種の人だ。彼が私を支えてくれて、なんとか事なきを得た。彼は雄々しい角を生やしてるから、鹿とかだろうか。ここに居る獣人種では珍しく、なんと顔がまとも……というか人的な顔だった。
獣人種には二種類いるからね。人種の様な姿に獣の特性が出てるタイプと全身獣っぽい奴。彼は前者なんだろう。
「ありがとうございます」
「いえいえ、それよりも驚きましたか?」
その言葉はもちろん、車長さんの事だよね? それとも目の前の繰り広げられてる激しい戦いのことだろうか? まあ女の子ならこのバトルにも怯えておかしくない。けど私はアイドル。肝っ玉が小さいとアイドルなんてやれないのだ。だから勝手に車長さんの事だとして話を進めるよ。
「ええ、あの人はアレですか? エデンの秘密兵器的な存在なんでしょうか?」
「秘密兵器ですか……まあそう言えなくもないですね」
やっぱり! 私の推理は当たってたようだ。だっていきなり人があんな風になるんだよ? 普通じゃない。しかもアンティカよりも小さいのに、互角に戦ってる。てか二人とも殺す気でやってない? 二人の攻防が激しすぎる。
「一体あの人は何なんですか?」
「それは……流石に言えません。秘密です」
「私でも?」
「貴方でも、それを知ることは出来ません」
「見る分にはいいの?」
「出来ればよろしくないですよ」
なんだろう、何か不穏な気配を感じる。頭が危険を知らせてるような……この場所に居るからこの鹿の人を信用してたけど、私は彼の事を何もしらない。ここの場所の人なのかも……だ。そんな事を思ってると、彼が一歩近付いてくる。
「何、怖がる必要はありません。ちょっとだけ忘れて貰うだけ……そしてあの二人にはお仕置きが必要ですね」
「――つっ!! なんで!?」
私は紋章を使って魔法を使おうと思った。けど其れよりも早く何かされたのか、頭がぼうーっとして魔法は使えなかった。再び倒れそうになる私を彼が支える。ぼやける視界でなんとか睨んでやろうと思ったけど……頭が重い。最後に彼の声だけが聞こえてきた。
「全く、皆さん迂闊すぎですよ」
そこで私の意識は途切れた。
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