美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

閑話 ある日のコランの日常2

「シシちゃん……凄いね」

 朝見たときはこんなんじゃなかったと思う。まあ私達はテレビの為に一日に何度も着替えたりするけど……それでもね。

「ふふ、そうでしょう? まあ私、ファッションリーダーだし」

 シシちゃんは自身の感性に絶対の自信をもってる。沢山のファッションが次々と生まれてる昨今です。はっきり言って正解なんてなくて、私達の指針はラーゼ様しかない。でもラーゼ様は別にそこまで何かをいうわけじゃない。ただ、今までにない服を生み出すだけ。

 ラーゼ様は何を着ても似合っちゃうのです。流石に今のシシちゃんの格好まで……とは思うけど、もしもラーゼ様がやるとまだ違和感はなかったかも。まあけど、ラーゼ様は案外地味系の服が好みだと思います。ラーゼ様は元々が輝いてるから、服は落ち着いた感じや、シンプルな物を好んで着て気がします。

 まあだからこそ、シシちゃんはその反対を行こうとしてるんだと思う。ラーゼ様も止めたりしないから、シシちゃんは我が道を突き進んでる。ミラお姉ちゃんもフィリーお姉ちゃんも何かいってくれれば良いのに、二人もラーゼ様が何も言わないから、こういうのも有りなのかな? って事で何も言いません。

 ファッションに正解はない――そうラーゼ様もいってたから……

「コランは今日も地味ね」
「えへへ、シシちゃんみたいには出来ないよ」
「何言ってるの。私達は常に注目されてるのよ。新しい事をやっていかないとダメなの。そんなんじゃ、直ぐに飽きられるわよ。私達は絶対王者でいないといけないんだからね」
「うん」

 私もちょっとはそこら辺意識はしてます。なにせプリムローズは全アイドルの頂点に居る存在です。だから私も毎日服を買えて、いつだって20分くらいはなやんでる。ちょっとした変化をつけるのに苦労する毎日です。シシちゃんは毎日大胆に変えてるけど……
 
「二人とも、そろそろスタジオに入らないと」
「はいです」
「わかってるわよ」

 シシちゃんは引きずるようになるスカートを持ち上げてゆっくりとすすむ。やっぱり絶対に生活しづらいよそれ。それに肩の所から羽の様なのが大きく主張してるから、隣を歩くとそれがわしゃわしゃして鬱陶しい。更に帽子は鬣みたいに長い。コンセプトは鳥さんかな?

 とりあえず隣を歩くのはきついから一歩下がっておきました。次はラジオだし、このファッション自体は見えないから安心ですね。夜には多分着替えるだろうし、もうちょっと落ち着いた服になったらいいなーってコランは願ってます。

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