美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω204
私が見つけたのステフスキンの星の巫女だった。まさかまだ形が残っていたとは驚きだ。とっくにその存在事、アラガタの星の世界樹に食われたのだと思ってた。まあ今にも消え入りそうなほどに弱々しいが……でも、まだ消えてない。
それにアンティカのレーダーも反応があったって事はまだ生きてるんだろう。
「こんな奴の為に危険冒すなんてね……」
このスナフスキンの巫女を助ける義理なんてない。確かにアラガタの星で世界樹にとらわれてるのを見て、哀れだなってはおもった。けど、それも戦いの結果に過ぎない。同情する事じゃないんだ。戦って、負けたんだからね。敗者に権限なんてない。
私はゼロの腕にスナフスキンの巫女を包む。
『連れて帰るんですね』
「ゼロが見つけたんでしょ?」
『私は、反応があると言っただけです』
そうだけど……異質なマナだとはわかってた筈だ。それがこの人だとはわかりようもないが、無視してほしいなら言わなければいいだけ。それをわざわざ報告してきたって事は、助けてほしかったんじゃないの?
『本当にそれだけだったんですよ?』
「はいはい」
そういうやりとりしてる間にも、極彩色の光が走り続けてる。しかもその波というか、模様はどんどんと動きを早くしていってて、背景を見てるだけで気持ち悪なる程。私は急いでカタヤ様達の後を追う。
『二人の反応が消失しました』
「え? それってまさか!?」
いきなりのゼロのその言葉に私は焦る。だってこのタイミングでカタヤ様とカンガタの反応がなくなるなんて……それってつまりは……
『違います。クーシャの想像はおそらく間違いでしょう。きっと彼らはこの空間から出ることに成功したのです』
「なるほど……」
悪い想像をしてしまったが、確かにそれもあり得る。寧ろその可能性が高いだろう。アラガタはもう自我さえ保ってない状態だ。その取り込んだエネルギーと共に、今にも爆発しそうなのに、今更二人に攻撃なんてしないだろう。
『ですが……困った事になりましたね』
「困った事?」
『私たちは二人の反応を追っていたのです。ですがその反応が消えてしまいました』
「つまり、どこが出口かわからない?」
『その通りです』
それはめちゃくちゃやばい。
「二人の消失点は?」
『不明です。全ての危機が狂ったじょうたいで、現在地もわかりかねます』
「それじゃあ……」
『帰る方法がありません』
まさか……ここにきて……そんな。手の中のスナフスキンの巫女をみる。判断を誤った。こんなの放っとくんだった。
(いや、諦めるなクリエイト! きっと何か出来る事がある!!)
私は自分の頬をたたく。計器も何もかも狂ってる状態。外との連絡も当然出来ない。そして周囲の気持ち悪さは増していき、タイムリミットが迫ってる。どんどんとビビットが強くなっている。これって私が思ってるみたいに爆発が起きるとかじゃないのかもしれない。
いつ……突然臨界点が来るかわからない。
「とにかく中心から離れて……」
とか思うが、既にどこもかしこも極彩色であふれてる。中心も外もわからない。私はとりあえず色々と計器を触っていじる。高度……水平……マナ残量……マナ同期のチャンネル……
『ガガ――』
「!!」
今反応したよね?
「ゼロ!!」
『マナのチャンネルを微調整します』
ゼロは普段から自分たちの世界のマナと赤いマナを使う関係で、他の機会よりもマナに敏感につくってある。そのおかげかもしれない。キュイーーーン、ガガガ――とか不快な音しか聞こえてなかったが、なにか一定のメロディーの様な気もした。そしてそれが次第にわずかだけど合っていくと、それが何なのか理解できた。
「歌……これはプリムローズの……ゼロ、マナの反応を探って!!」
私はゼロを上下左右に動かす。そしてその歌をより強く掴む方へと進み出した。何故なら、この歌が聞こえる方に私たちの星があるはずだからだ。そしてそれはきっと出口に違いない。歌とは不思議だ。普段ならそんな聞くことなんかしてなかった。
けど、今は彼女たちの歌がとてもここ強い。胸にしみる。極彩色の世界の中、届く歌を目印に私たちは進んだ。そして――
「クリエイト!!」
――宇宙空間に出ると、カンガタとファーストがゼロの体を掴んで一気にその場から離しにかかった。
「プロトゼロの脱出を確認! 繰り返す! プロトゼロの脱脂を確認!!」
そんな通信が響いた次の瞬間、どこからか出てきたドラゴンが極彩色に膨れ上がった力に食らいつく。そしてそのドラゴンがアラガタだったその力と星を食べ尽くした。今度こそ……本当に……私たちは勝ったんだ。
それにアンティカのレーダーも反応があったって事はまだ生きてるんだろう。
「こんな奴の為に危険冒すなんてね……」
このスナフスキンの巫女を助ける義理なんてない。確かにアラガタの星で世界樹にとらわれてるのを見て、哀れだなってはおもった。けど、それも戦いの結果に過ぎない。同情する事じゃないんだ。戦って、負けたんだからね。敗者に権限なんてない。
私はゼロの腕にスナフスキンの巫女を包む。
『連れて帰るんですね』
「ゼロが見つけたんでしょ?」
『私は、反応があると言っただけです』
そうだけど……異質なマナだとはわかってた筈だ。それがこの人だとはわかりようもないが、無視してほしいなら言わなければいいだけ。それをわざわざ報告してきたって事は、助けてほしかったんじゃないの?
『本当にそれだけだったんですよ?』
「はいはい」
そういうやりとりしてる間にも、極彩色の光が走り続けてる。しかもその波というか、模様はどんどんと動きを早くしていってて、背景を見てるだけで気持ち悪なる程。私は急いでカタヤ様達の後を追う。
『二人の反応が消失しました』
「え? それってまさか!?」
いきなりのゼロのその言葉に私は焦る。だってこのタイミングでカタヤ様とカンガタの反応がなくなるなんて……それってつまりは……
『違います。クーシャの想像はおそらく間違いでしょう。きっと彼らはこの空間から出ることに成功したのです』
「なるほど……」
悪い想像をしてしまったが、確かにそれもあり得る。寧ろその可能性が高いだろう。アラガタはもう自我さえ保ってない状態だ。その取り込んだエネルギーと共に、今にも爆発しそうなのに、今更二人に攻撃なんてしないだろう。
『ですが……困った事になりましたね』
「困った事?」
『私たちは二人の反応を追っていたのです。ですがその反応が消えてしまいました』
「つまり、どこが出口かわからない?」
『その通りです』
それはめちゃくちゃやばい。
「二人の消失点は?」
『不明です。全ての危機が狂ったじょうたいで、現在地もわかりかねます』
「それじゃあ……」
『帰る方法がありません』
まさか……ここにきて……そんな。手の中のスナフスキンの巫女をみる。判断を誤った。こんなの放っとくんだった。
(いや、諦めるなクリエイト! きっと何か出来る事がある!!)
私は自分の頬をたたく。計器も何もかも狂ってる状態。外との連絡も当然出来ない。そして周囲の気持ち悪さは増していき、タイムリミットが迫ってる。どんどんとビビットが強くなっている。これって私が思ってるみたいに爆発が起きるとかじゃないのかもしれない。
いつ……突然臨界点が来るかわからない。
「とにかく中心から離れて……」
とか思うが、既にどこもかしこも極彩色であふれてる。中心も外もわからない。私はとりあえず色々と計器を触っていじる。高度……水平……マナ残量……マナ同期のチャンネル……
『ガガ――』
「!!」
今反応したよね?
「ゼロ!!」
『マナのチャンネルを微調整します』
ゼロは普段から自分たちの世界のマナと赤いマナを使う関係で、他の機会よりもマナに敏感につくってある。そのおかげかもしれない。キュイーーーン、ガガガ――とか不快な音しか聞こえてなかったが、なにか一定のメロディーの様な気もした。そしてそれが次第にわずかだけど合っていくと、それが何なのか理解できた。
「歌……これはプリムローズの……ゼロ、マナの反応を探って!!」
私はゼロを上下左右に動かす。そしてその歌をより強く掴む方へと進み出した。何故なら、この歌が聞こえる方に私たちの星があるはずだからだ。そしてそれはきっと出口に違いない。歌とは不思議だ。普段ならそんな聞くことなんかしてなかった。
けど、今は彼女たちの歌がとてもここ強い。胸にしみる。極彩色の世界の中、届く歌を目印に私たちは進んだ。そして――
「クリエイト!!」
――宇宙空間に出ると、カンガタとファーストがゼロの体を掴んで一気にその場から離しにかかった。
「プロトゼロの脱出を確認! 繰り返す! プロトゼロの脱脂を確認!!」
そんな通信が響いた次の瞬間、どこからか出てきたドラゴンが極彩色に膨れ上がった力に食らいつく。そしてそのドラゴンがアラガタだったその力と星を食べ尽くした。今度こそ……本当に……私たちは勝ったんだ。
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