美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

Ω187

 私は宇宙空間に出た。普通生身で宇宙空間に出たから人なら、すぐに膨張とかして、バーンとはじけてしまう。――らしい。それは宇宙空間にはいろいろな物がないからだったりするらしい訳だけど、まあ詳しい事は私はしらない。

 皆何も言わずに私を見送った訳だが、そこら辺何も気にしないのは、私という絶対の信頼感のなせる技なのだろうか? まあこの通り、私は全然無事なんだけどね。息が出来ないのとか、私にとっては些細なもんだいでしかない。それよりも宇宙空間に居ることで、紫外線を直で浴びてることの方が、女としてはちょっと心配。
 まあ私だから問題なさそうだけどね。

「ゼウスから離れないとだよね」

 いつまでも漂ってても意味は無い。ゼウスには陣は完成させてもらわないといけないしね。

「うん、やっぱり以前よりもマナを思い通りに使える気がする」

 鍵を手に入れたからか、以前よりも星を近く感じる。言うなれば、以前は家の中にはいても部屋の外だったが、今は部屋の中にまで居る感覚だ。よくわからない? 私もそこまではっきりとわかるわけじゃない。けど、確実に私達の星を近くに感じるってだけだ。

「久々にあれをやりますか」

 私はマナを集める。宇宙空間にはマナなんてほぼ無いが、私は星ともゼルとも繋がってるから、マナなんて取り放題である。私の周囲にマナが濃く集まり、それは光として周囲に見えてるだろう。そしてその中で私の服装というか、見た目は変わってる。

 かなり露出高い際どい服がマナによってこうせいされ、更に背中には光の翼が四つ生える。いつぞやした、私の先頭フォームだ。私の真っ白な肌に金色の装飾が、良いアクセントになってるのだ。手や脚に絡みつく様にそれは現れてる。

 そして頭にもティアラが出現した。まさに私は世界の頂に立つ物だね。

「もう一回これを使う気は無かったんだけどね」

 何度も言うが、私は自分で動くなんて事はしたくない。面倒なことは他の奴らに任せて私は楽しいって部分だけを享受したい。でも……まあいつかは必要な時が来るだろうとは思ってはいたから前のから改良して準備はしてた。本当はいやだけど、一番イヤなのは泥水をすすることだからね。

 今の生活を守るためなら、私だって頑張る気はある。

「よっと」

 私は宇宙空間を蹴る。どうやって蹴ったかは自分でもわからないが、軽く蹴ると、一気にゼウスから距離があいた。すると、わらわらとゼウスに向かってた、鎧共がこっちに流れてくる。

「うん、やっぱり狙いは私か」

 大量の鎧はキモいが、狙い通りではある。別段相手をする必要なんてない。私は逃げに徹するよ。

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