美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

Ω134

 私は鞭をアラガタへと向けた。どこまで伸びるか……とか思ったが、なんと鞭は伸びるらしく結構遠くから攻撃出来る。てか当てられる距離ならゼロがロックオンしてくれる。鞭って正直厚かったことはない。けど……

「これは確かに便利ね」

 一回動かしただけでそう思える武器だ。アラガタが動いても、鞭なら即座に対応できる。勿論、ある程度の距離が開いてる事が前提だろうけど。鞭と言っても機械の鞭だから一本の紐ではない。どっちかというと、いくつもの短い刃を束ねてる様な感じだ。

 そしてこの鞭事態に赤いマナを放出する機能があって、そのマナの放出の強さで無理矢理軌道修正もなんと出来る。一度振れば、当たるまでしつこく追いかけまわす事が出来てしまう。

 中距離からこんな事をされたらウザっただろう。実際どこまでも追いかけて来る鞭にイラっと来たのか、避けてた抗たが、その拳を向けてきた。

(ここだ!)

 その瞬間、二本の鞭の先端が開いた。アラガタは鞭が接触してくるタイミングを狙ってた筈だから、予想外の動きに動きが一瞬止まる。先端が開いた鞭は赤いマナの波動をアラガタに向かって放出した。これが何だっていうのか、実はちょっと疑ってる。けど……

「引いた!!」

 アラガタ程の強者が引いた。それはこの攻撃に意味があったということじゃないだろうか? そして引いたアラガタへとカンガタとカタヤ様が追撃する。今までアラガタには常に余裕があったように見えた。いくら二人が攻撃をしても、危なげなく捌いてる様に見えた。

 けど今はその余裕が僅かでも崩れたようだ。奴の腕の動きがさっきまでも悪い。

「あれって……ゼロ」
「ええ、マナ周波数の狂いです。強大な存在程、そのマナは膨大。それこそが強さへと直結してる要素ですが、だからこそ、マナという物の影響受けやすいともいえるのです」
「実際、半信半疑だったけどね」

 とりあえず出してみたけどさ、実際はどんな物か確かめる意味合いが私的には強かった。だって装備が様変わりしてるからね。一つ一つ確かめていかない……ちゃんとマニュアルは読めるだけ読んだが、やっぱり実際使ってみないとわからない事は多い。今のだってそうだ。

「五秒くらいしか、影響ない?」
「そうですね。そこまで長続きする効果ではありませんし、使い続けると、周波数の変化に対応されるかもしれません。アレがそこまで器用とは思えませんが」

 案外ゼロは毒舌である。けど見た目があれだからって、力一辺倒と思うのは違うだろう。ゼロだってそこら辺はわかってる。ゼロは……いやゼロ達アンティカは独自のネットワークで情報を共有してるらしい。だから三機でアラガタの力を分析してる筈。

「小物共が!」

 その言葉と共に、アラガタの目が光り、そしてその熱い装甲に模様の様な物が浮かぶ。

「気をつけろ! 組み替えてくるぞ!!」
『組み替える?』

 カンガタが何を言ってるのかわからない。けど、その意味は直ぐに分かる事になる。

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