美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

Ω108

 私の頭が不要になった。いや、別段不要にはなってないか。ただ、記憶が補完されたと思えばいいだけだ。楽になったんだからありがたい。小手に地図が表示されてるし、現在地もある。どうやらリアルタイムでこの現在地は移動してるみたい。
 凄い、これは便利だ。何かこの小手には現在地を確認する機能でもあるのだろうか? 

(あれ? これって実はカンガタにも伝わってる?)

 どうなんだろうかそれは? 確認する手段なんてないからね。けどバレてると思うとサボれないな。いや、さぼる気なんてないんだけど……だって早くやるべきことをやらないと困るのは私達だ。

「けどアラガタが現れたからな……」

 この場所から逃れてる為に装置を起動してる訳だけど、アラガタなら宇宙までも追ってくるのではないだろうか? 星に縛られてる世界樹の根は伸ばす距離にも限界があるのは当然だが、カンガタが宇宙に行けるのなら、アラガタだって行けると思う。

 でも余計な邪魔が入らずにやり合えるってのが大きいか。取り合えず今は装置を起動させることだけを考えるべきだ。小手が地図を表示してくれるから迷う事もない、更なる効率アップが図れる筈だ。時折空から物凄い衝撃波が降ってくる。
 それに注意しながら進む。まあその衝撃波よりもそのせいで周囲のボロボロの建築物が崩れだす方が危険なんだけどね。けど上からの衝撃だから下に崩れる感じになるから、そこまで危なくはない。これが横から衝撃波が来てたら、もっと厄介だっただろう。それこそ衝撃波が来るたびに瓦礫が一斉に飛んで来たり……それをかんがえるといつまでも上で戦っててもらいたい。


「はあはあはあ!」

 何とか次の建物の場所まできた。流石にこれは大丈夫なのか? って思った。まあさっきもボロボロだったが、今度の建物も、デカい建築物が倒れてて来てて、その両側の崩れた建物がお互いに支え合ってるみたいで微妙な均衡を保ってる。
 
「これってあの装置がある建物に張られた力がアレを維持してる?」

 だってあんな微妙てバランスで保ってる物が、ここまで来るたびに発生してた衝撃波で崩れないなんてどう考えてもおかしい。なら危なそうに見えるだけで実際は危なくない筈だ。でもなんか少しずつメキメキ言ってるような? 

 あんなの落ちてきたら下の建物ごと潰されるしかない。

「装置さえつけちゃえば!」

 ちょっと触れるだけでいいんだ。パパっとやってささっと出る。それが一番だろう。私は微妙な均衡で保ってる建築物の下にある建物へと走った。

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