美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω96
私達は後ろからこの厚い壁の中へと侵入する。少し進むとそこには床が……地面がなかった。
「ラーゼ様! 来てはダメです!」
咄嗟に私はラーゼ様を後ろへと押した。一瞬の浮遊感がした瞬間、ゾクッとした悪寒がしたから私は危険を察知して後ろのラーゼ様が私の跡に続かない様にそうしたんだ。まさかこんな形で終わるとは思ってなかった。まさか床がないなんて想像の範囲外。
「クリエイト!」
ラーゼ様が手を伸ばしてくれる。けど届かない。だって私が後ろに押したんだ。それを私が取ってラーゼ様まで巻き込むわけにはいかない。そんな事をするのは護衛として失格だ。だから……
(さようなら……ってえ?)
「クリ……エイト?」
ラーゼ様も困惑してるが、私はもっと困惑してる。なぜなら一瞬の浮遊感の後、私はふよふよと浮いてるからだ。落ちたと思ったら浮き上がって今やラーゼ様が見上げる形だ。
「なっ……クリエイト飛べたの!?」
「違います!!」
目を輝かせてるけど、そうじゃない。これは私の力とかじゃない。これはきっとこの場所自体が……
「ラーゼ様は危ないからそこに――」
そういってたらラーゼ様はちょっと助走をつけて飛び出した。
「――なにやってるんですかああああああ!!」
思わずそんな声を出した私は悪くない。ラーゼ様はお転婆が過ぎる所がある。普通いきなり、飛ぶ? 怖がるのが普通でしょう。なのにいきなり飛ぶんだもん。あんな声も出るよ。これで私みたいに浮かなかったらどうするつもりなのか。
私が浮いてるからってラーゼ様も浮くなんて限らない。まあラーゼも浮いてるんだけど……
「どうやらここは無重力みたいね」
そういって案外落ち着いてるラーゼ様。私の心配を返して欲しい。
「なんでここはこんな何でしょう?」
「さあね……あそこにいけばわかるかも」
この空間は結構広い。この空間を隠す為に、あの分厚い壁があったのだろうか? てか壁とか開けて大丈夫なの? いや、そこを考えるのは私達じゃない。
「まってください、どどうやって行くんですか?」
「ちょっと力を使えばいいでしょ」
簡単にいうけど、その力を私は使えませんけど? 私はさっきからずっとその場でクルクルしてる。泳ぐ様に体を動かしてみても進むことはない。どうにか壁に届けば、それを支点に力を伝える事が出来るが、届かない。
「しょうがないわね。ほら」
そういって私に手を伸ばしてくれるラーゼ様。私はちょっとドキッとしてしまった。その手を取ると、ラーゼ様は手から小さな光を出す。それが推進力となって私達はこの空間の中央にある物体へと向かった。
「ラーゼ様! 来てはダメです!」
咄嗟に私はラーゼ様を後ろへと押した。一瞬の浮遊感がした瞬間、ゾクッとした悪寒がしたから私は危険を察知して後ろのラーゼ様が私の跡に続かない様にそうしたんだ。まさかこんな形で終わるとは思ってなかった。まさか床がないなんて想像の範囲外。
「クリエイト!」
ラーゼ様が手を伸ばしてくれる。けど届かない。だって私が後ろに押したんだ。それを私が取ってラーゼ様まで巻き込むわけにはいかない。そんな事をするのは護衛として失格だ。だから……
(さようなら……ってえ?)
「クリ……エイト?」
ラーゼ様も困惑してるが、私はもっと困惑してる。なぜなら一瞬の浮遊感の後、私はふよふよと浮いてるからだ。落ちたと思ったら浮き上がって今やラーゼ様が見上げる形だ。
「なっ……クリエイト飛べたの!?」
「違います!!」
目を輝かせてるけど、そうじゃない。これは私の力とかじゃない。これはきっとこの場所自体が……
「ラーゼ様は危ないからそこに――」
そういってたらラーゼ様はちょっと助走をつけて飛び出した。
「――なにやってるんですかああああああ!!」
思わずそんな声を出した私は悪くない。ラーゼ様はお転婆が過ぎる所がある。普通いきなり、飛ぶ? 怖がるのが普通でしょう。なのにいきなり飛ぶんだもん。あんな声も出るよ。これで私みたいに浮かなかったらどうするつもりなのか。
私が浮いてるからってラーゼ様も浮くなんて限らない。まあラーゼも浮いてるんだけど……
「どうやらここは無重力みたいね」
そういって案外落ち着いてるラーゼ様。私の心配を返して欲しい。
「なんでここはこんな何でしょう?」
「さあね……あそこにいけばわかるかも」
この空間は結構広い。この空間を隠す為に、あの分厚い壁があったのだろうか? てか壁とか開けて大丈夫なの? いや、そこを考えるのは私達じゃない。
「まってください、どどうやって行くんですか?」
「ちょっと力を使えばいいでしょ」
簡単にいうけど、その力を私は使えませんけど? 私はさっきからずっとその場でクルクルしてる。泳ぐ様に体を動かしてみても進むことはない。どうにか壁に届けば、それを支点に力を伝える事が出来るが、届かない。
「しょうがないわね。ほら」
そういって私に手を伸ばしてくれるラーゼ様。私はちょっとドキッとしてしまった。その手を取ると、ラーゼ様は手から小さな光を出す。それが推進力となって私達はこの空間の中央にある物体へと向かった。
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