美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

Ω53

ラーゼ様が乗ったアンティカの上空に何かがみえる。空間が歪んでる様な感じで、徐々にそれが広がってる。そしてある一定の大きさまでその空間が広がると、そこから何かが落ちてきた。それは剣であったり、槍であったり、もっと別の何かだったしてる。

「これは一体……」
「おお、実験は成功じゃ!」

 そういって全身で飛び跳ねてるのは元気な爺さんなネジマキ博士だ。実験ってのは空間から武器を取り出すとかそんなのだろうか? 確かにそれが出来るなら、基地や飛空艇で装備に悩む必要がなくなる。だって空間を使って武器を取り寄せる事が出来るなら、その都度に効果的な装備に換装すればいいんだ。

 それは物凄いメリットだ。これはその実験?

「あのネジマキ博士。これって空間から武器を取り出す実験か何かなんですか? それが出来たら確かに画期的ですね!」

 唯一の不安点はもしかしたらラーゼ様の力によって実現してるかもしれない所だね。それだとラーゼ様以外には再現が出来ない。だって人種の魔力容量では空間魔法なんてのは実現不可能とされてる。ラーゼ様は人の域に留まってないから出来るんだろうけど、私とかは全然人の域だ。出来るといっても小さな炎を出すくらい。アウトドアの訓練で約に立つ程度の火を出せるだけだ。

 けどどうやら私が思ってたのとは違うみたい。

「確かにそうじゃな。まあだがそれにも色々と問題はある。まあゆくゆくはそれを実現させたいが、これは宝物庫を開ける実験じゃったんじゃ」
「宝物庫ですか? では成功したって事は、これが……その宝?」
「お主にとってこれらは宝ではないのかの?」

 その笑みは私がなんていうか知ってるかのような笑みだった。楽しそうというか……まあ同士認定されてるのは嬉しいけどね。私は周囲に落ちている沢山の武器を見ていうよ。

「いいえ、これはまさに宝です!! だってこれでアンティカは更に強くなるんですよね」
「うむ、その通りじゃ!」

 かーはっはっは――と笑うネジマキ博士。ある程度武器を出したら空間の歪みは萎んで閉じられた。そしてラーゼ様が戻ってくる。

「とりあえず開ける事は出来たわね」
「ええ、ありがとうございますラーゼ様」
「でもあそこにあるのってヤバイ性能の武器ばっかりって聞いてるわよ?」
「彼等さえも封印した装備。危険なのは承知の上ですじゃ。ですが上を見ると学べるというもの。必ずやお役に立ちましょう」
「まあどうせこっちに向けて撃つ訳じゃないし、いくら危険でもいいんだけどね」

 二人の会話を聞いてると、この今目の前にある武器がいかにヤバいかわかってきた。きっとこの装備はずっと昔にこのエデンにいた種が作ったものなんだろう。けど不思議なのは、なんだかラーゼ様もネジマキ博士もその種と話したある事があるような言い方なような? 
 ものすごく長生きな種はいるけど、このエデンには何もいなかったんじゃ? いや、下っ端の兵士には知らせない事だってあるだろう。まあ私はそこまで下っ端でもない筈だけど……けどその種には別に興味はない。寧ろこの沢山の装備に興味がある。

「あ、あの! ちょっとここの武器試してみてもいいですか!?」
「絶対にダメ」
「いかん」

 私がとてもワクワクしてそういったら二人に一斉に突っ込まれた。まさかここまで一蹴されるとは。それだけ不味い物ってことなんだろう。ううー残念だ。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品