美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

閑話18

(あれええええか? あんれえええええええ??)

 今私の目の前で理解できないことが起こってる。何故だろう? 何が起こってるの? これは私だけでは許容範囲を超えた問題だ。とりあえずこれは考えるのは明日にしよう。そう思って私はカタコトで返事をしつつ、布団に入った。

 折角ミリアとすったもんだして決めた勝負下着をお披露目する機会は今夜はなかった。「今夜は寝かさないぞ」とか決め台詞を考えてたのに……いや、カタヤさんの為にも寝かすよ。寝かすつもりだけど、私に夢中になったら、そういう事になったかもしれないじゃん。

 けど無理だった……すべての予定が狂ってしまった。ミリアの高笑いが聞こえるようだ。私は悔し涙に枕を濡らしたよ。


「それで……どうしたの?」
「まあ、どうもなにもって感じですけどね」

 私の話を聞いて、アナハとティアラ様がそういってくる。どうしたのって言われても……ふて寝しただけだし。アナハイムの宮殿の一室で優雅にお茶に舌鼓を打ちながら私は昨日の事を話した。昨日の事……そう、なんとカタヤさんが子供を連れて来たのだ。

 どっかの反乱軍を壊滅させてたと思ってたら、なんと子供を連れて来たのだ。何を言ってるのか分からないかもしれないけど、私にもわからない。私とカタヤさんの子なら歓迎なんだけど……残念ながら私には小作りをした記憶がない。

 そもそもその子結構育ってるし。しかも更に頭が痛い事を今朝言ってた……

「それにね……なんか将来はもしかしたらその子に王位を譲るとかなんとか……」
「ええ……その子何者?」
「反乱軍に担がれてたのなら、王家の血を引く子?」
「そこら辺は今、確認してるんじゃないですかね……もしもそれで本当に王家の血をちゃんと継いでる子なら……カタヤさんは本気みたいですよ」

 でもそれは私的には困る。だって私は将来の為にもこの国の為にもとカタヤさんを落とす気だったのに! 代わりの子が出てきたら抱いてくれないじゃん。最初は別に義務でもいいの。知ってもらうことが大切だから。女の子は……私は美味しいんだって知ってもらうことが大切だ。

 私は権力に任せて自分磨きをめっちゃしてる。だから自信はあるんだ。なのになのになのに!

「どうやってあの子追い出しましょう?」
「追い出すことは……確定なの?」
「当然でしょう。あの子がいたら私たちの子と継承者争いしちゃうんじゃん」
「その前に出来るかどうか――でしょ?」

 そうだけど……そうだから、可及的速やかに会議を開いてるんじゃん。

「でも利用価値……とかは考えないの?」
「利用価値?」

 アナハが私が考えてなかったことを言った。利用価値なんてある? 私的には邪魔でしかないだけど? まあとりあえずアナハが言うなら聞いてあげよう。

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