美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

√85

 どうやらカタヤさん達は止まる気がないようだ。ベールさんになら……とおもってそっちに語り掛けてみたが、反応は芳しくない。どうやらこの戦いはしなければ行けないことみたい。私を倒すか、私に勝つか……その選択肢しか彼等にはないみたい。

 だからこそ、一生懸命語りかけて理解を得ようと私たちはしてる。そして私たちはどっちも知ってる。理解してる。お互いの立場を……だから私たちはやっぱり戦うしかない。なら……すこしでも傷は浅くしてあげよう。私は負ける訳にはいかないし、ラーゼが弱体化することは私的に困る。国を取るか、ラーゼを取るかなら、私は迷わずラーゼをとる。

 確かにこの国はお世話になってたよ。色々とよくもしてもらった。仲間だっている。けど、私はやっぱり最終手的には帰りたいし、その可能性を持ってるのはラーゼだと思ってる。そして世界を支えるクリスタルウッドはラーゼの大切な力だ。魔王がそれを狙ってるというのなら、どうにかしないとね。

 とりあえずここをなんとかして魔王に……ミリアに私もあいたい。挨拶くらいしてくれるかとおもってたけど、早々にラーゼと共にゼウスにいくし……もしかしてミリアは私の事を忘れてしまったのだろうか? 魔王という存在と同化して……今のミリアは私が知ってるミリアなのか不安だ。少なくとも見た目は違ってた。

(まあ、私と一体だった時もこの目で直接見た事なかったけどね)

 なんてったって、私たちは同じ体を共有してた訳だしね。遠目で見たミリアは、ハッキリ言って全然変わってた。私に似てると、カタヤさんもベールさんも言ってたが、遠目で見た感じ全然似てなかった。私に似てるというのがおこがましい程に魔王と一体となってたミリアは美しかった思う。ちょっと羨ましいと思ったのは内緒だ。
 だってラーゼと並んでても見劣りすることがなかった。それってかなり凄い事だ。あいつは自分の事を宇宙一の美少女とか宣ってるが、それは案外間違ってないと思ってる。

 それくらい事実可愛いからだ。

「主、どうしますか?」

 ゼロが私に問いてくる。今まではどうにか二人に戦闘を止めてもらおうと思って動いてた。けどそれはお互いの信念無理のようだ。それにベールさんはともかく、カタヤさんは何かおかしい。ミリアの事でちょっと視野が狭まってるのかそれとも何かもっと別の……

「速攻で終わらせる」
「了解です」

 私は操縦管を握る手に力を籠める。そして現れる黒いマント。なるべく短時間で、そして圧倒するのなら、これを使わない手はない。圧倒する事で自然と、向こうのダメージも少なくなるのだから。ハステーラ・ぺラスを現すと同時に色々と画面に文字が流れる。

 ハステーラ・ぺラスはようやくアンティカと親和した。向かってくるカタヤ。その金色のアンティカが腕の先の刃物を向けてくる。けどそれは腕とかを狙ってるね。それじゃあどうしようもないってわかってるだろうに。けどシビアなベールさんは既に容赦ない所を狙ってるだろう。だから……

「ごめんねベールさん」

 私はハステーラ・ぺラスで空間移動をして青いアンティカの頭上に出る。そしてそして直接頭に腕をつっこんで赤いマナを流す。確かに散布する為のユニットは壊されたが、精製は出来るんだよ。それを直接流せば、活動を停止させることができる。

「ベーーール!! 亜子、お前!!」
「これしかないんだよカタヤさん」

 私は突かれる手を払いのけ、顔面を同じようにさす。そして金のアンティカの動きも止める。まあ実際はここまでの性能差があったということだ。私はカタヤさんの機体をベールさんの所まで運んでそこで言うよ。

「行きましょう。ミリアとラーゼの元へ」

 皆で話せばまだ何とかなるかもしれない。とか、思ってみたりね。

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