美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
√80
「はーーーふーーー」
長く深い息を吐く。そしてモニターに映った照準の先を見据える。狙いは赤いアンティカゼロ。今は一見こちらが優先にみえる。カタヤのアンティカと俺自身の機体でもっての波状攻撃は効果的だ。なにせこちら向こうの射程外からの攻撃だ。
余裕がある……その筈だが……さっきからこの機体のAIはうるさい。ゼロには勝てないとそう訴えてきてる。そして何故か俺の直感もそれを訴えてる。
今の状況は確実にこちらに有利……ゼロは俺の攻撃で負傷もしてる。負ける要素なんてない。それこそ亜子がその力を解放でもしない限りは。その筈だ。亜子が鉄血種の力を使いだすと、それこそ厄介。だが、それはないと断言できる。亜子は我々を止めようとしてる。
そしてそれはこちらも同じだが、既に一撃入れてる時点でアンティカを行動不能に陥れさせる前準備はこちらの方が整ってる。
「どうして……ああ、ほんとどうしてこんなことになったんだろうな」
俺たちは仲間だ。本当ならこんな事するべきじゃない。立ち向かうべきは中まではなく、魔王である筈。だがその魔王はミリアなんだ。本当に……あのミリアだった。
数日前
「ファイラルに出兵!?」
任務から戻った俺たちに飛び込んできたその知らせは信じられないものだった。なぜ、今? とかどうして? とかそんな疑問が頭に浮かぶ。ファイラルに出兵して一体なんのメリットがあるというのか。俺たちのフェアリー部隊はゼロがいないこともあって別の部隊にそれぞれが出兵してた。
その間にこんな大きな動き。まるで自分たちを遠ざけていたかの様。城に向かった俺はカタヤと合流した。俺たちはこの国の英雄だ。多少の無茶は通る。強く出れば、一般の兵士質が止められに訳はない。
「どういうことだと思うベール?」
「そんな事言われてもな……まだ情報が少なすぎる」
今はまだ何がなんだがわからない状態だ。ハッキリ言って今はここに安易に来てよかったのかと思う。もっと慎重に動いた方が……と。だが体が思わずここを目指してた。こんなバカげたことを本当に国王がなさってるのか……それを確かめないと、と思ったんだ。
ファイラルはこの国を支えてる領地と言っても差し支えないくらいの場所だ。それを侵略しようとするなんて……情報ではファイラルに謀反の恐れがあるから……となってたが、それならとっくにうごいてるだろう。今さら感がぬぐえない。
それに謀反を起こすにしても、今はラーゼがいない。そのタイミングでことを起こすだろうか? 寧ろ、こちら側がラーゼの不在のタイミングを狙ったかのような……そんなことを考えてると、玉座の間についた。扉は既にあいている。
そして何やら話し声も……なら王はいるのだろう。カタヤは止まらずに歩き続けてる。俺もそれに続いた。ここまで来たからもう、直接本人から聞くのが良いと判断したからだ。近づくとどうやら客人がいる事に気づいた。それは女性の様でドレスを着て――
「カタヤ!」
カタヤが走り出した。そして手には剣を持ってる。
「あれは人じゃない!!」
そんなカタヤの声に俺も気づいた。尻尾や羽がある。いや、あんな目立つの見逃すわけがない。なのに……気付くのがカタヤよりも遅れた。俺も銃を背中から前に持ってくる。普通は城に武器は認められた騎士以外持ち込めないが、この時は勢いで押し通してたのが、幸いした。
突進していくカタヤ。俺はすぐさま柱の陰から狙いを定める。
「逃げてください王様!」
そういいつつ、カタヤは剣を振るった。でもそれはその何かの尻尾に阻まれる。後ろに目があるような反応だ。
「おお、兄妹の感動の再会ではないか」
何か状況を理解してないような王の発言。だがそれよりも気になるワードがあった。兄妹?
「まさか!」
「お久しぶりです。ベールさん。それにお兄様」
振り返った彼女はラーゼに迫るかという程の美少女。だが、その中には確かにある。ミリアの面影が。
長く深い息を吐く。そしてモニターに映った照準の先を見据える。狙いは赤いアンティカゼロ。今は一見こちらが優先にみえる。カタヤのアンティカと俺自身の機体でもっての波状攻撃は効果的だ。なにせこちら向こうの射程外からの攻撃だ。
余裕がある……その筈だが……さっきからこの機体のAIはうるさい。ゼロには勝てないとそう訴えてきてる。そして何故か俺の直感もそれを訴えてる。
今の状況は確実にこちらに有利……ゼロは俺の攻撃で負傷もしてる。負ける要素なんてない。それこそ亜子がその力を解放でもしない限りは。その筈だ。亜子が鉄血種の力を使いだすと、それこそ厄介。だが、それはないと断言できる。亜子は我々を止めようとしてる。
そしてそれはこちらも同じだが、既に一撃入れてる時点でアンティカを行動不能に陥れさせる前準備はこちらの方が整ってる。
「どうして……ああ、ほんとどうしてこんなことになったんだろうな」
俺たちは仲間だ。本当ならこんな事するべきじゃない。立ち向かうべきは中まではなく、魔王である筈。だがその魔王はミリアなんだ。本当に……あのミリアだった。
数日前
「ファイラルに出兵!?」
任務から戻った俺たちに飛び込んできたその知らせは信じられないものだった。なぜ、今? とかどうして? とかそんな疑問が頭に浮かぶ。ファイラルに出兵して一体なんのメリットがあるというのか。俺たちのフェアリー部隊はゼロがいないこともあって別の部隊にそれぞれが出兵してた。
その間にこんな大きな動き。まるで自分たちを遠ざけていたかの様。城に向かった俺はカタヤと合流した。俺たちはこの国の英雄だ。多少の無茶は通る。強く出れば、一般の兵士質が止められに訳はない。
「どういうことだと思うベール?」
「そんな事言われてもな……まだ情報が少なすぎる」
今はまだ何がなんだがわからない状態だ。ハッキリ言って今はここに安易に来てよかったのかと思う。もっと慎重に動いた方が……と。だが体が思わずここを目指してた。こんなバカげたことを本当に国王がなさってるのか……それを確かめないと、と思ったんだ。
ファイラルはこの国を支えてる領地と言っても差し支えないくらいの場所だ。それを侵略しようとするなんて……情報ではファイラルに謀反の恐れがあるから……となってたが、それならとっくにうごいてるだろう。今さら感がぬぐえない。
それに謀反を起こすにしても、今はラーゼがいない。そのタイミングでことを起こすだろうか? 寧ろ、こちら側がラーゼの不在のタイミングを狙ったかのような……そんなことを考えてると、玉座の間についた。扉は既にあいている。
そして何やら話し声も……なら王はいるのだろう。カタヤは止まらずに歩き続けてる。俺もそれに続いた。ここまで来たからもう、直接本人から聞くのが良いと判断したからだ。近づくとどうやら客人がいる事に気づいた。それは女性の様でドレスを着て――
「カタヤ!」
カタヤが走り出した。そして手には剣を持ってる。
「あれは人じゃない!!」
そんなカタヤの声に俺も気づいた。尻尾や羽がある。いや、あんな目立つの見逃すわけがない。なのに……気付くのがカタヤよりも遅れた。俺も銃を背中から前に持ってくる。普通は城に武器は認められた騎士以外持ち込めないが、この時は勢いで押し通してたのが、幸いした。
突進していくカタヤ。俺はすぐさま柱の陰から狙いを定める。
「逃げてください王様!」
そういいつつ、カタヤは剣を振るった。でもそれはその何かの尻尾に阻まれる。後ろに目があるような反応だ。
「おお、兄妹の感動の再会ではないか」
何か状況を理解してないような王の発言。だがそれよりも気になるワードがあった。兄妹?
「まさか!」
「お久しぶりです。ベールさん。それにお兄様」
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