美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
√41
「外す事は許さん! 撃て!!」
そんな脅しをかけて号令をかける。一斉に引き金を引かれた銃口から光が放たれる。最初に撃つ奴らは腕に自信がある奴らだ。なにせあの魔族の周りには一般人がいて、更にその背にはクリスタルウッドがある。クリスタルウッドには傷一つつけてはならない。
だから絶対に当てられる奴しか撃ってはいない。その光は真っ直ぐに迷いなく魔族に向かってる。けどその光はクリスタルウッドに近づくにつれてどんどんと細くなる。そして最後には当たる前に消え去った。
「なっ!?」
周りの騎士たちからもそんな声が漏れる。すると「ふふっふ」とそんな声がきこえた。
「マナでの攻撃が許されると思って? ここがどこなのか、下等な人種にはわからないようね?」
背を向けたまま、魔族は言う。どうやら気づかれていたようだ。そして奴の言葉通りなら、この場では銃は通用しない。
「抜刀!!」
その掛け声で皆が腰の剣を抜く。これはただの剣ではない。魔剣だ。ファイラルは魔剣の量産が出来る様になったのだ。
「ふふ、これますか?」
そういった魔族の女の声と共に、最後尾にいた人たちが騎士たちの方を向く。その目は焦点があってなくて、半開きになった口からは涎がたれていた。
「くっ、人を盾にするか。卑怯な!!」
「だって、人種などそのくらいしか使い道無いでしょ? 肉壁がちょうどいい。私を止めたかったら、その肉をさっさと斬ることね」
魔族の女はそれを出来ぬと知って言っている。面白がるようにその目を細めて……口角を吊り上げ、美しいが、邪悪に見えるその顔には反吐が出る。
「我等をなめるなよ魔族!」
確かに人種は弱い。いや、弱かった。だが、ラーゼ様が来てから変わったのだ。あの方は色々な物をもたらしてくれた。支配した他種族を滅ぼすのではなく利用した。それによって色々な技術が発展して、そして種特有の力さえも人種の底上げに貢献してる。
我らは弱い。種単体なら、間違いなく最弱だ。 だが我等には応用する力があった。他種族の力をその身に昇華せる技術を生み出せた。だから……以前の我等しか知らないだろう魔族に、その認識を改めさせる。騎士たちは頷いてブーツにふれる。決められた手の動きでブーツにも魔力を通した。
確かにこの場は避難民であふれてる。とてもあの魔族までたどり着くのは骨が折れる。難民ならともかく、自領の民を騎士である彼等が殺す事はできない。だからこそ、超える! 一度距離をあけた騎士たちは足に力を籠める。ブーツ自体から風が吹き出したかの様に当たりを揺らした。そして一斉に飛ぶ。
騎士たちは皆がフルプレートの鎧をきてる。そんな高くジャンプなんてできる訳がない。常識ではそうだ。けど、魔術的な補助によってそれはなされる。彼等は優に三メートルは飛んだ。だがそれでも魔族まではとどかない。だから更に足を動かす。再び宙を蹴る。これで届く!
騎士たちは頭上から魔族に向かって突進していく。
そんな脅しをかけて号令をかける。一斉に引き金を引かれた銃口から光が放たれる。最初に撃つ奴らは腕に自信がある奴らだ。なにせあの魔族の周りには一般人がいて、更にその背にはクリスタルウッドがある。クリスタルウッドには傷一つつけてはならない。
だから絶対に当てられる奴しか撃ってはいない。その光は真っ直ぐに迷いなく魔族に向かってる。けどその光はクリスタルウッドに近づくにつれてどんどんと細くなる。そして最後には当たる前に消え去った。
「なっ!?」
周りの騎士たちからもそんな声が漏れる。すると「ふふっふ」とそんな声がきこえた。
「マナでの攻撃が許されると思って? ここがどこなのか、下等な人種にはわからないようね?」
背を向けたまま、魔族は言う。どうやら気づかれていたようだ。そして奴の言葉通りなら、この場では銃は通用しない。
「抜刀!!」
その掛け声で皆が腰の剣を抜く。これはただの剣ではない。魔剣だ。ファイラルは魔剣の量産が出来る様になったのだ。
「ふふ、これますか?」
そういった魔族の女の声と共に、最後尾にいた人たちが騎士たちの方を向く。その目は焦点があってなくて、半開きになった口からは涎がたれていた。
「くっ、人を盾にするか。卑怯な!!」
「だって、人種などそのくらいしか使い道無いでしょ? 肉壁がちょうどいい。私を止めたかったら、その肉をさっさと斬ることね」
魔族の女はそれを出来ぬと知って言っている。面白がるようにその目を細めて……口角を吊り上げ、美しいが、邪悪に見えるその顔には反吐が出る。
「我等をなめるなよ魔族!」
確かに人種は弱い。いや、弱かった。だが、ラーゼ様が来てから変わったのだ。あの方は色々な物をもたらしてくれた。支配した他種族を滅ぼすのではなく利用した。それによって色々な技術が発展して、そして種特有の力さえも人種の底上げに貢献してる。
我らは弱い。種単体なら、間違いなく最弱だ。 だが我等には応用する力があった。他種族の力をその身に昇華せる技術を生み出せた。だから……以前の我等しか知らないだろう魔族に、その認識を改めさせる。騎士たちは頷いてブーツにふれる。決められた手の動きでブーツにも魔力を通した。
確かにこの場は避難民であふれてる。とてもあの魔族までたどり着くのは骨が折れる。難民ならともかく、自領の民を騎士である彼等が殺す事はできない。だからこそ、超える! 一度距離をあけた騎士たちは足に力を籠める。ブーツ自体から風が吹き出したかの様に当たりを揺らした。そして一斉に飛ぶ。
騎士たちは皆がフルプレートの鎧をきてる。そんな高くジャンプなんてできる訳がない。常識ではそうだ。けど、魔術的な補助によってそれはなされる。彼等は優に三メートルは飛んだ。だがそれでも魔族まではとどかない。だから更に足を動かす。再び宙を蹴る。これで届く!
騎士たちは頭上から魔族に向かって突進していく。
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