美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
√34
向こうは圧倒的戦力差を利用して確実に一つずつ潰す気になったようだ。境界のギリギリでダンプで攻撃しつつ、歩兵を前に出してる。そしてその歩兵が、ジリジリと一つの装置に向かって近づいてるのが見える。大きく展開してる向こうの移動は俯瞰してみるとまるで蟻の大群の様。
地面を染めて移動してる。対してこちらはこうやって俯瞰してみるとなんと頼りない事か……どうやら向こうは三号装置に狙いを定めてるみたいだ。三号装置は向こうのダンプの一撃で損傷を受けた一つで、国軍に最も近い装置だ。
手前から落として徐々に戦線を押し上げていこうというのは戦術の基本か。どうやらむこうも無能ばかりではないらしい。堅実に軍を立て直してきてる。ぶつかった初期の様な、足並みを乱すような領軍はいなくなってる。
(まあ、それも少し余裕が出てきたからでしょうけど)
そう蛇は考えてる。少しつつけば、脆いところは簡単にわかる。向こうは潤沢な軍を利用して、こちらを張り付けにしてる。援護して射撃をする部隊と進軍する部隊にわけて、銃弾の雨を絶え間なく降り続けさせる事をしてこちらに動かせない気だ。
あれだけ撃ち続けても、交代をすればいいだけでいいのだからやはり数の差というのは鬱陶しい。あれは人種の常套戦略だ。数が他の種と比べて圧倒的に多い人種は小を殺し大を得る傾向がある。犠牲という言葉を生むくらいだからな。
獣人も他種に比べれば雑多だから数が多い方だが、我らは常に死ぬときは自分のせいだ。まあライザップという国になってから多少は変わったが、獣人は弱い事は罪だからな。それは他の種も大体そうだ。弱いから死ぬ……強いから生きる。
それはとても分かりやすく、そして絶対的な世界の理。だがそこら辺ももともとが弱い人種は違うようだ。自分たちを弱いと知ってるから、一人では何もできないとしってる。だから奴らは集まって一つの大きな意思を共有するのだろう。
それは時に死を超える力になると……蛇はしってる。
「馬鹿にはしませんよ。ですが、こちら前に進んでるのです。ラーゼ様が進む道の障害を排除するのが私の役目ですからね。新しい力に倒されなさい」
蛇に慌てはない。事実、こちらの兵士にはまだ損害はない。あれだけの銃弾の雨を降らされてるのにだ。こちらの装備はどれもこれも最新式だ。銃弾を防ぐ盾は効率的に魔力を運用し軽く固い。そして国軍の使う銃よりもこちらの銃の方が射程が長い。
盾が固ければ攻撃を担当する者は落ち着いて狙いを定めれる。死体を積み重ねてるのは向こうだ。まあそれも微々たるものだが、こちらの本命は装置の 防衛戦ではない。
『「あ・うん」――が発射されました』
戦場を縦に突っ切る一つの大きな塊。それが国軍の中枢に突き刺さり、多数の肉塊をつくる。最高戦力を最も効果的な所へと送りこむ。力ある者があれば、無茶な事などいくらでもできる。勿論これは力を過信した作戦などではないが、人種だけの軍には決してできないことだ。
あ・うん――で送り出された者達はその体にマナをふんだんに使った武装を着込んでる。そしてその異形に奴らは恐怖する。放たれる弾など無意味。奴らが斬りつけてくるがそれも無駄。前に出てくるのは必然的に向こうも最高戦力になるしかない。軍の中央部移動してた立派なダンプは簡単には移動できないのだから。
一番安全な所いた気だろうが、それが愚策。こちらはいつだって頭を取れたのだ。シャーシャーと蛇は笑った。
地面を染めて移動してる。対してこちらはこうやって俯瞰してみるとなんと頼りない事か……どうやら向こうは三号装置に狙いを定めてるみたいだ。三号装置は向こうのダンプの一撃で損傷を受けた一つで、国軍に最も近い装置だ。
手前から落として徐々に戦線を押し上げていこうというのは戦術の基本か。どうやらむこうも無能ばかりではないらしい。堅実に軍を立て直してきてる。ぶつかった初期の様な、足並みを乱すような領軍はいなくなってる。
(まあ、それも少し余裕が出てきたからでしょうけど)
そう蛇は考えてる。少しつつけば、脆いところは簡単にわかる。向こうは潤沢な軍を利用して、こちらを張り付けにしてる。援護して射撃をする部隊と進軍する部隊にわけて、銃弾の雨を絶え間なく降り続けさせる事をしてこちらに動かせない気だ。
あれだけ撃ち続けても、交代をすればいいだけでいいのだからやはり数の差というのは鬱陶しい。あれは人種の常套戦略だ。数が他の種と比べて圧倒的に多い人種は小を殺し大を得る傾向がある。犠牲という言葉を生むくらいだからな。
獣人も他種に比べれば雑多だから数が多い方だが、我らは常に死ぬときは自分のせいだ。まあライザップという国になってから多少は変わったが、獣人は弱い事は罪だからな。それは他の種も大体そうだ。弱いから死ぬ……強いから生きる。
それはとても分かりやすく、そして絶対的な世界の理。だがそこら辺ももともとが弱い人種は違うようだ。自分たちを弱いと知ってるから、一人では何もできないとしってる。だから奴らは集まって一つの大きな意思を共有するのだろう。
それは時に死を超える力になると……蛇はしってる。
「馬鹿にはしませんよ。ですが、こちら前に進んでるのです。ラーゼ様が進む道の障害を排除するのが私の役目ですからね。新しい力に倒されなさい」
蛇に慌てはない。事実、こちらの兵士にはまだ損害はない。あれだけの銃弾の雨を降らされてるのにだ。こちらの装備はどれもこれも最新式だ。銃弾を防ぐ盾は効率的に魔力を運用し軽く固い。そして国軍の使う銃よりもこちらの銃の方が射程が長い。
盾が固ければ攻撃を担当する者は落ち着いて狙いを定めれる。死体を積み重ねてるのは向こうだ。まあそれも微々たるものだが、こちらの本命は装置の 防衛戦ではない。
『「あ・うん」――が発射されました』
戦場を縦に突っ切る一つの大きな塊。それが国軍の中枢に突き刺さり、多数の肉塊をつくる。最高戦力を最も効果的な所へと送りこむ。力ある者があれば、無茶な事などいくらでもできる。勿論これは力を過信した作戦などではないが、人種だけの軍には決してできないことだ。
あ・うん――で送り出された者達はその体にマナをふんだんに使った武装を着込んでる。そしてその異形に奴らは恐怖する。放たれる弾など無意味。奴らが斬りつけてくるがそれも無駄。前に出てくるのは必然的に向こうも最高戦力になるしかない。軍の中央部移動してた立派なダンプは簡単には移動できないのだから。
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