美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
√14
甘い香りがした気がした。気のせいかもしれないし、近くの女性の匂いだったのかもしれない。けどその匂いを嗅いだ時、自分はセイの様な気がした。根拠はない。ただ近くにいるんじゃないかとだけ思った。でもその匂いが漂ってきてから明らかに周りの様子がおかしくなった。
王妃様がダンプと呼ばれる鉄の箱に乗ってパレードをしてて、誰もがそっちに注目してた。自分も少しはそれを見た。大きなダンプは白く、花飾りとかあしらわれてて、一番大きな、建物二階分くらいの高さのダンプにその人はいた。連なるダンプの真ん中で、王妃様は派手な服と髪をして手を振ってた。
素直な感想は「凄い服と、髪してるな~」だ。確かに綺麗だが、真っ先にその姿とかに目が言ってしまう。だってあんな恰好してる女性なんて見た事ないし……服とかは庶民が着れるような物じゃないだろうから、当然だと思う。
けど髪型もあんなのは見たことがない。何やら練って盛って天辺目指してる様な髪型は、凄いのはわかる。凄いのはわかるが……王都ではああいうのが流行ってるのかだろうか? と思った。もしもセイがあんな髪型になるのは嫌だな……と。
けど周りは別になんとも思ってないのか、王妃様の姿に純粋に盛り上がってた。最初はそんな感じだったんだ。けどその甘い香りがして来てだろうか? 誰かが人込みの中から動き出した。そしてそれは自分の近くでも起きた。
最初はぽつぽつとそんなのが出る感じだったから、ダンプ周りの警護の人達が止める事が出来た。けど、その数はどんどんと増えた。周りの人達の目が充血して、息も荒くなっていき、そして……
「あが……」
自分はいつの間にか知らず知らず、喉を掻いていた。しかも爪には皮と血がついていた。それは異常だ。自分でこんな痛そうに掻くわけがない。けど……それほど、かわいてる。
そして何故か、あそこにこの喉の渇きを潤す物があるように見えた。それが、ダンプの上で手を振ってる王妃様だ。
周りが「があああ!」「ぐがああああ!!」と喚きながら走りだす波にいつの間にか自分も加わっていた。そして先に護衛達ともみ合ってた奴や、ダンプに山の様に積み重なってる奴らを踏み台に王妃様を目指す。
「なに!? 何なのですかこれは!!」
良く通る綺麗な声が耳に入ってくる。王妃様の周りに近づく奴らは、護衛の騎士に容赦なく切り伏せられてた。けど、そんなのは目に入らなかった。自分はダンプを上った獣の様な姿勢のまま、王妃様目指してとびかかる。
「ぐがあああ!!」
「きゃああああああああ!」
あと少しだった。あと少しでこの喉の渇きを潤せるはずだった。けど、次に喉に入ってきたのは自分の血だった。頭に騎士の剣が刺さっていた。そしてそのまま、ゴミの様にダンプの外に投げ捨てられた。
王妃様がダンプと呼ばれる鉄の箱に乗ってパレードをしてて、誰もがそっちに注目してた。自分も少しはそれを見た。大きなダンプは白く、花飾りとかあしらわれてて、一番大きな、建物二階分くらいの高さのダンプにその人はいた。連なるダンプの真ん中で、王妃様は派手な服と髪をして手を振ってた。
素直な感想は「凄い服と、髪してるな~」だ。確かに綺麗だが、真っ先にその姿とかに目が言ってしまう。だってあんな恰好してる女性なんて見た事ないし……服とかは庶民が着れるような物じゃないだろうから、当然だと思う。
けど髪型もあんなのは見たことがない。何やら練って盛って天辺目指してる様な髪型は、凄いのはわかる。凄いのはわかるが……王都ではああいうのが流行ってるのかだろうか? と思った。もしもセイがあんな髪型になるのは嫌だな……と。
けど周りは別になんとも思ってないのか、王妃様の姿に純粋に盛り上がってた。最初はそんな感じだったんだ。けどその甘い香りがして来てだろうか? 誰かが人込みの中から動き出した。そしてそれは自分の近くでも起きた。
最初はぽつぽつとそんなのが出る感じだったから、ダンプ周りの警護の人達が止める事が出来た。けど、その数はどんどんと増えた。周りの人達の目が充血して、息も荒くなっていき、そして……
「あが……」
自分はいつの間にか知らず知らず、喉を掻いていた。しかも爪には皮と血がついていた。それは異常だ。自分でこんな痛そうに掻くわけがない。けど……それほど、かわいてる。
そして何故か、あそこにこの喉の渇きを潤す物があるように見えた。それが、ダンプの上で手を振ってる王妃様だ。
周りが「があああ!」「ぐがああああ!!」と喚きながら走りだす波にいつの間にか自分も加わっていた。そして先に護衛達ともみ合ってた奴や、ダンプに山の様に積み重なってる奴らを踏み台に王妃様を目指す。
「なに!? 何なのですかこれは!!」
良く通る綺麗な声が耳に入ってくる。王妃様の周りに近づく奴らは、護衛の騎士に容赦なく切り伏せられてた。けど、そんなのは目に入らなかった。自分はダンプを上った獣の様な姿勢のまま、王妃様目指してとびかかる。
「ぐがあああ!!」
「きゃああああああああ!」
あと少しだった。あと少しでこの喉の渇きを潤せるはずだった。けど、次に喉に入ってきたのは自分の血だった。頭に騎士の剣が刺さっていた。そしてそのまま、ゴミの様にダンプの外に投げ捨てられた。
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