美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
√1
「おめでとうございますメデス様」
そういって羽持達が頭を垂れる。そしてその後ろに現れるフルプレートの鎧を来たグルダフ。そして彼も彼らに倣って膝を折った。
「申し訳ございません。奴らを取り逃がしたのは我の失態です」
「そうね。随分楽しそうに戦ってたじゃない」
「それは……」
グルダフはもっと早くあのカマキリ野郎を倒せたはずだ。確かに進化の差はあれど、それを超えれる装備がアレなんだから。それにここでなら、この地の私の部下って事で、グルダフは様々なバフがその身に乗ってた。色々と有利な部分があったから勝てたのは間違いないが、もっと早く決着をつけれたのも確かな筈。
「ラーゼ様、こんな事を言うのは失礼かと思いますが、あれを……バッガス殿を生き返らせる事は出来ないでしょうか?」
「失態した癖に意見を申すか!!」
羽持の爺がそんな風に怒ってるが、残念な事に彼らは私以外には見えていない。だからその憤怒は意味を持たない。それに私は寛大な心の持ち主である。ほら、だってどんな美少女もツンツンしてるよりは微笑を浮かべてた方が魅力的でしょ?
だから私は優しく微笑みながら手で羽持の爺を制する。
「それってどういうことなの?」
あれれ、思ったよりも低い声が出てしまった。鎧に身を包んでるグルダフも失言をしたと思ったのか、ビクッとその大きな体を震わせたのが見えた。無駄に広く、そして荘厳なこの場所に、緊張で息を切らすグルダフの呼吸だけが響く。
「それは……あれが戦士だからです。それにとても強い。きっと戦力となりましょう」
決死の思いでグルダフはそれを言ったようだ。わざわざ兜をとったのは、きっと自身の意思を見せつけるためだろう。猫の目でそんな見つめられるとちょっと怖いんだけど……まあそんなのおくびにも出さないが。
「確かに進化体は稀少だし少しは欲しい……」
「では!」
私のそんな言葉にグルダフの奴は身を乗り出す勢いだ。私なら簡単に生き返らせることが出来るとでも思ってない? そんなことないからね。まあ確かに今なら魂さえあれば、出来なくもない。体は……まっぷたつになってるとはいえあるんだしね。あのくらいならここの施設で治せるだろう。
「無理ね。どうやらあれは世界樹に帰ってない。魂がないと、復活なんて出来ないし」
進化体は特殊だ。普通ならクリスタルウッドに帰ったマナはほとんど見わけなんてつかないが、進化体はそもそもマナが違う。だから見分けもつくと思ったんだけど、見えない。これはつまり帰ってない。
「どうやら、死んでまでもラジエル側にいるみたいね」
「はは……天晴だ」
そういって顔を伏せるグルダフ。何がそこまでグルダフにさせるのか私にはわからない。そんな接点あった? まあとりあえずあの進化体の体は回収しておくけどね。何かに使えるかもだし。進化してるってだけで貴重だ。バッガスだっけ? には悪いけど、結局こっちの力になってもらう。死人に口なし……拒否する権利なんてない。
ピピ ピピ
そんな音が玉座に響く。この地……というかエデンとなった事でこの地の機能を掌握したことで思い通りに使えることになったから通信とかも私たちの既存の方法を同期させて行えるようにしてる。今、ここに通信できるのなんて、私たちが乗ってきた船くらい。なのできっと船からだ。
船の艦長には領と国に約束の地を手に入れたって連絡をいれてもらってたはずだけど、それの報告かな? 私は右手をスーっと左から右に動かす。すると目の前に半透明な画面が現れた。そしてそこに艦長の姿が映る。
「何かしら? 報告は終わったの?」
「いえ……それが……」
んん? 何やら煮え切らないね。報告は簡潔にしなさい。私のイラっとした空気を感じ取ったのか艦長は姿勢を正して少し上を向いてこういった。
「国が……王国軍がファイラル領へと進軍してるとの事です!」
「…………はい?」
ちょっとこの髭面が何言ってるのかわからない。聞き間違いかな?
そういって羽持達が頭を垂れる。そしてその後ろに現れるフルプレートの鎧を来たグルダフ。そして彼も彼らに倣って膝を折った。
「申し訳ございません。奴らを取り逃がしたのは我の失態です」
「そうね。随分楽しそうに戦ってたじゃない」
「それは……」
グルダフはもっと早くあのカマキリ野郎を倒せたはずだ。確かに進化の差はあれど、それを超えれる装備がアレなんだから。それにここでなら、この地の私の部下って事で、グルダフは様々なバフがその身に乗ってた。色々と有利な部分があったから勝てたのは間違いないが、もっと早く決着をつけれたのも確かな筈。
「ラーゼ様、こんな事を言うのは失礼かと思いますが、あれを……バッガス殿を生き返らせる事は出来ないでしょうか?」
「失態した癖に意見を申すか!!」
羽持の爺がそんな風に怒ってるが、残念な事に彼らは私以外には見えていない。だからその憤怒は意味を持たない。それに私は寛大な心の持ち主である。ほら、だってどんな美少女もツンツンしてるよりは微笑を浮かべてた方が魅力的でしょ?
だから私は優しく微笑みながら手で羽持の爺を制する。
「それってどういうことなの?」
あれれ、思ったよりも低い声が出てしまった。鎧に身を包んでるグルダフも失言をしたと思ったのか、ビクッとその大きな体を震わせたのが見えた。無駄に広く、そして荘厳なこの場所に、緊張で息を切らすグルダフの呼吸だけが響く。
「それは……あれが戦士だからです。それにとても強い。きっと戦力となりましょう」
決死の思いでグルダフはそれを言ったようだ。わざわざ兜をとったのは、きっと自身の意思を見せつけるためだろう。猫の目でそんな見つめられるとちょっと怖いんだけど……まあそんなのおくびにも出さないが。
「確かに進化体は稀少だし少しは欲しい……」
「では!」
私のそんな言葉にグルダフの奴は身を乗り出す勢いだ。私なら簡単に生き返らせることが出来るとでも思ってない? そんなことないからね。まあ確かに今なら魂さえあれば、出来なくもない。体は……まっぷたつになってるとはいえあるんだしね。あのくらいならここの施設で治せるだろう。
「無理ね。どうやらあれは世界樹に帰ってない。魂がないと、復活なんて出来ないし」
進化体は特殊だ。普通ならクリスタルウッドに帰ったマナはほとんど見わけなんてつかないが、進化体はそもそもマナが違う。だから見分けもつくと思ったんだけど、見えない。これはつまり帰ってない。
「どうやら、死んでまでもラジエル側にいるみたいね」
「はは……天晴だ」
そういって顔を伏せるグルダフ。何がそこまでグルダフにさせるのか私にはわからない。そんな接点あった? まあとりあえずあの進化体の体は回収しておくけどね。何かに使えるかもだし。進化してるってだけで貴重だ。バッガスだっけ? には悪いけど、結局こっちの力になってもらう。死人に口なし……拒否する権利なんてない。
ピピ ピピ
そんな音が玉座に響く。この地……というかエデンとなった事でこの地の機能を掌握したことで思い通りに使えることになったから通信とかも私たちの既存の方法を同期させて行えるようにしてる。今、ここに通信できるのなんて、私たちが乗ってきた船くらい。なのできっと船からだ。
船の艦長には領と国に約束の地を手に入れたって連絡をいれてもらってたはずだけど、それの報告かな? 私は右手をスーっと左から右に動かす。すると目の前に半透明な画面が現れた。そしてそこに艦長の姿が映る。
「何かしら? 報告は終わったの?」
「いえ……それが……」
んん? 何やら煮え切らないね。報告は簡潔にしなさい。私のイラっとした空気を感じ取ったのか艦長は姿勢を正して少し上を向いてこういった。
「国が……王国軍がファイラル領へと進軍してるとの事です!」
「…………はい?」
ちょっとこの髭面が何言ってるのかわからない。聞き間違いかな?
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