美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

Δ113

 グルダフがやった。やった筈だ。スナフスキンの上半身は奴の斧に食われた。上半身がなくなったスナフスキンの下半身はゆっくりと倒れ……倒れ……ない!? 奴は踏ん張った。下半身だけで。湖が大きく揺れる。

 湧き掛けたテンションを皆が一斉に引き締める。まだ終わってない……それを見せつけられた。けど、ある意味今がチャンスな気もする。だって満身創痍なのにはかわらない。奴は上半身を無くしてる。後は下半身さえ消せば、流石に復活出来ないのでは? 

 そう考えたのは私だけはないようだ。一部のオウラム勢とこちらの国の軍の連中が動いた。軍の連中は私のマナのブーストは流石にないんだから後ろにいれば良い物を……まああいつらは私の指揮下にはないし、しょうがない。
 魔剣を抜いて隊列を組んでスナフスキンへと近づいてる。グルダフは亜子に回収されてるが、流石にあの規模の斧は直ぐには振れないか。グルダフがやってくれるのが確実なんだけどね。しょうがない。彼はよくやってくれた。

 それにこいつらで止めを刺せるのならそれでいい。私は別にそこら辺気にしないからね。明らかに仕事やってない奴がやった気になってドヤ顔してるのはムカつくが、軍の奴らはやる気はあるからね。ずっと後ろで踏ん反り返るだけかと思ってが彼らは違ったからね。王宮への報告もあるだろうし、華を持たせるのもやぶさかではない。

 待てよ? その時オウラム勢のどうするのだろうか? 報告するのかな? とかなんとか思いつつ、飛び出てるオウラム勢もみる。奴らは軍の奴らとは違ってバラバラだ。進化もしてる様だし、個としての戦闘力がきっと人種とは段違いだ。

 だから下手な連携何て必要ないのかもしれない。軍もどきみたいな動きもしてたが、それはうさぎっ子が消えるまでだ。力を得てからはバラバラだった。寄せ集めの国らしいし、やっぱりチームとかでの動きは人種の方が長年の長がある。


 容赦なく残った下半身へと振り下ろされる攻撃。流石にあのグルダフの斧みたいに一発で消し飛ばすなんて事は出来ない。けど確実に削ってる。

「このまま、押し切れる?」

 なら嬉しいが……でも懸念はある。それば奴の放ってる陣だ。とりあえずあの紫のアンティカがぶっ壊してるが、あの陣はスナフスキンの上半身がなくなっても動いてた。自立型なのか、それとも供給型なのかで、変わるが……

 最後の陣を紫のアンティカの小さい機械が撃ち砕く。それが皮切りだった。ゆっくりと上下して音楽を奏でてた気が生えてたキューブ。それの動きが止まった。そして明らかにこれまでとは違う動きをする。上下しか動いてなかったのに水平方向にも移動して湖の中心らへんに集まる。

 そしてそれぞれのキューブをつなぐ様に光が走り。幾重もの陣が描かれる。木々は光り、水は七色に輝く。そして水中から現れるのは巨大なキューブだ。

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