美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

Δ61

 初めまして皆さん。メデスです。いやはや神と名乗った方がいいかな? まあけど、やっぱりラーゼって名前は気に入ってるんだよね。改名する気はないよ。行き成りこれからは『メデス』で行くから……とかいってもみんな困るだろうしね。まあ私の下僕達は命令すれば従ってくれるだろうけど、ほら――わたしが絶対に反応できない。メデス様――とか呼ばれてもきっと一回じゃ反応しない自信あるもん。


「それで、そもそもなんで神の器なんて物作った訳?」
「なぜ……と言われても。そもそもが我らは肉体に限界を感じてました。わかっておいででしょう? 我らや人種はとても脆弱だ」
「羽あるじゃん」


 ずるいよね。飛べるじゃん。それだけで随分と人種とは違う気がしなくもない。まあ確かにこの世界で羽が珍しいかって言われると別段そんな事は全然ないけどさ。羽持か羽持じゃないかを選べるんなら、羽持のほうが絶対に良いよね? 


「確かに我らにはこの翼があります。ですがそれだけです。他の部分は人種となんら変わりはしません。我らの寿命もそうです。だがこの世界には長命な種は山ほどいる。それなのに我らはたったの数十年です。いくら栄華を極めても、それは世界の時間の上ではほんの一瞬でしょう。だから我らは……神へと至りたかった。それが出来ると……我らは信じてました」
「それで神になれたの?」
「これがその結果ですよ」


 立派な髭のその人は肩をすくめてそういうよ。どうやら神には至れなかったようだね。


「ですが我らは届きかけたのです。だからこそ世界を渡りたる真の真龍であるゼルラグドール様が現れた」
「ゼルがあんた達を滅ぼしたの?」


 あの外の光景を思い出せば、そうであってもおかしくないよね。だってめっちゃ終末戦争みたいな戦いしてたよ。でも続く言葉は意外な一言だった。


「いいえ、ゼルラグドール様に滅ぼされたわけではありません。確かに大体破壊されたのはかの方ですが、我らを半永久的な眠りへと誘った者は別です」
「んん? 眠りについたのはあんた達の意思でしょ?」


 そういってたよね? 皆死ぬかもしれない覚悟を持ってあのカプセルに入ったって。最初から半永久的な眠りにつく気満々じゃん。


「確かにそうです。ですがいった筈です。我らのこれは変質的な事。予定とは違うと。そしてその予定を奪った者がいる。そいつらが我らを滅ぼしたも同義でしょう」
「そいつらって……」


 なんか大体想像できる気しなくもない。そう思ってると立派な髭持ちなその人はその指を天に掲げた。


「星を渡り新たな地で世界を創造した三つの種『デルベイヅ』『ガーランド』『スナフスキン』の三種です」


 やっぱりいいいい!? そうじゃないかと思ったよ!! 

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