美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
θ142
「何も……おきないね」
「やっぱり抜く必要が? ぬぐぐ……」
これは私の筋力不足ってわけじゃないよね? 選ばれしものしか抜けないとかだよね? まあそれはそれで癪だけど。私が選ばれてないみたいで。
「これだけ厳重にされてたんだから何かあるはずだけど……」
実際使えない剣じゃどうしようもない。どれだけこの剣が凄くてもそれは私達にとっては意味ないんだ。ここには早々踏み入れないとしても、やっばりここは奴らの根城。それならいずれは踏み込んでくるだろう。そうなったらもうおしまい。この剣には何かある……そうおもうんだけど、どうしたらいいのかがわからない。そう思ってるとコランが剣に近づいてきて、つんつんする。そして話しかける。
「あの剣さん。ごきげんようです」
「は?」
コランが何をしだしたのか、私にはよくわからない。いや、ぬいぐるみに話しかけるとか、女の子ならだれもがやるとは思うから、分からない訳もないけど、剣にそれをやるとは……しかも今は切羽詰まった状況だ。自室にいるときの様に語り掛けようなんて思うはずもない。少なくとも私はそうだ。けどコランは何を思ったのか話しかけてる。
「私達とても困ってるんです。お願い聞いてくれませんか?」
「いやいやあんたね……」
私はそんな事無駄でしょと言ってやろうとした。けどその時、コランの言葉に応える様に剣が淡く輝きだした。いやいや嘘でしょ? やっぱり私なんかより、コランが持ってる……ってこと? なんか悔しいけど、反応してくれたのは助かる。
「今なら抜ける?」
「やってみるわよ」
私とコランは交互にチャレンジしてみた。けど抜くことは出来なかったよ。コランならもしかしたら……なんておもったんだけど、無理みたいだ。反応はしたのに抜けないってどういうこと?
「二人でやってみようシシちゃん!」
「そんな事……ん、わかった」
否定しようとしたけど、コランの目が真剣だったからその言葉は飲み込んだ。試したって危険があるわけじゃ……ないよね? ひとりずつじゃなにも起きなかったし、寧ろ何か起きてくれた方がいいんじゃないかな? てな訳で二人で剣の柄を掴んで力を籠める。
「「うぬぬぬぬぬぬー!!」」
二人して顔を真っ赤にして力を込める。けど全然ビクともしない。
「もう……いいんじゃない? さすがに無理っぽいし」
「ダメ……シシちゃんは私が守る……から!」
まさかそんな事を思われてたとは思わなかった。私が守らないと……とおもってたのに、そっか……そうだよね。コランだって私達と同じ気持ちだよね。そんなコランが頑張ってるのに、お姉さんな私が早々に諦める訳にはいかない。
「生意気……いってんじゃないわよ!」
そう言って再び力を入れた私を見てコランも力を込める。するとその時だ。今度こそ変化が起きる。私の手首の紋章が輝き、それに呼応して剣も輝く。更に部屋全体に読めない文字が浮かぶ。だけど変化はそれだけじゃなかった。
「やっぱり抜く必要が? ぬぐぐ……」
これは私の筋力不足ってわけじゃないよね? 選ばれしものしか抜けないとかだよね? まあそれはそれで癪だけど。私が選ばれてないみたいで。
「これだけ厳重にされてたんだから何かあるはずだけど……」
実際使えない剣じゃどうしようもない。どれだけこの剣が凄くてもそれは私達にとっては意味ないんだ。ここには早々踏み入れないとしても、やっばりここは奴らの根城。それならいずれは踏み込んでくるだろう。そうなったらもうおしまい。この剣には何かある……そうおもうんだけど、どうしたらいいのかがわからない。そう思ってるとコランが剣に近づいてきて、つんつんする。そして話しかける。
「あの剣さん。ごきげんようです」
「は?」
コランが何をしだしたのか、私にはよくわからない。いや、ぬいぐるみに話しかけるとか、女の子ならだれもがやるとは思うから、分からない訳もないけど、剣にそれをやるとは……しかも今は切羽詰まった状況だ。自室にいるときの様に語り掛けようなんて思うはずもない。少なくとも私はそうだ。けどコランは何を思ったのか話しかけてる。
「私達とても困ってるんです。お願い聞いてくれませんか?」
「いやいやあんたね……」
私はそんな事無駄でしょと言ってやろうとした。けどその時、コランの言葉に応える様に剣が淡く輝きだした。いやいや嘘でしょ? やっぱり私なんかより、コランが持ってる……ってこと? なんか悔しいけど、反応してくれたのは助かる。
「今なら抜ける?」
「やってみるわよ」
私とコランは交互にチャレンジしてみた。けど抜くことは出来なかったよ。コランならもしかしたら……なんておもったんだけど、無理みたいだ。反応はしたのに抜けないってどういうこと?
「二人でやってみようシシちゃん!」
「そんな事……ん、わかった」
否定しようとしたけど、コランの目が真剣だったからその言葉は飲み込んだ。試したって危険があるわけじゃ……ないよね? ひとりずつじゃなにも起きなかったし、寧ろ何か起きてくれた方がいいんじゃないかな? てな訳で二人で剣の柄を掴んで力を籠める。
「「うぬぬぬぬぬぬー!!」」
二人して顔を真っ赤にして力を込める。けど全然ビクともしない。
「もう……いいんじゃない? さすがに無理っぽいし」
「ダメ……シシちゃんは私が守る……から!」
まさかそんな事を思われてたとは思わなかった。私が守らないと……とおもってたのに、そっか……そうだよね。コランだって私達と同じ気持ちだよね。そんなコランが頑張ってるのに、お姉さんな私が早々に諦める訳にはいかない。
「生意気……いってんじゃないわよ!」
そう言って再び力を入れた私を見てコランも力を込める。するとその時だ。今度こそ変化が起きる。私の手首の紋章が輝き、それに呼応して剣も輝く。更に部屋全体に読めない文字が浮かぶ。だけど変化はそれだけじゃなかった。
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