美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

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 先に衣装を変えたラーゼ様が出てってその美しさに一瞬観客の皆さんが静まりかえる。流石はラーゼ様だよ。どれだけ興奮した人たちでもラーゼ様は一瞬で黙らせる事ができる。そんな美貌はラーゼ様だけです。私達全員で行くと盛り上がるのにラーゼ様だけだとこうなる。皆がラーゼ様に注目するからああなってしまうのかな? ラーゼ様は少しの間、静まり返った会場を見回して優越感に浸ってた。


 そして満足した所で今度は盛り上げにかかった。手を掲げると同時に大きな音と光が観客の時間を強制的に動き出させる。そしてラーゼ様がついにアークアさんたち紹介しだす。


「今日はなんと私たちの他にもう一組アイドルグループがいちゃうのだ!」


 そんなラーゼ様の言葉に観客が大いに盛り上がる。多分観客の人達はサンライズだと思ってるんじゃないのかな? 多分そうだとおもう。てか今の段階じゃ、絶対にそう思ってしまうのは仕方ない。だって私達プリムローズの他に公に出てるのはサンライズしかいないからね。どういうふうに受け止められるのか……私は舞台袖に立ってるアークアさん達をみる。その顔からは緊張が見て取れる。自信を漲らせてたクーシェちゃんも今は体を震わせてる。


 私はそんな彼女に手を伸ばすけど、触れる前に気づいて睨んできた。同情は不要というだろうか? 


「それじゃ登場してもらおっかな? 皆あああ盛り上げてやってね!!」


 ラーゼ様がそう言って反対側にはけていく。それと同時にステージを照らしてたライトの色が変わって音楽も流れ出す。これがきっとアークアのデビュー曲なんじゃないかな? 


「行くわよ」


 そういうのは長女さんだ。彼女が二人の手を握る。そして強く握りあって覚悟を決めたみたい。そして進み出る前に私の方を見てクーシェちゃんがいってきた。


「よく見てなさい。私たちのステージを!」


 相変わらずである。けどいつもの調子に戻ったのなら安心なのかな? 私は頷いてクーシェちゃん達を見送る。光の中に出ていく彼女達を大歓声が迎えて……そして徐々に声がしぼんでく。戸惑いとかがわかる。こういうのってステージに立つ側は不安になるんだよね。けど、アークアの三人は動じない。そんな余裕がないだけなのかもしれないけど、流れ出してる曲に合わせて、練習してきたと思われる振り付けを披露して、歌いだす。


 これで皆の心を掴めればいいんだけど。私達は五人で、更にラーゼ様っていう絶世の美女が居たから良かった。けど彼女達は三人で、飛びぬけて可愛いのはシェルラ姉さんという二番目の彼女だけ。けどステージでは誰でも輝いて見えるものなのかもしれない。三人ともがキラキラしてみえる。私も、ステージではああ見えてるのかな? なんだか少し恥ずかしい。一曲目が終わり、彼女達は自身の紹介をして続けて二曲目に移る。観客の方を見るとちゃんと盛りあがってるみたいだ。


 二曲目が終わるころにはアークアの三人は息も切れ切れ。肩で息をしてる。けどそのパフォーマンスはちゃんと伝わったみたいだ。ちゃんと盛りあがってる。三人も手ごたえを感じてるみたい。けどこの二曲でアークアの出番は終わり。なので再び舞台袖からラーゼ様が出てくる。その時の観客の盛り上がりたるや……ちょっとアークアの人達が可愛そうになった。



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