美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Σ44
鉄血種の少女が消えた。そして次の瞬間、兵士の一人の頭が飛んだ。少女がしたことは単純だった。ただ速く動いて頭をもぎ取っていった。ただそれだけ。けど普通はあんな少女の腕で大の男の頭と首が分離したりはしない。あんな細い腕では無理だ。
けど現実でそれは起きてる。頭をなくした体は、少しの間立ったまま血を噴出してた。そしてグラッと傾いて、地面に倒れる。周囲の兵達は混乱の極みだ。いきなりの銃声に、さらには仲間の首なし死体。これで混乱するなという方が無理かもしれない。そして皆の視線はこの戦場に似つかわしくない少女へと自然と集まる。
そしてそんな視線の中、生首を持った少女はその頭を俺たちに見せつける様に掲げた。
「あ……あ……うあああああああああ!!」
戦場に響くそんな声。それが一体誰のものかというと……それはなんと生首だけになった兵士の声だった。皆の顔に怯えが見えるのがわかる。それは多分俺も同じだろう。だって彼は本当ならすでに死んでる状態のはずだ。それなのに彼は首だけになってもその叫びをあげた。これで恐怖しないほうが無理だ。自分たちの常識さえも通じない……これが、鉄血種。
「あっがったす――」
少女は勝手知ったるように生首になった兵士の頭に腕を突き刺す。引き抜いた少女の手が真っ赤に染まった。頭を貫かれた彼は、意味不明な言葉……いや、音だけをその口から漏らしてた。そして逆さまにして、大きく開いた口に脳みそを垂れ流してる。
「うっ!?」
そんな声が聞こえたと同時に、空気に酸っぱいにおいが混じる。どうやら吐き出してる人たちがいるようだ。いや、わかるけどね。流石にあれは……かなりの気持ち悪さだ。脳みそを呑み込んだら、今度は目玉を繰り出してその口に入れてコロコロしてるのが見える。だって頬がその形に膨らんでるからな。本当に俺たちの事を食事としてしか奴らはみてないようだ。
(このままでは不味いな)
みんなの士気が下がってる。たった一人の少女の行動が俺たちに恐怖を与えてしまった。この状態が続くと、あとは瓦解するだけ。俺は再び少女に銃を向ける。けどその時、空の黒煙が晴れ鉄血種の面々がこちらをにらんだ。それだけで、膝が地面につきそうな重圧を感じた。それは圧倒的強者の感覚に本能がひざまずこうとしてるかのようだった。
「まだ終わってないようだな。なら……我らも参戦しよう。食事の時間だ」
一人の鉄血種の奴がそう言って黒い布を翻す。それを合図に奴らは一斉に行動を開始した。
「つっ……全員反撃!!」
だがすでに皆の心は恐怖へと染まってた。無暗に乱射される銃に意味などなく、周囲はあっという間に鮮血に染まる。俺はそれでも狙いを定めて銃を撃つ。
カン! っという音がして、銃弾ははじかれた。少女は何もしてはいない。そして「何か当たった?」的な反応でポリポリとかいてる。それだけだ。この銃もかなり強化してるし、弾倉も今日のは特別性のはず。それなのに……これだ。人種の努力も研鑽も……奴らは圧倒的な力で叩き潰す。
絶望……それしかなかった。鉄血種と邂逅して十分も経ってないだろう。だが……俺たちは全滅した。
けど現実でそれは起きてる。頭をなくした体は、少しの間立ったまま血を噴出してた。そしてグラッと傾いて、地面に倒れる。周囲の兵達は混乱の極みだ。いきなりの銃声に、さらには仲間の首なし死体。これで混乱するなという方が無理かもしれない。そして皆の視線はこの戦場に似つかわしくない少女へと自然と集まる。
そしてそんな視線の中、生首を持った少女はその頭を俺たちに見せつける様に掲げた。
「あ……あ……うあああああああああ!!」
戦場に響くそんな声。それが一体誰のものかというと……それはなんと生首だけになった兵士の声だった。皆の顔に怯えが見えるのがわかる。それは多分俺も同じだろう。だって彼は本当ならすでに死んでる状態のはずだ。それなのに彼は首だけになってもその叫びをあげた。これで恐怖しないほうが無理だ。自分たちの常識さえも通じない……これが、鉄血種。
「あっがったす――」
少女は勝手知ったるように生首になった兵士の頭に腕を突き刺す。引き抜いた少女の手が真っ赤に染まった。頭を貫かれた彼は、意味不明な言葉……いや、音だけをその口から漏らしてた。そして逆さまにして、大きく開いた口に脳みそを垂れ流してる。
「うっ!?」
そんな声が聞こえたと同時に、空気に酸っぱいにおいが混じる。どうやら吐き出してる人たちがいるようだ。いや、わかるけどね。流石にあれは……かなりの気持ち悪さだ。脳みそを呑み込んだら、今度は目玉を繰り出してその口に入れてコロコロしてるのが見える。だって頬がその形に膨らんでるからな。本当に俺たちの事を食事としてしか奴らはみてないようだ。
(このままでは不味いな)
みんなの士気が下がってる。たった一人の少女の行動が俺たちに恐怖を与えてしまった。この状態が続くと、あとは瓦解するだけ。俺は再び少女に銃を向ける。けどその時、空の黒煙が晴れ鉄血種の面々がこちらをにらんだ。それだけで、膝が地面につきそうな重圧を感じた。それは圧倒的強者の感覚に本能がひざまずこうとしてるかのようだった。
「まだ終わってないようだな。なら……我らも参戦しよう。食事の時間だ」
一人の鉄血種の奴がそう言って黒い布を翻す。それを合図に奴らは一斉に行動を開始した。
「つっ……全員反撃!!」
だがすでに皆の心は恐怖へと染まってた。無暗に乱射される銃に意味などなく、周囲はあっという間に鮮血に染まる。俺はそれでも狙いを定めて銃を撃つ。
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