美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Σ11
私達先行カリキュラムの対象者は再び例の部屋へと集まってた。けど……最初よりも数が少ない。十人程度居たはずの対象者は既に八人くらいに成ってた。これはただこれなかっただけなのか……それとも……誰もその事については触れない。そして誰もここに集まるまでに口も開かなかった。一週間なら、廊下であった時にワイワイと騒いでたのに。
それこそ、学生のノリその物だった。けど……皆の目が荒んでる気がする今は……あんなノリをする者はいない。怪我して包帯してる者や、松葉杖ついてる奴、それに目に眼帯してる人もいる。細かな傷はそれこそ皆いっぱい携えてるだろう。てかこの軍服を着るのも久しぶりな気がする。一応軍の正式な服なんだけどね。フェアリーは緩いし大体部隊では私服だ。アンティカに乗る時も、ソレ以外も基本アクティブスーツの方着るから、戦場に行くときもこれ全然私着てない。
だから私の軍服は新品同様。でもそれは私だけみたい。皆の軍服はそれ相応にダメージを受けてる。重い雰囲気の中、書類に囲まれた例の教官が私達を一瞥する。
「なかなかに立派ではないか。流石は俺の教え子だ!」
満足気にそういう教官。けど、皆その言葉に嬉しがる者はいない。まあ言うのがこいつだしね。嬉しい訳ない。そもそもあんたに教わったこと、役に立ってないし。てかこいつ口悪い言葉を浴びせるだけで、何か有意義なことを言ってた記憶がない。
「まだこれだけ残ってるのはなかなかだぞ。この調子でいけ。例年なら、この時点で五人くらいな物だからな!」
どうやら、確かに私達は残ってる方らしい。例年十人くらいはこのカリキュラムに選ばれてるらしいから、この人は例年のカリキュラム参加者を知ってるはず。だからこの情報は正確なんだろう。普通ならこの時点で五人になるらしい。それに比べれば……この人が満足げなのもそれを考えれば当然なのかもしれない。私達は最初「何言ってんだこいつ?」ときっと皆思っただろうけど、今の情報で少しは溜飲が下がる。
けどそう思ったのもつかの間だ。
「まったく、レイドスとユアンは情けない。こうもあっさり死ぬとはな。だかそういうものか。例年、成績の良い奴ほど、先に逝く傾向がある。きっと俺になら出来ると、無茶ばかりをやるんだろう。全く、俺が常に貴様らは虫けらだと言い聞かせてやったというのに、バカな奴らだ!」
その言葉に皆がカチンと来たはずだ。だってここの皆は顔馴染みだ。出身も様々で貴族と平民の違いだってある。けど、ここではそんな垣根を超えて仲間となってく。辛い日々を一緒に乗り越えた仲間となる。それをそんな風に言われて黙ってられようか? 黙ってられるわけがなかった。
「いくらなんでも言い過ぎだ! 死者に対して……レイドスもユアンも、この国の為に必死になって戦ったんだぞ!!」
そういうのはアルドの奴だった。確かレイドスとは一番仲が良かった奴。成績も二人でトップ争いするくらいの奴らだった。ユアンは三番か四番目くらいだったかな? ユアンはあんまり無茶しそうなイメージがないが……なにせ大人しいし、自己主張もあんまりしないタイプだった。けど、全てが平均的に良いみたいなやつだったな。あんまり印象にはない。
けど時々手作りお菓子とかくれた。女子か!? って思ったけど、明らかに私よりは女子力高かった。確かユアンは商人の息子だったはず。レイドスは貴族で最初はとてもイヤな奴だった。それこそ、この世の女は自分が自由に出来ると思ってるみたいな奴。いつも女生徒を侍らせてた。そんなクソなのに成績は良いんだよね。不正とかしてるのか? って最初は疑ってたよ。
だって結構有力な貴族家の坊っちゃんらしいからね。でも違った。レイドスはそれだけの努力してる奴だった。口では偉そうでまさに貴族然とした事を口にする奴だけど、実はその責任に潰されそうな程になる程度の心の持つ主で、周りへの態度は自分を大きく見せたいが為みたいな物だった。そんな事を少しずつ知っていって、私達は友達に……仲間に成っていったんだ。
だからこそ……許せない。けどこいつは……そんな私達を笑うよ。
「アルドォォ、死んでは意味なんて無いんだぞ。俺を見下したかったら、最後まで生き残って卒業してみろ。それが出来たら、土下座でもなんでもしてやるよ。まあだが、お前も次に死ぬ筆頭だがな? ここで死ななさそうなのは……そうだな。亜子くらいか」
「私?」
いきなり名前出されてびっくりした。いや、わかるけど……確かに私が一番死ぬ確率的には低い。なんてったってアンティカに乗ってるからね。
「貴様は覚悟位できたのか? こいつらとは違う位置に居る、そのない頭で理解したか? ああ?」
こいつ……ムカつくけど、私の悩みに気付いてる? けど私が何か言う前に「以上だ。せいぜい揉まれてこいバカども!」と言って追い出された。外に出た私達は足早にそれぞれの部隊に戻ってく。誰も口を聞くことはない。もう……前みたいには戻れないのかな? それを私は寂しく思う。
それこそ、学生のノリその物だった。けど……皆の目が荒んでる気がする今は……あんなノリをする者はいない。怪我して包帯してる者や、松葉杖ついてる奴、それに目に眼帯してる人もいる。細かな傷はそれこそ皆いっぱい携えてるだろう。てかこの軍服を着るのも久しぶりな気がする。一応軍の正式な服なんだけどね。フェアリーは緩いし大体部隊では私服だ。アンティカに乗る時も、ソレ以外も基本アクティブスーツの方着るから、戦場に行くときもこれ全然私着てない。
だから私の軍服は新品同様。でもそれは私だけみたい。皆の軍服はそれ相応にダメージを受けてる。重い雰囲気の中、書類に囲まれた例の教官が私達を一瞥する。
「なかなかに立派ではないか。流石は俺の教え子だ!」
満足気にそういう教官。けど、皆その言葉に嬉しがる者はいない。まあ言うのがこいつだしね。嬉しい訳ない。そもそもあんたに教わったこと、役に立ってないし。てかこいつ口悪い言葉を浴びせるだけで、何か有意義なことを言ってた記憶がない。
「まだこれだけ残ってるのはなかなかだぞ。この調子でいけ。例年なら、この時点で五人くらいな物だからな!」
どうやら、確かに私達は残ってる方らしい。例年十人くらいはこのカリキュラムに選ばれてるらしいから、この人は例年のカリキュラム参加者を知ってるはず。だからこの情報は正確なんだろう。普通ならこの時点で五人になるらしい。それに比べれば……この人が満足げなのもそれを考えれば当然なのかもしれない。私達は最初「何言ってんだこいつ?」ときっと皆思っただろうけど、今の情報で少しは溜飲が下がる。
けどそう思ったのもつかの間だ。
「まったく、レイドスとユアンは情けない。こうもあっさり死ぬとはな。だかそういうものか。例年、成績の良い奴ほど、先に逝く傾向がある。きっと俺になら出来ると、無茶ばかりをやるんだろう。全く、俺が常に貴様らは虫けらだと言い聞かせてやったというのに、バカな奴らだ!」
その言葉に皆がカチンと来たはずだ。だってここの皆は顔馴染みだ。出身も様々で貴族と平民の違いだってある。けど、ここではそんな垣根を超えて仲間となってく。辛い日々を一緒に乗り越えた仲間となる。それをそんな風に言われて黙ってられようか? 黙ってられるわけがなかった。
「いくらなんでも言い過ぎだ! 死者に対して……レイドスもユアンも、この国の為に必死になって戦ったんだぞ!!」
そういうのはアルドの奴だった。確かレイドスとは一番仲が良かった奴。成績も二人でトップ争いするくらいの奴らだった。ユアンは三番か四番目くらいだったかな? ユアンはあんまり無茶しそうなイメージがないが……なにせ大人しいし、自己主張もあんまりしないタイプだった。けど、全てが平均的に良いみたいなやつだったな。あんまり印象にはない。
けど時々手作りお菓子とかくれた。女子か!? って思ったけど、明らかに私よりは女子力高かった。確かユアンは商人の息子だったはず。レイドスは貴族で最初はとてもイヤな奴だった。それこそ、この世の女は自分が自由に出来ると思ってるみたいな奴。いつも女生徒を侍らせてた。そんなクソなのに成績は良いんだよね。不正とかしてるのか? って最初は疑ってたよ。
だって結構有力な貴族家の坊っちゃんらしいからね。でも違った。レイドスはそれだけの努力してる奴だった。口では偉そうでまさに貴族然とした事を口にする奴だけど、実はその責任に潰されそうな程になる程度の心の持つ主で、周りへの態度は自分を大きく見せたいが為みたいな物だった。そんな事を少しずつ知っていって、私達は友達に……仲間に成っていったんだ。
だからこそ……許せない。けどこいつは……そんな私達を笑うよ。
「アルドォォ、死んでは意味なんて無いんだぞ。俺を見下したかったら、最後まで生き残って卒業してみろ。それが出来たら、土下座でもなんでもしてやるよ。まあだが、お前も次に死ぬ筆頭だがな? ここで死ななさそうなのは……そうだな。亜子くらいか」
「私?」
いきなり名前出されてびっくりした。いや、わかるけど……確かに私が一番死ぬ確率的には低い。なんてったってアンティカに乗ってるからね。
「貴様は覚悟位できたのか? こいつらとは違う位置に居る、そのない頭で理解したか? ああ?」
こいつ……ムカつくけど、私の悩みに気付いてる? けど私が何か言う前に「以上だ。せいぜい揉まれてこいバカども!」と言って追い出された。外に出た私達は足早にそれぞれの部隊に戻ってく。誰も口を聞くことはない。もう……前みたいには戻れないのかな? それを私は寂しく思う。
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