美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
β38
「本当に大丈夫かな?」
「二人共忙しいみたいだし……善は急げって……ことでしょ?」
「それはそうだけど……」
私は寮の自室でアナハと共に過ごしてる。過ごしてるというか、正確には待ってるって言った方が正しい。何をって? それは勿論、カタヤさんと亜子だ。私達は今夜、行動を起こす事にした。色々と四人で話し合った結果、再び洗脳者が出ない前に蹴りをつけようと……そういうことになった。でも実際不安だ。カタヤさんも亜子もアレを見たわけではない。
だから簡単に考えたのかも。まあ亜子は魔王の恐ろしさをよくわかってる感じではあったけど、カタヤさんが守るからってキメ顔でいうと「うん」としかいえなく成った。ほんと美少女もイケメンもズルいよね。そして私も亜子もカタヤさんの意見に異を唱えるはずもなく、この計画は実行に移される事に成ったのだ。
「それよりも……」
口調はいつものままなのに、アナハの奴がズイッと迫ってきた。その瞳は真剣そのもの。なに? そんな熱く見つめられたら、照れちゃうよ。
「本当に……亜子の事なんとも思ってないの?」
「え? 私が?」
「はああぁぁ? ……カタヤ……さん」
すみません。本当にすみません。だからそんな睨まないでよ!? 自信過剰だったです! 私の事なんか、アナハは気にしませんよね!? 泣きたい。友達だと私は思ってるんだけどな。
「カタヤさんは亜子の事は妹以上には思ってないと思うよ。色々と事情があって、亜子は本当の妹じゃないんだけど、カタヤさんにとっては妹みたいな物なの。だからむしろ警戒すべきはラーゼだと私は思う」
さっきの話し聞いてたら、わかるでしょ。カタヤさんラーゼに会うためにわざわざ領地に赴いてるからね。
「私は……ラーゼって子を知らない」
「それもそうか……」
それなりに有名だと思うけど……けどやっぱり直接みてないから、アナハは判断できないのかもしれないね。
「ラーゼは超絶美少女だよ。はっきり言ってティアラ様よりももっともっと綺麗で可愛い。カタヤさんとは正直お似合いかもね」
「美少女は……死ね」
同意するけど、命の恩人でもあるから、流石に私はそこまで言えないよ。
「あはは、まあでもラーゼはカタヤさんに興味なさそうだよ? アイツ他人は道具くらいにしか見てないし」
「ねえ……なんで生きてるの? 私達……友達だよね?」
初めての友達宣言が死の宣告なんですけど!? なに、アナハにとっては私も美少女の枠に入るの? ヤバイ、嬉しいのか悲しいのかわかんないよ。
『来たよキララ』
耳元のピアスからそんな亜子の声が聴こえる。これはどうやら新型ピアスから付いた機能らしい。この通信、どうやらどこまで距離離れてても同じピアスをしてる者同士は通信できるらしい。なのでラーゼにも一応伝えておいた。けど、ここは警備が厳しい学園だからね。下手に兵力を送る訳にもいかないでしょう。とりあえず私達が頑張るしかない。
私達は、黒い布をかぶる。これには視覚阻害の魔法を掛けておいてある。一応夜も深い時間だし、生徒は誰も徘徊してないとは思う。もう就寝時間は過ぎてるしね。寮の中も暗い。だけど、寮監さんは定期的に巡回してる。だから念の為にね。
「アナハ、行こう」
「後ろから……刺したら駄目かな?」
私じゃないよね? それ、私じゃないよね!? 自惚れであってくださいマジで! とりあえず私はそんなアナハの呟きを聞かなかったことにして行動を開始した。
「二人共忙しいみたいだし……善は急げって……ことでしょ?」
「それはそうだけど……」
私は寮の自室でアナハと共に過ごしてる。過ごしてるというか、正確には待ってるって言った方が正しい。何をって? それは勿論、カタヤさんと亜子だ。私達は今夜、行動を起こす事にした。色々と四人で話し合った結果、再び洗脳者が出ない前に蹴りをつけようと……そういうことになった。でも実際不安だ。カタヤさんも亜子もアレを見たわけではない。
だから簡単に考えたのかも。まあ亜子は魔王の恐ろしさをよくわかってる感じではあったけど、カタヤさんが守るからってキメ顔でいうと「うん」としかいえなく成った。ほんと美少女もイケメンもズルいよね。そして私も亜子もカタヤさんの意見に異を唱えるはずもなく、この計画は実行に移される事に成ったのだ。
「それよりも……」
口調はいつものままなのに、アナハの奴がズイッと迫ってきた。その瞳は真剣そのもの。なに? そんな熱く見つめられたら、照れちゃうよ。
「本当に……亜子の事なんとも思ってないの?」
「え? 私が?」
「はああぁぁ? ……カタヤ……さん」
すみません。本当にすみません。だからそんな睨まないでよ!? 自信過剰だったです! 私の事なんか、アナハは気にしませんよね!? 泣きたい。友達だと私は思ってるんだけどな。
「カタヤさんは亜子の事は妹以上には思ってないと思うよ。色々と事情があって、亜子は本当の妹じゃないんだけど、カタヤさんにとっては妹みたいな物なの。だからむしろ警戒すべきはラーゼだと私は思う」
さっきの話し聞いてたら、わかるでしょ。カタヤさんラーゼに会うためにわざわざ領地に赴いてるからね。
「私は……ラーゼって子を知らない」
「それもそうか……」
それなりに有名だと思うけど……けどやっぱり直接みてないから、アナハは判断できないのかもしれないね。
「ラーゼは超絶美少女だよ。はっきり言ってティアラ様よりももっともっと綺麗で可愛い。カタヤさんとは正直お似合いかもね」
「美少女は……死ね」
同意するけど、命の恩人でもあるから、流石に私はそこまで言えないよ。
「あはは、まあでもラーゼはカタヤさんに興味なさそうだよ? アイツ他人は道具くらいにしか見てないし」
「ねえ……なんで生きてるの? 私達……友達だよね?」
初めての友達宣言が死の宣告なんですけど!? なに、アナハにとっては私も美少女の枠に入るの? ヤバイ、嬉しいのか悲しいのかわかんないよ。
『来たよキララ』
耳元のピアスからそんな亜子の声が聴こえる。これはどうやら新型ピアスから付いた機能らしい。この通信、どうやらどこまで距離離れてても同じピアスをしてる者同士は通信できるらしい。なのでラーゼにも一応伝えておいた。けど、ここは警備が厳しい学園だからね。下手に兵力を送る訳にもいかないでしょう。とりあえず私達が頑張るしかない。
私達は、黒い布をかぶる。これには視覚阻害の魔法を掛けておいてある。一応夜も深い時間だし、生徒は誰も徘徊してないとは思う。もう就寝時間は過ぎてるしね。寮の中も暗い。だけど、寮監さんは定期的に巡回してる。だから念の為にね。
「アナハ、行こう」
「後ろから……刺したら駄目かな?」
私じゃないよね? それ、私じゃないよね!? 自惚れであってくださいマジで! とりあえず私はそんなアナハの呟きを聞かなかったことにして行動を開始した。
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