美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
β28
「それで、ペルは何やってたの?」
部屋を片付けづつ私は帰ってきたペルにそうきくよ。だってラーゼの所にいたって……なんで? 一体何しに言ってたのか。それは聞かないとでしょ。
「それよりも後から来て、他人のベッドで寝てるそいつは何だ?」
「新しい友だち?」
アナハの奴は、ほんとゆっくりと来てあの二人を寮監に引き渡したらこのざまだよ。図太い神経してる。けどこのくらいじゃないと、魔眼持ちなんてやってられないんだろう。とりあえずアナハはいいよ。寝かせとけば。
「それよりもペルだよ。ラーゼと何してたの?」
「別になにって訳じゃない。俺の事興味ぶかそうにしてただけだ。あとこれ」
そう言ってペルは自身のお腹に手を突っ込んであるものをだした。それはなんと――
「ピアスじゃん!? なんで?」
――タイミング良すぎでしょ。見てた? やっぱりあいつ何処かで見てるんじゃない? ネジマキ博士が変な装置をラーゼに下ろしててもおかしくない。学校に来る前に、なんか変な機械一杯屋敷に持ち込んでたし。あの二人、妙にコソコソしてるからね。悪巧みしてる顔してたのを思い出す。どっちも子供だからな〰。ラーゼはまあ見た目通りなんだけど、ネジマキ博士はもう老人なのにバイタリティありすぎだから。
「これ今までのとは違うって言ってたぞ。なんかネジマキなんとかと作ったって言ってた。これ渡すように言われたんだ。あともう一人の分もな」
そう言ってペルはお腹からチラッともう一個のピアスを見せる。つまりは亜子にも渡しとけって事ね。てかやっぱり変な事やってるじゃん。またアンサンブルバルン様に怒られるわよ。まあ意味のあることなら良いんだろうけど……私は伸ばした手をピタッと止めた。
「これ……何が新しくなったの?」
「さあ……つけてからのお楽しみだって言ってたぞ」
あの野郎……今までのラーゼとネジマキ博士の失敗作を見てる者としては緊張感ヤバイんですけど。大抵爆発してたような……つけた瞬間ボンッとなったらどうしてくれるの? 私回復魔法使えるから自分で治せと? いやいや、耳だよ。つけるの耳!? 頭に近くないですかね。耳だけで済む爆発じゃなかったら終わりだよね!?
「どうした?」
ペルの奴がなかなか取らない私を訝しんで来る。ペルは知らないからそんな脳天気でいられるんだよ。これは私の生死に関わる大事だよ。
「いや、ラーゼとネジマキ博士の失敗作って大抵爆発してたんだよね」
「じゃあ返すか?」
「ちょっと待って! 考えさせて!」
しまおうとするペルを静止して私は思案する。いや、実際は思案する場合でもないんだよね。だって私は今ラーゼの力の供給を受けてない状態なんだ。それは今の学園では危険すぎる。裸で敵地に潜り込んでるみたいなものだ。だから……私はこれをつけるしか、実際ない。つけて死ぬか、つけずに魔王の軍門に下るかしかない。あれ? 後者の方がマシじゃない?
(いやいや、相手はあれだ。軍門に下った後……その後何されるかわかったものじゃないよ)
さっき見たあの姿を思い出すと、それだけで寒気がぶり返してくる。はっきり言って怖い。それに今はまだ支配か催眠かしらないけど、その程度だけど目的を達したらどうされるかわかったものじゃない。今、アレに対抗できるのは私達しかいないんだ。もしかしたら魔王という存在はこの学園の敵には留まらないかもしれない。それこそ、人種全体の敵になりうる存在かも……なら私は真っ先に軍門に下ってなんていられない。
私は救いたいんだから。私は皆を救って、そして楽しい学園生活を送る。そう結論を出すと……腕は自然と動いてた。
「キララ……」
私は不安気に見てくるペルに頷いた。そして取ったピアスを左耳につける。その瞬間だった。私の中に大量のマナが流れ込んできた。
「かっは!?」
息が出来ない? 過剰過ぎるマナが私を蝕んでる? こんな量……初めてだ。今までの供給量の限界を有に超えてる。これが新型の性能? いや、死ぬから!? 膝を付いた私を心配してか、ペルが何か言ってるけど、きこえない。ピアスを外そうにも身体は言うことをきかない。
(これ……死んだかも……)
爆発よりも質悪い事をやってくれるよほんと。そう思ってると、私の前にアナハが立ってた。さっきまで寝てたのに……心配してくれてるのかな? 何かを呟いたアナハはメガネを外して、その目を見開いた。そしてその目を見た私はどこかおかしな感じになった。まるで自分で自分を見てるような感覚。これはいったい?
(少し……借りるから)
そんなアナハの声が聞こえた。そしてアナハは魔法の最初の文源を唱える。
(マナよ、我が語りに応え、事象を具現せよ)
そこから先はアナハのオリジナルの言葉。私には何の魔法を使ったのかはわからなかった。けど、アナハの言葉が終わると同時に、マナは意思を持ち、それを実行した。床に魔法陣が現れて、ここを中心に一気に光が広がる。そしてその光が収まった時、私は空気を求めて必死に肺を動かしてた。マナの供給もいつもより少し多いくらいに収まってる。
「助かった?」
「ほんと……貴女は規格外におかしな人ね」
「それ……そのまま返してあげるよアナハ」
だってあんな事……普通できないでしょ。アナハが居てくれてよかった。私は心からそう思ったよ。
部屋を片付けづつ私は帰ってきたペルにそうきくよ。だってラーゼの所にいたって……なんで? 一体何しに言ってたのか。それは聞かないとでしょ。
「それよりも後から来て、他人のベッドで寝てるそいつは何だ?」
「新しい友だち?」
アナハの奴は、ほんとゆっくりと来てあの二人を寮監に引き渡したらこのざまだよ。図太い神経してる。けどこのくらいじゃないと、魔眼持ちなんてやってられないんだろう。とりあえずアナハはいいよ。寝かせとけば。
「それよりもペルだよ。ラーゼと何してたの?」
「別になにって訳じゃない。俺の事興味ぶかそうにしてただけだ。あとこれ」
そう言ってペルは自身のお腹に手を突っ込んであるものをだした。それはなんと――
「ピアスじゃん!? なんで?」
――タイミング良すぎでしょ。見てた? やっぱりあいつ何処かで見てるんじゃない? ネジマキ博士が変な装置をラーゼに下ろしててもおかしくない。学校に来る前に、なんか変な機械一杯屋敷に持ち込んでたし。あの二人、妙にコソコソしてるからね。悪巧みしてる顔してたのを思い出す。どっちも子供だからな〰。ラーゼはまあ見た目通りなんだけど、ネジマキ博士はもう老人なのにバイタリティありすぎだから。
「これ今までのとは違うって言ってたぞ。なんかネジマキなんとかと作ったって言ってた。これ渡すように言われたんだ。あともう一人の分もな」
そう言ってペルはお腹からチラッともう一個のピアスを見せる。つまりは亜子にも渡しとけって事ね。てかやっぱり変な事やってるじゃん。またアンサンブルバルン様に怒られるわよ。まあ意味のあることなら良いんだろうけど……私は伸ばした手をピタッと止めた。
「これ……何が新しくなったの?」
「さあ……つけてからのお楽しみだって言ってたぞ」
あの野郎……今までのラーゼとネジマキ博士の失敗作を見てる者としては緊張感ヤバイんですけど。大抵爆発してたような……つけた瞬間ボンッとなったらどうしてくれるの? 私回復魔法使えるから自分で治せと? いやいや、耳だよ。つけるの耳!? 頭に近くないですかね。耳だけで済む爆発じゃなかったら終わりだよね!?
「どうした?」
ペルの奴がなかなか取らない私を訝しんで来る。ペルは知らないからそんな脳天気でいられるんだよ。これは私の生死に関わる大事だよ。
「いや、ラーゼとネジマキ博士の失敗作って大抵爆発してたんだよね」
「じゃあ返すか?」
「ちょっと待って! 考えさせて!」
しまおうとするペルを静止して私は思案する。いや、実際は思案する場合でもないんだよね。だって私は今ラーゼの力の供給を受けてない状態なんだ。それは今の学園では危険すぎる。裸で敵地に潜り込んでるみたいなものだ。だから……私はこれをつけるしか、実際ない。つけて死ぬか、つけずに魔王の軍門に下るかしかない。あれ? 後者の方がマシじゃない?
(いやいや、相手はあれだ。軍門に下った後……その後何されるかわかったものじゃないよ)
さっき見たあの姿を思い出すと、それだけで寒気がぶり返してくる。はっきり言って怖い。それに今はまだ支配か催眠かしらないけど、その程度だけど目的を達したらどうされるかわかったものじゃない。今、アレに対抗できるのは私達しかいないんだ。もしかしたら魔王という存在はこの学園の敵には留まらないかもしれない。それこそ、人種全体の敵になりうる存在かも……なら私は真っ先に軍門に下ってなんていられない。
私は救いたいんだから。私は皆を救って、そして楽しい学園生活を送る。そう結論を出すと……腕は自然と動いてた。
「キララ……」
私は不安気に見てくるペルに頷いた。そして取ったピアスを左耳につける。その瞬間だった。私の中に大量のマナが流れ込んできた。
「かっは!?」
息が出来ない? 過剰過ぎるマナが私を蝕んでる? こんな量……初めてだ。今までの供給量の限界を有に超えてる。これが新型の性能? いや、死ぬから!? 膝を付いた私を心配してか、ペルが何か言ってるけど、きこえない。ピアスを外そうにも身体は言うことをきかない。
(これ……死んだかも……)
爆発よりも質悪い事をやってくれるよほんと。そう思ってると、私の前にアナハが立ってた。さっきまで寝てたのに……心配してくれてるのかな? 何かを呟いたアナハはメガネを外して、その目を見開いた。そしてその目を見た私はどこかおかしな感じになった。まるで自分で自分を見てるような感覚。これはいったい?
(少し……借りるから)
そんなアナハの声が聞こえた。そしてアナハは魔法の最初の文源を唱える。
(マナよ、我が語りに応え、事象を具現せよ)
そこから先はアナハのオリジナルの言葉。私には何の魔法を使ったのかはわからなかった。けど、アナハの言葉が終わると同時に、マナは意思を持ち、それを実行した。床に魔法陣が現れて、ここを中心に一気に光が広がる。そしてその光が収まった時、私は空気を求めて必死に肺を動かしてた。マナの供給もいつもより少し多いくらいに収まってる。
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「ほんと……貴女は規格外におかしな人ね」
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