美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
β26
「わ、私のせいでしょうか?」
そう言って眉毛を下にむけるサーテラス様。そんな姿を見て、私はふと思う。この人のこれは……一体どっちなんだろうって。本心? それとも魔王の影響を受けた仮初の心がそうさせてるのか? でも時々、不意に見せる表情はなんだか……本物の様な……そんな気が私はしてた。
そんなことは無いのかも知れない。だって豚の時のサーテラス様が紛れもないこの人の筈。それを考えると……やっぱり違うのかなって思えるんだけど、でもなんだが不思議と今は作って無い気がするんだ。
まあ、だけどそんな場合じゃないけど……
「いきなり壊れたように見えたが?」
「…………ええ、そうですね。サーテラス様のせいでは御座いません。きっと寿命だったんです」
私はピアスの欠片を拾いながらそういうよ。不味い不味い不味い……今、あの魔王という存在が何かしてきたら私は対抗する術を持たない。
「ペル、私を守ってね」
私は自身が作り出した小さな存在に小声でそう語り掛ける。けど……返事はない。
「ペル?」
私は「あれ?」と思う。そもそも今日一度もペルの姿見てない様な? 私は冷や汗で背中ぐっしょりに成ってる。私はピアスの欠片を拾い終わると生徒会の皆さんに向き直ってこういった。
「すみません、替えがないか寮に一度戻ってみます。皆さんは講義に遅れないように向かってください。それではお昼ありがとうございました」
そう言って私は気にしてない風を装って角を曲がる。そして見えなくなった瞬間、私は走り出した。全力疾走である。短いスカートが靡いてチラチラ見えてたかも知れない……けど、気にしてる余裕はなかった。
「大事?」
私は耳に入って来たその声にハッとして急いで止まる。そこには彼女がいた。
「アナハ! 酷いよ一人だけ逃げるなんて!?」
私は息を整えてそう詰め寄った。これだけは言っとかないといけないよね。
「別に……一緒に食堂に言ったけど……一緒に食べるなんて言ってない」
「確かにそこまでは言ってなかったけど……」
あの流れでは一緒に食事する流れじゃん。言わなくてもそうだよね? 的な雰囲気あったじゃん。
「私をサーテラス様の視界に入れないで。それよりもどうだったの?」
「ええっと……あっそうだ! どう? ちょっと魔眼で見てみて」
「…………魔眼をそんな気軽に要求する奴は初めてだわ」
そういいつつ、アナハは両腕を開いた私を呆れた感じで見てくる。その地味なメガネを外して……
「アンタを覆ってた光が無くなってる」
「やっぱりか〰。そうだよね」
当たり前だよね。だってピアスが私とラーゼを繋げて、力の通り道に成ってたんだもん。そのピアスが無くなった今、ラーゼの力だった私を覆ってた光も無くなった。もしかしたら使えたりしないかな? とか淡い期待してたけど……魔眼で見て見えないのなら無理だよね。今の私はただの人種。この世界で最弱の人種の一人でしか無い。
魔王なんて得体の知れない存在が学園を掌握しようとしてる今……それはとても無防備な事だ。私はもう一つアナハに聞くよ。
「ねえ……他にも見えないかな? その……小さなヌイグルミくらいの存在とか?」
「そんなの見えないけど?」
「魔眼で学園中探せる?」
「ほんと……気軽にとんでもないこと言うわね。私達……さっき知り合ったばかりよね? ここまで魔眼持ちを……こき使う奴、アンタくらい」
凄く嫌な目してるね。確かに図々しかったか。
「まあ、出来なくも無いけど」
「ほんと!?」
マジで? この学校滅茶苦茶広いよ。それを見通せるって魔眼凄すぎる。
「けど凄く疲れる。凄く凄く疲れる」
「えっと?」
何かを私は要求されてるのかな? 一体何をすれば?
「私は……女子寮の食堂の限定デザートを食べたことがない。フォンベラッチェ……アレが食べれたら死んでもいい」
「それほど!?」
確かにここのデザートは美味しいけど……なんか王都中のお店の若手が集まってるってのは聞いた。なんだか丁度いい修業の場なんだとか? だからここの学園にはこの学園でしか食べられないデザートがある。そのフォンベラッチェとかも多分そう。でも私は見たこと無いな。そんな事を思ってると、ジトーとした目でアナハは私を見てた。
「全力を尽くしてみせますです!!」
「うむ……出来なかったら、口聞かないから」
早速の絶交宣言ですか。デザート一つで処罰が重すぎる。そう思ってると、アナハは空を見上げて胡乱だ目をする。そして何やらつぶやくと、その両目から、小さな魔法陣が現れる。
「小さいんだっけ?」
「ヌイグルミくらい」
「探すの大変……」
「ごめんなさい」
どうやら今まさに探してくれてるみたい。私にはどうやってるのかサッパリだよ。そして数分が経過した時、ふとアナハはこういった。
「ねえ……寮の部屋、何処だっけ?」
「なんで突然? えっと、二階の東側の角部屋だけど……」
「おかしい……そこには既に二人の生徒がいる」
「え!?」
衝撃の発言だ。だって私はちゃんと鍵閉めた……閉めたかな? いつもペルに任せてた気がしないでもない。てかその生徒は一体何を?
「何かを探してる? 色んな所開けてる」
「ちょっとおおおおおおおおおおおお!!」
私は急いで寮に向かって走り出した。だってだって、乙女には見せられない部分だってあるんだよ! それを勝手に暴くなんて許される事じゃない! 現行犯逮捕してくれる!! 私は今までで一番位の速さで寮に戻っていった。
そう言って眉毛を下にむけるサーテラス様。そんな姿を見て、私はふと思う。この人のこれは……一体どっちなんだろうって。本心? それとも魔王の影響を受けた仮初の心がそうさせてるのか? でも時々、不意に見せる表情はなんだか……本物の様な……そんな気が私はしてた。
そんなことは無いのかも知れない。だって豚の時のサーテラス様が紛れもないこの人の筈。それを考えると……やっぱり違うのかなって思えるんだけど、でもなんだが不思議と今は作って無い気がするんだ。
まあ、だけどそんな場合じゃないけど……
「いきなり壊れたように見えたが?」
「…………ええ、そうですね。サーテラス様のせいでは御座いません。きっと寿命だったんです」
私はピアスの欠片を拾いながらそういうよ。不味い不味い不味い……今、あの魔王という存在が何かしてきたら私は対抗する術を持たない。
「ペル、私を守ってね」
私は自身が作り出した小さな存在に小声でそう語り掛ける。けど……返事はない。
「ペル?」
私は「あれ?」と思う。そもそも今日一度もペルの姿見てない様な? 私は冷や汗で背中ぐっしょりに成ってる。私はピアスの欠片を拾い終わると生徒会の皆さんに向き直ってこういった。
「すみません、替えがないか寮に一度戻ってみます。皆さんは講義に遅れないように向かってください。それではお昼ありがとうございました」
そう言って私は気にしてない風を装って角を曲がる。そして見えなくなった瞬間、私は走り出した。全力疾走である。短いスカートが靡いてチラチラ見えてたかも知れない……けど、気にしてる余裕はなかった。
「大事?」
私は耳に入って来たその声にハッとして急いで止まる。そこには彼女がいた。
「アナハ! 酷いよ一人だけ逃げるなんて!?」
私は息を整えてそう詰め寄った。これだけは言っとかないといけないよね。
「別に……一緒に食堂に言ったけど……一緒に食べるなんて言ってない」
「確かにそこまでは言ってなかったけど……」
あの流れでは一緒に食事する流れじゃん。言わなくてもそうだよね? 的な雰囲気あったじゃん。
「私をサーテラス様の視界に入れないで。それよりもどうだったの?」
「ええっと……あっそうだ! どう? ちょっと魔眼で見てみて」
「…………魔眼をそんな気軽に要求する奴は初めてだわ」
そういいつつ、アナハは両腕を開いた私を呆れた感じで見てくる。その地味なメガネを外して……
「アンタを覆ってた光が無くなってる」
「やっぱりか〰。そうだよね」
当たり前だよね。だってピアスが私とラーゼを繋げて、力の通り道に成ってたんだもん。そのピアスが無くなった今、ラーゼの力だった私を覆ってた光も無くなった。もしかしたら使えたりしないかな? とか淡い期待してたけど……魔眼で見て見えないのなら無理だよね。今の私はただの人種。この世界で最弱の人種の一人でしか無い。
魔王なんて得体の知れない存在が学園を掌握しようとしてる今……それはとても無防備な事だ。私はもう一つアナハに聞くよ。
「ねえ……他にも見えないかな? その……小さなヌイグルミくらいの存在とか?」
「そんなの見えないけど?」
「魔眼で学園中探せる?」
「ほんと……気軽にとんでもないこと言うわね。私達……さっき知り合ったばかりよね? ここまで魔眼持ちを……こき使う奴、アンタくらい」
凄く嫌な目してるね。確かに図々しかったか。
「まあ、出来なくも無いけど」
「ほんと!?」
マジで? この学校滅茶苦茶広いよ。それを見通せるって魔眼凄すぎる。
「けど凄く疲れる。凄く凄く疲れる」
「えっと?」
何かを私は要求されてるのかな? 一体何をすれば?
「私は……女子寮の食堂の限定デザートを食べたことがない。フォンベラッチェ……アレが食べれたら死んでもいい」
「それほど!?」
確かにここのデザートは美味しいけど……なんか王都中のお店の若手が集まってるってのは聞いた。なんだか丁度いい修業の場なんだとか? だからここの学園にはこの学園でしか食べられないデザートがある。そのフォンベラッチェとかも多分そう。でも私は見たこと無いな。そんな事を思ってると、ジトーとした目でアナハは私を見てた。
「全力を尽くしてみせますです!!」
「うむ……出来なかったら、口聞かないから」
早速の絶交宣言ですか。デザート一つで処罰が重すぎる。そう思ってると、アナハは空を見上げて胡乱だ目をする。そして何やらつぶやくと、その両目から、小さな魔法陣が現れる。
「小さいんだっけ?」
「ヌイグルミくらい」
「探すの大変……」
「ごめんなさい」
どうやら今まさに探してくれてるみたい。私にはどうやってるのかサッパリだよ。そして数分が経過した時、ふとアナハはこういった。
「ねえ……寮の部屋、何処だっけ?」
「なんで突然? えっと、二階の東側の角部屋だけど……」
「おかしい……そこには既に二人の生徒がいる」
「え!?」
衝撃の発言だ。だって私はちゃんと鍵閉めた……閉めたかな? いつもペルに任せてた気がしないでもない。てかその生徒は一体何を?
「何かを探してる? 色んな所開けてる」
「ちょっとおおおおおおおおおおおお!!」
私は急いで寮に向かって走り出した。だってだって、乙女には見せられない部分だってあるんだよ! それを勝手に暴くなんて許される事じゃない! 現行犯逮捕してくれる!! 私は今までで一番位の速さで寮に戻っていった。
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