美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
#102
それぞれの族長達が集まって来た。どいつもこいつも私を見るや、固まってしまう奴等ばかりだ。まあそれは、私が絶世の美少女だから仕方ない。けど、その後に獲物を見つけたかのように舌出してペロっとやるのやめてほしい。なんか叩き潰したくなる。一応それぞれの集落の長だし、下手に殺すのもどうかと思うからやらないけどね。
それに殆どの奴等は私の後ろに控えてる蛇たちを見て恐れおののくからね。けど偶に突っかかる奴もいた。どうやら人種が獣人に勝利したから、既に彼等は奴隷の様な物だと考えてる奴が居るようだ。まあそんな奴には私が許可して、一発入れさせてやったけどね。でもやっぱり人種は思ってたよりも弱っちい。魔法を使える者も少ないし、そもそも人種が使う程度の魔法じゃ、獣人の身体に傷をつける事自体が無理そう。
きっと人種で最高峰と呼ばれる様な使い手なら、獣人を倒す事も出来るんだろうけど……それでもきっと蛇の足元にも及ばないよ。だから人種はダンプとかアンティカとか、そっち方面に力を入れてるんだろう。自分達を強化出来る外部装置……それが人種が他種族に対抗しうる唯一の手段。
「さて、これで全部かな?」
「左様で御座います」
私の疑問に長老がそう言ってくれる。けど、集まった他の長達は私じゃなく長老の方を見てる。私の事はさんざん会った時にみたしね。今はアレが長老だと言うことに驚愕してるんだろう。
「お前……ダンダか?」
「そうじゃ」
「いや……なんで若返ってる!?」
「奇跡を授かったんじゃよ。お陰で余命が伸びたわい!!」
「何故におまえだけ!」
「そうじゃ! ずるいぞ!!」
なにやらギャーギャーと騒ぎ始めた長達。どうやらここの長老ダンダが若返ったことが羨ましいらしい。それはそうだよね。だって人生得してるし……長達は皆さん爺か婆だもんね。それだったのに一人だけいきなりこんななったら嫉妬もするよ。しかも最初のダンダの姿を思い浮かべるに、多分長のなかでも一番年上だったのがダンダだったはずだ。
そんなダンダが一気にあの世に向かう競争から降りたんだもんね。皆さん、どうやって若返ったのか問いただしてる。傍から見てると年寄り共に詰め寄られて困り果ててる若者って感じだけど、実際どっちも年寄りなんだよね。
「ふふ、お主等はもう遅い」
「どういうことじゃ?」
ダンダの意味深な言葉に皆さん興味津々。こっちは別の話したいんだけど……ずっとソワソワされても困るし、私は事の成り行きを黙って見とく。
「儂は一度死んだのじゃ」
「「「なに!?」」」
長老たち驚愕。まあ死んだなんて言われちゃあね。けど直ぐにこんな事言われた。
「ついにボケたか? 死んだのならなんで生きとる?」
「それは奇跡を授かったからじゃ」
「奇跡……だと?」
皆がゴクリと喉を鳴らす。よくそんな荒唐無稽な話を真剣に聞いてるね。事実だけどさ。なんかダンダが大げさかつ大ぶりで語ってるからなんか傍から見てたら嘘臭いというか……
「そうじゃ。儂はここの新たな領主ラーゼ様の美しさに心の臓が止まっての。だがそれを憐れみた聖女様が儂を蘇らせてくれたのじゃ」
「つまりは儂らもあの娘を見て死ねれてば……いや、そんなの心の臓が弱かった貴様だから出来た事ではないか!」
そんな一人の言い分に皆さん「そーだそーだ」の大合唱。するとあざとい一人が内手を擦って私に近づいてきた。
「領主様? もしよろしければ、我等にも若返りの術をお願いできませんか? 必ずや、役に立って見せますよ」
「そうだ! 生き返らせて若返らせるよりも、ただ若返らせる方が簡単な筈だ! どうなんだ?」
なにこいつ? 偉そうなんだけど? ごますってくるやつは良いよ。別段不快じゃないし。けど、こういう勘違い野郎は琴線に触れちゃうよね。てかさっき蛇達を見下して痛い目に会ったやつじゃないこれ? よくもまあついさっきあんな目に会ったのに……鳥並みの脳みそなのかな? けど流石にここまで無礼にして、横に控える蛇が黙ってるわけない。その身体から殺気を出して勘違い野郎を威圧する。
「なにか言った?」
「う……ぐ……い、いえ」
冷や汗ダラダラ流して、そいつは引き下がる。そもそも若返らせる術とか知らないし。まあ適当にやるだけで出来そうだけどね。でもキララはもう無理かも? あれはたまたまなんだと思う。思いたい……けどうーんどうなんだろう。
「アンタ達は勝手にやればいいわよ。そもそも、生き返らせたのは私じゃないし。それよりも私はこの土地を改善する気よ。だから改善出来たら、アンタ達もここに合流しなさい。それだけ」
「そんな事が可能なのですか?」
「アンタ達も奇跡を体験したら考えが変わるんじゃない?」
皆半信半疑だ。けどそれはしょうがない。まあ私が言いたかったのはそれだけ。顔見せも終わったし、早速私は荒療治に取り掛かりますか。そして長達は早速キララの元へと向かっていった。結果、ダンダ程では無いにしろ、十歳くらいは若返ったらしい。その奇跡に、彼等は私たちに友好的になってくれた。ますます奇跡の聖女の噂が広まる事になるね。
それに殆どの奴等は私の後ろに控えてる蛇たちを見て恐れおののくからね。けど偶に突っかかる奴もいた。どうやら人種が獣人に勝利したから、既に彼等は奴隷の様な物だと考えてる奴が居るようだ。まあそんな奴には私が許可して、一発入れさせてやったけどね。でもやっぱり人種は思ってたよりも弱っちい。魔法を使える者も少ないし、そもそも人種が使う程度の魔法じゃ、獣人の身体に傷をつける事自体が無理そう。
きっと人種で最高峰と呼ばれる様な使い手なら、獣人を倒す事も出来るんだろうけど……それでもきっと蛇の足元にも及ばないよ。だから人種はダンプとかアンティカとか、そっち方面に力を入れてるんだろう。自分達を強化出来る外部装置……それが人種が他種族に対抗しうる唯一の手段。
「さて、これで全部かな?」
「左様で御座います」
私の疑問に長老がそう言ってくれる。けど、集まった他の長達は私じゃなく長老の方を見てる。私の事はさんざん会った時にみたしね。今はアレが長老だと言うことに驚愕してるんだろう。
「お前……ダンダか?」
「そうじゃ」
「いや……なんで若返ってる!?」
「奇跡を授かったんじゃよ。お陰で余命が伸びたわい!!」
「何故におまえだけ!」
「そうじゃ! ずるいぞ!!」
なにやらギャーギャーと騒ぎ始めた長達。どうやらここの長老ダンダが若返ったことが羨ましいらしい。それはそうだよね。だって人生得してるし……長達は皆さん爺か婆だもんね。それだったのに一人だけいきなりこんななったら嫉妬もするよ。しかも最初のダンダの姿を思い浮かべるに、多分長のなかでも一番年上だったのがダンダだったはずだ。
そんなダンダが一気にあの世に向かう競争から降りたんだもんね。皆さん、どうやって若返ったのか問いただしてる。傍から見てると年寄り共に詰め寄られて困り果ててる若者って感じだけど、実際どっちも年寄りなんだよね。
「ふふ、お主等はもう遅い」
「どういうことじゃ?」
ダンダの意味深な言葉に皆さん興味津々。こっちは別の話したいんだけど……ずっとソワソワされても困るし、私は事の成り行きを黙って見とく。
「儂は一度死んだのじゃ」
「「「なに!?」」」
長老たち驚愕。まあ死んだなんて言われちゃあね。けど直ぐにこんな事言われた。
「ついにボケたか? 死んだのならなんで生きとる?」
「それは奇跡を授かったからじゃ」
「奇跡……だと?」
皆がゴクリと喉を鳴らす。よくそんな荒唐無稽な話を真剣に聞いてるね。事実だけどさ。なんかダンダが大げさかつ大ぶりで語ってるからなんか傍から見てたら嘘臭いというか……
「そうじゃ。儂はここの新たな領主ラーゼ様の美しさに心の臓が止まっての。だがそれを憐れみた聖女様が儂を蘇らせてくれたのじゃ」
「つまりは儂らもあの娘を見て死ねれてば……いや、そんなの心の臓が弱かった貴様だから出来た事ではないか!」
そんな一人の言い分に皆さん「そーだそーだ」の大合唱。するとあざとい一人が内手を擦って私に近づいてきた。
「領主様? もしよろしければ、我等にも若返りの術をお願いできませんか? 必ずや、役に立って見せますよ」
「そうだ! 生き返らせて若返らせるよりも、ただ若返らせる方が簡単な筈だ! どうなんだ?」
なにこいつ? 偉そうなんだけど? ごますってくるやつは良いよ。別段不快じゃないし。けど、こういう勘違い野郎は琴線に触れちゃうよね。てかさっき蛇達を見下して痛い目に会ったやつじゃないこれ? よくもまあついさっきあんな目に会ったのに……鳥並みの脳みそなのかな? けど流石にここまで無礼にして、横に控える蛇が黙ってるわけない。その身体から殺気を出して勘違い野郎を威圧する。
「なにか言った?」
「う……ぐ……い、いえ」
冷や汗ダラダラ流して、そいつは引き下がる。そもそも若返らせる術とか知らないし。まあ適当にやるだけで出来そうだけどね。でもキララはもう無理かも? あれはたまたまなんだと思う。思いたい……けどうーんどうなんだろう。
「アンタ達は勝手にやればいいわよ。そもそも、生き返らせたのは私じゃないし。それよりも私はこの土地を改善する気よ。だから改善出来たら、アンタ達もここに合流しなさい。それだけ」
「そんな事が可能なのですか?」
「アンタ達も奇跡を体験したら考えが変わるんじゃない?」
皆半信半疑だ。けどそれはしょうがない。まあ私が言いたかったのはそれだけ。顔見せも終わったし、早速私は荒療治に取り掛かりますか。そして長達は早速キララの元へと向かっていった。結果、ダンダ程では無いにしろ、十歳くらいは若返ったらしい。その奇跡に、彼等は私たちに友好的になってくれた。ますます奇跡の聖女の噂が広まる事になるね。
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