チートを隠さない俺達(私達)のクラス転移

天道souzi

始まりの時、最後の日常

暗い洞窟の中、巨大な体でありながら素晴らしい身のこなしをしている怪物、この世界では亜人と呼ばれる種の突然変異体であり難易度『メガ』クラスの存在だ。それに右手には青い剣、左手には赤い剣を持った二刀流剣士と片手で持てるステッキのような短い杖とレイピアを持ったマジックブレイザー(いわゆる魔法剣士)が応戦している。

真珠「すみれ!そっち行ったぞ!」

すみれ「分かった!これでも、喰らえ!『ファイアリング』!」

杖の先端からちいさな輪が飛び出し怪物に向かってとんでいく。その最中に少しずつ巨大になっていきいつしか怪物を縛り上げるまでになっていた。

炎に拘束された怪物は叫び声を上げ苦しみの表情を見せる、その隙を見逃す訳がない

真珠「これで終わりだ!バケモノ!『氷炎爆剣』!」

双剣が怪物の皮膚に食い込み肉を切り裂いていく。やがて絶命し、2人は勝利を収めた。

1人真珠は過去を思い出す

真珠(あの頃の俺達は、こんな風に戦うなんて考えられなかったな・・・)

それは、ほんの数ヶ月前の出来事だ


キーンコーンカーンコーン

今どき聞かないような学校の1日の授業の終わりを告げる鐘の音(放送の録音)が流れる教室、生徒の殆どが「放課後何して遊ぶ?」とか「部活やりたくねぇ」とか駄弁しながら担任の到着を待っている

そんな中で静かながらも会話を楽しむ男女がいる(付き合ってはいない)

男子生徒の名は上野真珠かみのしんじ、女子生徒の名は秋風あきかぜすみれという。2人は両思いだが友達であるという一線を超えてはいない。(いずれは超えるだろうが・・・)

真珠「このあとどうする?」

すみれ「私は特に予定は無いよ。そっちは?」

真珠「俺も特には無い。けど、時間が時間だし買い物してから帰んないと夜食べるモンが無いからスーパー行くけど。一緒に来るか?」

すみれ「そうする。」

返事の後、ガラッという音と共に担任の教師である御伽花おとぎはなが入って来る。グリム童話のようなおとぎ話の好きな若い女の先生だ。

花「みんなー、静かにしてください。では、帰りのホームルームを始めます」

誰も予想だにしなかったであろう、この一言が、日本で、いや、この世界で最後に聞く言葉になろうとは・・・

次の瞬間、教室一帯は光に包まれ気付けば光の中にクラス全員が居た

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