ミッション;神の打倒
12、帰りまで
「ふっ........さすがに地獄の業火はこたえるはずだがな。なっ!ハッ...」
青い炎は天使を焦がし、辺り一帯に肉の焼ける匂いが立ち込める。だが長くはもたず、炎はだんだんと小さくなり消えていく。
天使は決して膝をついておらず、痛みに呻いている。黒焦げの肌が少し間をもたせて急激に回復する。
「お前ッ...痛いのか、どうしてそんなに頑なに立っていられるんだよ...」
「知ラない...痛イ...でも、命令だかラ......!反撃すル!」
「..........なら、尚更そのような理不尽な命令を下した“神”には、消えてもらわないとなぁぁぁあぁぁ!!」
甲冑は早口でまた災の精霊技を詠唱するが、今度はまた光る粒子を収束させてダガーを取り出す。すると、天使の腹筋に刺さっていた槍はふっと消えた。
「“災よ、汝の力を借り、我に災よ与えよ。さすれば汝が一時我の災となるであろう。神の名を借り、災厄なる雷、我の刀へ留まれ”!行くぞ天使!」
「オォォォォォオォ!」
甲冑が右手で逆手に持ったダガーは、紫色の電流が走る。流れ続け、そのダガーを飛び込んできた天使の脊髄...喉を突き刺そうとする。対する天使は力任せに正面から懐へ飛び込んで顔面を右腕で殴ろうと企む。
舞台は変わって夕方の“不気味な森”。ルルはやはり帰りと同じ、“獣化”したルキの背中に乗った。カミナは1人で突っ走るのに、狼と同じくらいの速度で走るれるのもおかしいものだ。
視界の変わりが速い世界でカミナはルキに疑問を投げかける。
「そういや、その狼になるのは獣人族では普通の事なのか?」
白狼と化したルキは少し荒い息で唸って答える。
「えぇそうですね。獣人族では例外なく全ての人が出来ます。“獣化”って言うんですけど、獣人族が本気を出すとき、任意のタイミングで使えます。」
「はぁ....なるほど。つまり今は本気なのか?」
「そうです。」
「ふーん、なるほど。今はどうでも良いけど戦闘中に白狼になるのは俺の命令以外は辞めてね?」
「えっ、あはい。了解しました。」
(“獣化”.......アビリティスキルみたいなものかな。というか今は本気なのか...案外遅いな。いや他のタイプはどうなのか、知らないけどさ...)
「そういうカミナは涼しい顔してるけど、本気じゃないの?」
「ん、まぁ本気ではないかな....そこまで速くないし、ルキに合わせるからしんどかったら速度下げたり休んでも良いんだぞ?大丈夫か?」
「はい。お気遣いありがとうございます。でも大丈夫です。」
5分程でリョートー都に到着。その後は報酬を受け取ろうとギルド施設に直行して受け付けの嬢に話掛ける。
「え...終了...結構は、早いですね...では報酬をお渡しします。このクエスト報酬は3人で割れないのですが...」
「あぁそれは大丈夫です。こちらで分割しますのでね。」
受け付け嬢は軽く会釈し、報酬を渡そうと後ろへ戻るが...周りに聞こえない小声で受け付け嬢を呼び止める。
「ちょっと待って、耳を貸してくれないか?」
「ん、どうかされましたか?」
受け付けの嬢も察したのか、小声で返してくる。
「いやあの、“不気味な森”に生息しているオークってどのくらいいるかって知ってますか?」
「出現頻度と森の広さから、推測で多くて200頭は棲んでいると思われます。」
「あー...あの、勢いあまって60頭くらい狩っちゃったんですけど、問題ないですか?」
「貴方方本当に何者なんですか!?まぁ問題ないです。湖と違って森を破壊してしまうと、エルフ族の国が怒ってしまいますからね...!くれぐれも破壊しないように気をつけてください。」
「受け付けさん、“怒ってしまいますから”って、俺を子供扱いしないでください......俺は一応成人してますからね!同じ年代ですからね!21ですよ。」
「あら、そうだったんですか...失礼しました。ではプラス20頭分の報酬も一緒にしておきますね...」
「その謝りは子供扱いした件か、年齢の勘違いの件か...ありがとうございます。」
「社交辞令ですっ★」
「こいつっ、謝る気ねぇぇぇ!!」
カミナの叫びにギルド施設内の冒険者全員の注目を浴びる。その頃にはもう、受け付けの嬢は後ろへ逃げていた......
報酬を受け取ったギルド施設の入り口の側で3人で会談をする。
「俺もな、そろそろその歳だろ?」
「まぁ、そうね。アタシも独り立ちしないとそろそろお父様に怒られちゃいそう...」
「まぁね。そこで俺に1つ提案があるんだが、家を買わないか?」
「「え...?」」
「んで、その為には最低でも資金が都金貨3900枚は必要だと思うんだよね。そこで......」
「ちょ、ちょっとストーーップ!」
「わ、わたしは問題ないのですが、それは、3人で住むという事ですよね...?」
「そう。どこかで聞いた...同じ人とずっとパーティーを組み続けるということは、一部では家族に近い親友のようなもので同等の扱いなのだと!」
「そうなんですか?!」
「ままぁそう言われてるけど...!」
「そこでだよ、諸君。俺たちで分担してこのリョートー都内のクエストを、細いクエストを終わらせるんだ。」
「都金貨3900枚って簡単に言うけど、白金貨39枚必要なのよ?!一体どれだけの時間が掛かるやら...」
「それこそ無理しなくても別に良いんだ。それこそゆっくりと、しかし確実に貯めていこう.......というか、一緒に住む事は承諾してくれるのか...?」
「......お父様に怒られる事覚悟で...というか、エッチな意味はないわよ?!」
「当たり前だろうよそんなの。」
大抵の質問には即答するカミナ。それほど真面目に考えていたという証明になるだろう。約半日かけて一人でこなせるクエストが都金貨3枚と仮定するならば、分担すれば生活費を抜いて1日で18枚集まることになる。それならば、7ヶ月〜8ヶ月はかかるような案件だ。いくら稼ぎが良い冒険者という職でも、そのくらいだ。だが、生温いやり方では1年は過ぎる事を彼は知っていた。
「アタシは彼に独り立ちするという事だけを伝えるわ。でも、無理だったらどうしようかな...」
「その時はその時だ仕方がない。」
「それで、今日はどうする?もう終わるか?」
「そうね...疲れたし、アタシ今日からでもお話しを通したいし...」
「私はなんでも良いですよ。いまからクエスト行ってきましょうか?」
「ごめんね、お願いします。あっそうだルル、これ。」
「ん?あぁ、お金ね。半分に割った?」
「割ったぞ。」
カミナはルルに報酬の半分を渡す。そしてルキには生活費として都金貨3枚を渡す。
ルルとルキはギルド施設へ、カミナはとりあえず宿へ戻るが、オーラン...ランは居るのだろうか。と、ふと考える
「えっ、こんなに頂いて良いんですか!?」
「それは生活費だ。あまり無駄遣いをするんじゃないぞ?あと、命を大事にな。もうお前が死んだら悲しむ人は増えたんだ。」
「はいっ!」
「じゃあね、カミナ。」
「はーい。また会う日までな...」
「あのあの、全力で貯めますので、どうかお達者で!」
「おう!」
2人のいとまごいに仮面だけの笑顔で応じる。そして、両手剣で後ろへ伸びきった髪を短く手荒に切り、誰の耳にも届かない声で呟く。
「命を賭けた賭博を始めよう......」
「女将さん、3日だけだったけどありがとうね。ところで、オーランは居ないのか?」
「あぁ、どういたしまして。彼はダステル商館へ来た行商人で、契約を破棄して一時ダステル商館に住んでるんだよ。もう少ししたらもっと別の...遠い...ところへ行くんじゃないかしら?」
「そうなのか、ありがとう、俺も少しこのリョートー都を離れる。」
「いつぐらいなの?」
「そうだな...だいたい100日くらいだな。」
「そう...気をつけて行ってらっしゃいっしゃい。外は真っ暗なのに行くのね?」
お世話になった宿の女将の問いには、何も答えずにフード付きの茶の外套を羽織って頷く。
(隣の国へ行くと言ったこと、女将さんには黙秘してもらおう...さて、彼女にもいとまごいしないと...)
宿へ出たカミナは、フードを被って災の精霊技を使い“彼女”へ連絡を取る。
(おう、ラナ。こんな真夜中にごめんなさい。俺はリョートー都を出る。だが、またいつか戻ってくる。その時は...またこの連絡を使う。)
(えっ、ちょっと、本当に行くのか?!......気をつけてほしいのだ。全ては命あっての物種なのだ...)
(ありがとうね。王家に関する依頼は、ぜひフラント家の娘に回してくれ。彼女なら期待以上の働きをしてくれるはずだ。)
(.....そう。分かったのだ。)
瀬戸が切断...唱える直前、思考の全てが紫の雷に支配される。また同じような発作が起きた。
(はっ!紫電、紫電紫電紫電紫電紫電紫電紫電!)
(ど、どうしたのだ!?大丈夫?)
(あぁ、大丈夫。切断するぞ?)
(........)
(青い炎の次は、紫の雷...一体どうなっているんだ?)
リョートー都を出てマップを開きながら霊の精霊技の幻覚を冒険者の証明書に唱える。
(名前はそうだな.....めちゃくちゃかっこよくアイスにしよう。経歴も変えてと〜こんな感じで良いかな。)
全くないネーミングセンスを発揮しつつ開いたマップを確認する。
(っと、ここから1番近い都は......っと、レグマ・ファルマ・ムタマか、長過ぎる名前だな...ここからだいたい200km、長いし遠い......まぁ、俺が走ると40分で着くわけだから、通学路だよな。)
無言で走り出す。初めて見るこのセカイの夜の星空は、新しい旅路を祝福しているかのように、彼は錯覚した......
青い炎は天使を焦がし、辺り一帯に肉の焼ける匂いが立ち込める。だが長くはもたず、炎はだんだんと小さくなり消えていく。
天使は決して膝をついておらず、痛みに呻いている。黒焦げの肌が少し間をもたせて急激に回復する。
「お前ッ...痛いのか、どうしてそんなに頑なに立っていられるんだよ...」
「知ラない...痛イ...でも、命令だかラ......!反撃すル!」
「..........なら、尚更そのような理不尽な命令を下した“神”には、消えてもらわないとなぁぁぁあぁぁ!!」
甲冑は早口でまた災の精霊技を詠唱するが、今度はまた光る粒子を収束させてダガーを取り出す。すると、天使の腹筋に刺さっていた槍はふっと消えた。
「“災よ、汝の力を借り、我に災よ与えよ。さすれば汝が一時我の災となるであろう。神の名を借り、災厄なる雷、我の刀へ留まれ”!行くぞ天使!」
「オォォォォォオォ!」
甲冑が右手で逆手に持ったダガーは、紫色の電流が走る。流れ続け、そのダガーを飛び込んできた天使の脊髄...喉を突き刺そうとする。対する天使は力任せに正面から懐へ飛び込んで顔面を右腕で殴ろうと企む。
舞台は変わって夕方の“不気味な森”。ルルはやはり帰りと同じ、“獣化”したルキの背中に乗った。カミナは1人で突っ走るのに、狼と同じくらいの速度で走るれるのもおかしいものだ。
視界の変わりが速い世界でカミナはルキに疑問を投げかける。
「そういや、その狼になるのは獣人族では普通の事なのか?」
白狼と化したルキは少し荒い息で唸って答える。
「えぇそうですね。獣人族では例外なく全ての人が出来ます。“獣化”って言うんですけど、獣人族が本気を出すとき、任意のタイミングで使えます。」
「はぁ....なるほど。つまり今は本気なのか?」
「そうです。」
「ふーん、なるほど。今はどうでも良いけど戦闘中に白狼になるのは俺の命令以外は辞めてね?」
「えっ、あはい。了解しました。」
(“獣化”.......アビリティスキルみたいなものかな。というか今は本気なのか...案外遅いな。いや他のタイプはどうなのか、知らないけどさ...)
「そういうカミナは涼しい顔してるけど、本気じゃないの?」
「ん、まぁ本気ではないかな....そこまで速くないし、ルキに合わせるからしんどかったら速度下げたり休んでも良いんだぞ?大丈夫か?」
「はい。お気遣いありがとうございます。でも大丈夫です。」
5分程でリョートー都に到着。その後は報酬を受け取ろうとギルド施設に直行して受け付けの嬢に話掛ける。
「え...終了...結構は、早いですね...では報酬をお渡しします。このクエスト報酬は3人で割れないのですが...」
「あぁそれは大丈夫です。こちらで分割しますのでね。」
受け付け嬢は軽く会釈し、報酬を渡そうと後ろへ戻るが...周りに聞こえない小声で受け付け嬢を呼び止める。
「ちょっと待って、耳を貸してくれないか?」
「ん、どうかされましたか?」
受け付けの嬢も察したのか、小声で返してくる。
「いやあの、“不気味な森”に生息しているオークってどのくらいいるかって知ってますか?」
「出現頻度と森の広さから、推測で多くて200頭は棲んでいると思われます。」
「あー...あの、勢いあまって60頭くらい狩っちゃったんですけど、問題ないですか?」
「貴方方本当に何者なんですか!?まぁ問題ないです。湖と違って森を破壊してしまうと、エルフ族の国が怒ってしまいますからね...!くれぐれも破壊しないように気をつけてください。」
「受け付けさん、“怒ってしまいますから”って、俺を子供扱いしないでください......俺は一応成人してますからね!同じ年代ですからね!21ですよ。」
「あら、そうだったんですか...失礼しました。ではプラス20頭分の報酬も一緒にしておきますね...」
「その謝りは子供扱いした件か、年齢の勘違いの件か...ありがとうございます。」
「社交辞令ですっ★」
「こいつっ、謝る気ねぇぇぇ!!」
カミナの叫びにギルド施設内の冒険者全員の注目を浴びる。その頃にはもう、受け付けの嬢は後ろへ逃げていた......
報酬を受け取ったギルド施設の入り口の側で3人で会談をする。
「俺もな、そろそろその歳だろ?」
「まぁ、そうね。アタシも独り立ちしないとそろそろお父様に怒られちゃいそう...」
「まぁね。そこで俺に1つ提案があるんだが、家を買わないか?」
「「え...?」」
「んで、その為には最低でも資金が都金貨3900枚は必要だと思うんだよね。そこで......」
「ちょ、ちょっとストーーップ!」
「わ、わたしは問題ないのですが、それは、3人で住むという事ですよね...?」
「そう。どこかで聞いた...同じ人とずっとパーティーを組み続けるということは、一部では家族に近い親友のようなもので同等の扱いなのだと!」
「そうなんですか?!」
「ままぁそう言われてるけど...!」
「そこでだよ、諸君。俺たちで分担してこのリョートー都内のクエストを、細いクエストを終わらせるんだ。」
「都金貨3900枚って簡単に言うけど、白金貨39枚必要なのよ?!一体どれだけの時間が掛かるやら...」
「それこそ無理しなくても別に良いんだ。それこそゆっくりと、しかし確実に貯めていこう.......というか、一緒に住む事は承諾してくれるのか...?」
「......お父様に怒られる事覚悟で...というか、エッチな意味はないわよ?!」
「当たり前だろうよそんなの。」
大抵の質問には即答するカミナ。それほど真面目に考えていたという証明になるだろう。約半日かけて一人でこなせるクエストが都金貨3枚と仮定するならば、分担すれば生活費を抜いて1日で18枚集まることになる。それならば、7ヶ月〜8ヶ月はかかるような案件だ。いくら稼ぎが良い冒険者という職でも、そのくらいだ。だが、生温いやり方では1年は過ぎる事を彼は知っていた。
「アタシは彼に独り立ちするという事だけを伝えるわ。でも、無理だったらどうしようかな...」
「その時はその時だ仕方がない。」
「それで、今日はどうする?もう終わるか?」
「そうね...疲れたし、アタシ今日からでもお話しを通したいし...」
「私はなんでも良いですよ。いまからクエスト行ってきましょうか?」
「ごめんね、お願いします。あっそうだルル、これ。」
「ん?あぁ、お金ね。半分に割った?」
「割ったぞ。」
カミナはルルに報酬の半分を渡す。そしてルキには生活費として都金貨3枚を渡す。
ルルとルキはギルド施設へ、カミナはとりあえず宿へ戻るが、オーラン...ランは居るのだろうか。と、ふと考える
「えっ、こんなに頂いて良いんですか!?」
「それは生活費だ。あまり無駄遣いをするんじゃないぞ?あと、命を大事にな。もうお前が死んだら悲しむ人は増えたんだ。」
「はいっ!」
「じゃあね、カミナ。」
「はーい。また会う日までな...」
「あのあの、全力で貯めますので、どうかお達者で!」
「おう!」
2人のいとまごいに仮面だけの笑顔で応じる。そして、両手剣で後ろへ伸びきった髪を短く手荒に切り、誰の耳にも届かない声で呟く。
「命を賭けた賭博を始めよう......」
「女将さん、3日だけだったけどありがとうね。ところで、オーランは居ないのか?」
「あぁ、どういたしまして。彼はダステル商館へ来た行商人で、契約を破棄して一時ダステル商館に住んでるんだよ。もう少ししたらもっと別の...遠い...ところへ行くんじゃないかしら?」
「そうなのか、ありがとう、俺も少しこのリョートー都を離れる。」
「いつぐらいなの?」
「そうだな...だいたい100日くらいだな。」
「そう...気をつけて行ってらっしゃいっしゃい。外は真っ暗なのに行くのね?」
お世話になった宿の女将の問いには、何も答えずにフード付きの茶の外套を羽織って頷く。
(隣の国へ行くと言ったこと、女将さんには黙秘してもらおう...さて、彼女にもいとまごいしないと...)
宿へ出たカミナは、フードを被って災の精霊技を使い“彼女”へ連絡を取る。
(おう、ラナ。こんな真夜中にごめんなさい。俺はリョートー都を出る。だが、またいつか戻ってくる。その時は...またこの連絡を使う。)
(えっ、ちょっと、本当に行くのか?!......気をつけてほしいのだ。全ては命あっての物種なのだ...)
(ありがとうね。王家に関する依頼は、ぜひフラント家の娘に回してくれ。彼女なら期待以上の働きをしてくれるはずだ。)
(.....そう。分かったのだ。)
瀬戸が切断...唱える直前、思考の全てが紫の雷に支配される。また同じような発作が起きた。
(はっ!紫電、紫電紫電紫電紫電紫電紫電紫電!)
(ど、どうしたのだ!?大丈夫?)
(あぁ、大丈夫。切断するぞ?)
(........)
(青い炎の次は、紫の雷...一体どうなっているんだ?)
リョートー都を出てマップを開きながら霊の精霊技の幻覚を冒険者の証明書に唱える。
(名前はそうだな.....めちゃくちゃかっこよくアイスにしよう。経歴も変えてと〜こんな感じで良いかな。)
全くないネーミングセンスを発揮しつつ開いたマップを確認する。
(っと、ここから1番近い都は......っと、レグマ・ファルマ・ムタマか、長過ぎる名前だな...ここからだいたい200km、長いし遠い......まぁ、俺が走ると40分で着くわけだから、通学路だよな。)
無言で走り出す。初めて見るこのセカイの夜の星空は、新しい旅路を祝福しているかのように、彼は錯覚した......
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