ミッション;神の打倒
2、救うまで
意識が混濁している。頭は働くのに体は動かない。目は見える。耳も機能している。だが動かせない。森崎瀬戸は今そういった状況に立っていた。
「っ......くぅ...一体何だったんだ今の....」
    意識がはっきりとしてきた。体も起き上がらせることができた。
    周りを見回す。周辺は森。だが瀬戸の近くに木はない。左上に自分を中心としたミニマップ。最後に、右上に緑と青のゲージすぐ横にはカミナと文字。
「おわぁ?!何だここ.....VRでは......ないよな。だってゴーグルとかないし。考えられるのは天国かな?」
    おめでた発想を展開する瀬戸。全く違う景色に変わってあまり驚かないのも十分おめでたいかも知れないが。
「俺、これどうすんだ?」
「あぁぁぁぁ!誰か来てくれー!」
「なっななな何だ?!」
男の叫び声を聞いてそこへ振り返る。
「おーい!大丈夫かぁー!!」
「兄ちゃん!そこの兄ちゃん助けてくれ!お願いだぁ!」
    瀬戸はそこへ走り出す。襲われている中年男性らしき声の主を助け出そうとする。
    その男性は瀬戸へ助けを求める。どうやら猫の手も借りたいぐらいのトラブルらしい。
    瀬戸は森を抜けひらけた場所へ出る。すぐそこに声の主。そしてその周りに....木の棍棒を持っている、豚のような顔で、とてもガタイが良く皮膚が緑に変色した“オーク”とも言えるモンスターが4体......森を背にして男性が立っている。いや、尻餅をついている。
「っ!おっさんなんてものに喧嘩売ったんだよ!」
    瀬戸が叫ぶ。それに男性は反応する。
「知るか!コイツらはすげぇ獰猛で危険なんだよ!オークだぞ!あのオーク!」
「こっちこそ知るかよ!はよ!はよ立て!」
中年男性へ手を差し出し起こそうとするが.......
「悪りぃ、無理だ!腰が抜けて立てねぇ!」
「仕方ない....担ぐぞ!衝撃に耐えてくれよ〜!」
   瀬戸は男性を持ち上げようと思いっきり腕に力を入れて腰を持って担ごうとする。.....が、
「軽っる!おっさん軽っる!食うもん食ってるのかよ!ささっと逃げよう!!」
「お前にだきゃ言われたかねぇガリガリ!.....おい、俺の荷馬車は?!」
「意味がないって!全ては命あっての物種だろう?!」
「ぬっ....!その通りだ兄ちゃん。さぁ俺を担いで走れぇぇ!」
    瀬戸は全力で走り出す。めちゃくちゃな速度で。
「速い?!はえぇぇぇぇぇぇぇ.....」
「自分の体なのに!全然把握出来てねぇぇぇぇぇ......」
後ろを振り向くと、オークが唖然としている。そりゃ自分の真横で新幹線よりも速い全力疾走を見せられれば、誰だって唖然となってしまうだろう。というか風圧で飛んでいってしまう。
「良くやった兄ちゃん!はっはっはっは!」
「声が大きいしなんでそんなに偉そうなんだよ.....」
「おっ、そうだ名乗ってなかったな....俺はオーランだ。気軽にランって呼んでくれ、お前は?」
「俺は.......カミナだ。こっちも気軽にカミナと呼んでほしい。」
(あぁ....こんなにアツくなったのはネトゲを除いて小学生以来だ.....)
    なんとかオークを振り切り、小高い草原の丘に来た二人は自己紹介をし、堅い握手から抱擁をする。
「........んで、カミさんよ?」
「どうしたんだ?ラン。」
「お前さんは俺にとっちゃ命の恩人だ。この元々ないはずの命......なんでもいい。何か頼んでくれ、出来る事は何でもする。それでお前さんに恩返しがしたい。」
「いやいやいや、そんなに気負いしなくてもいいって、俺は、やれる事をやっただけなんだから。」
「いいや、貸しも恩もきっちり返済する。これは俺の商人魂だ。頼む。」
    瀬戸は困ったような顔をして.....
「うーん。分かった、頼まれた。っていうかランは商人だったんだな。」
「おうとも!で、俺は何をすればいい?」
「ここから一番近い都を色々案内してくれ。あと、お金を貸してくれないか。今は一文無しなんだ。」
    少し悩んで、笑顔でそう言う。するとオーランは少し驚いた様子。
「えっ?たったそれだけ?お金ぐらいはやるよ?」
「いや、それは嫌だ。俺の大義に反する。」
「.....分かったよ。じゃあ、ここで1番近い都は......っと。」
(今こそこのミニマップを拡大するとき!どうやるんだ?)
    瀬戸はそう思った瞬間ミニマップが開かれる。
(えぇっ、これって意識で動かすものなの?!って事は....)
(マップを閉じて.......ステータス一覧!)
    瀬戸が心の中で唱えると、マップが閉じられて、自分の振り分けたステータスと名前、職業が出てくる。
「じゃあ、ここから1番近い、リョートー都の案内をお願いします。じゃあ早速行こうか。」
「おうっ!任せとけ〜!」
「っ......くぅ...一体何だったんだ今の....」
    意識がはっきりとしてきた。体も起き上がらせることができた。
    周りを見回す。周辺は森。だが瀬戸の近くに木はない。左上に自分を中心としたミニマップ。最後に、右上に緑と青のゲージすぐ横にはカミナと文字。
「おわぁ?!何だここ.....VRでは......ないよな。だってゴーグルとかないし。考えられるのは天国かな?」
    おめでた発想を展開する瀬戸。全く違う景色に変わってあまり驚かないのも十分おめでたいかも知れないが。
「俺、これどうすんだ?」
「あぁぁぁぁ!誰か来てくれー!」
「なっななな何だ?!」
男の叫び声を聞いてそこへ振り返る。
「おーい!大丈夫かぁー!!」
「兄ちゃん!そこの兄ちゃん助けてくれ!お願いだぁ!」
    瀬戸はそこへ走り出す。襲われている中年男性らしき声の主を助け出そうとする。
    その男性は瀬戸へ助けを求める。どうやら猫の手も借りたいぐらいのトラブルらしい。
    瀬戸は森を抜けひらけた場所へ出る。すぐそこに声の主。そしてその周りに....木の棍棒を持っている、豚のような顔で、とてもガタイが良く皮膚が緑に変色した“オーク”とも言えるモンスターが4体......森を背にして男性が立っている。いや、尻餅をついている。
「っ!おっさんなんてものに喧嘩売ったんだよ!」
    瀬戸が叫ぶ。それに男性は反応する。
「知るか!コイツらはすげぇ獰猛で危険なんだよ!オークだぞ!あのオーク!」
「こっちこそ知るかよ!はよ!はよ立て!」
中年男性へ手を差し出し起こそうとするが.......
「悪りぃ、無理だ!腰が抜けて立てねぇ!」
「仕方ない....担ぐぞ!衝撃に耐えてくれよ〜!」
   瀬戸は男性を持ち上げようと思いっきり腕に力を入れて腰を持って担ごうとする。.....が、
「軽っる!おっさん軽っる!食うもん食ってるのかよ!ささっと逃げよう!!」
「お前にだきゃ言われたかねぇガリガリ!.....おい、俺の荷馬車は?!」
「意味がないって!全ては命あっての物種だろう?!」
「ぬっ....!その通りだ兄ちゃん。さぁ俺を担いで走れぇぇ!」
    瀬戸は全力で走り出す。めちゃくちゃな速度で。
「速い?!はえぇぇぇぇぇぇぇ.....」
「自分の体なのに!全然把握出来てねぇぇぇぇぇ......」
後ろを振り向くと、オークが唖然としている。そりゃ自分の真横で新幹線よりも速い全力疾走を見せられれば、誰だって唖然となってしまうだろう。というか風圧で飛んでいってしまう。
「良くやった兄ちゃん!はっはっはっは!」
「声が大きいしなんでそんなに偉そうなんだよ.....」
「おっ、そうだ名乗ってなかったな....俺はオーランだ。気軽にランって呼んでくれ、お前は?」
「俺は.......カミナだ。こっちも気軽にカミナと呼んでほしい。」
(あぁ....こんなにアツくなったのはネトゲを除いて小学生以来だ.....)
    なんとかオークを振り切り、小高い草原の丘に来た二人は自己紹介をし、堅い握手から抱擁をする。
「........んで、カミさんよ?」
「どうしたんだ?ラン。」
「お前さんは俺にとっちゃ命の恩人だ。この元々ないはずの命......なんでもいい。何か頼んでくれ、出来る事は何でもする。それでお前さんに恩返しがしたい。」
「いやいやいや、そんなに気負いしなくてもいいって、俺は、やれる事をやっただけなんだから。」
「いいや、貸しも恩もきっちり返済する。これは俺の商人魂だ。頼む。」
    瀬戸は困ったような顔をして.....
「うーん。分かった、頼まれた。っていうかランは商人だったんだな。」
「おうとも!で、俺は何をすればいい?」
「ここから一番近い都を色々案内してくれ。あと、お金を貸してくれないか。今は一文無しなんだ。」
    少し悩んで、笑顔でそう言う。するとオーランは少し驚いた様子。
「えっ?たったそれだけ?お金ぐらいはやるよ?」
「いや、それは嫌だ。俺の大義に反する。」
「.....分かったよ。じゃあ、ここで1番近い都は......っと。」
(今こそこのミニマップを拡大するとき!どうやるんだ?)
    瀬戸はそう思った瞬間ミニマップが開かれる。
(えぇっ、これって意識で動かすものなの?!って事は....)
(マップを閉じて.......ステータス一覧!)
    瀬戸が心の中で唱えると、マップが閉じられて、自分の振り分けたステータスと名前、職業が出てくる。
「じゃあ、ここから1番近い、リョートー都の案内をお願いします。じゃあ早速行こうか。」
「おうっ!任せとけ〜!」
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