ミッション;神の打倒
1、目覚めるまで
肩甲骨の下まで伸びた長い髪、決して不細工とも言えず、美形とも言えない顔と頭、痩せている体、容姿と性格、どれを取ってもはっきりしない無個性の代名詞......森崎瀬戸
    彼は今、自室でパソコンのゲームをしている。大学を中退し、完全に引きこもっていて、かつネットゲーム廃人だ。
「もうこのゲームも飽きたなぁ。ちょっとやりこみ過ぎたかな.....?」
    瀬戸はそう言って、パソコンの画面でレベルのカンストされたステータスを開く。
「うん、完全にやり過ぎ。でも、今に始まった話じゃないんだよね〜。」
    ここまでやり込んでしまうという自制心の無さと自分の現状に呆れてしまってため息を吐く。しかし、やはりそれは中々変えられる筈もなく......
「あっ、そろそろ別ゲーでも探すか、いつもサイトで好きな評論家のランキングでも見て探してたけど、今回は初めて自分で探そうかな。いつもちょっと怖くて出来なかったけど。」
    そう言って、派手に描かれたまさしくゲームと思しきアイコンを“ゴミ箱”と書かれた所へマウスを動かす。つまりはアンインストールするという事。
「よし......アンインストール完了っと。さて、どんなゲームがあるかな〜楽しみだな〜。」
    新しいゲームを探すという事に楽しさから歌を歌うように喋ってしまう。瀬戸自身は気持ち悪いと自覚しているらしいが、やはり生まれついた癖なのでどうしようもない。
    そこで、瀬戸にとって楽しそうなタイトルが英語表記のゲームを見つける。
「おっ、これなんか面白いそうだなぁ。なになに、“コンフランテーション・オブ・ジャスティス”?」
   瀬戸は大学生のはずの年齢なので、その程度の英語ぐらいは読めるつもりだったが、念のため別のタスクを開いて検索をかける。結果は“正義の対決”だった。
「正義の対決って....なんかクサいなぁ。でもこれ、俺がプレイしたことないゲームだし、誰も知らないゲームだし.....まぁ偽アカウントでログインしちゃえば、何か引っ掛かる心配もないだろ。ほいっ、インストール!」
    ふざけたように言って、マウスの左クリックのボタンを押す。インストールの間は暇なので瀬戸はゲーム説明を見る。
「えーっと、“貴方に貴方だけの貴方の世界を”」
「“アカウントは貴方”ぁ?」
    瀬戸は理解が出来なかった。だが、自分に自分だけの世界を貰えるというのは、いわゆる何をしてもいいゲームというのヤツだろうか。と推測する。
「ん、この手のゲームって結構重いけど、これはそうでもないのか。ものの3分だぞ、インストールのはずなのに実用的なタイマーかよ。」
    何言ってるのかサッパリ分からない。瀬戸はその地味な灰色のアイコンを開く。シンプルだが、ゲームとなればかえってそれは不気味でしかない。
    これを最初に見た瀬戸はホラゲーかと思ったのだが、説明を見る限りそうでもない。
「なんだこれ、ログイン画面出てるけど、アカウントはどうするんだ?」
    しばらくすると画面に小さく「あなたを書いて下さい。名前以外は嘘を吐かないで下さい。分かります。」との文字。
「うぅ、なんだそれ.....まぁ別に年齢くらいいいんだけどさ.....分かりますって怖いな。」
「名前は.....誕生月からもじって神無で良いか。」
    瀬戸の誕生月は10月で、10月は異称で神無月と言うのでもじって神無にした。
「おっと、ステ振りあったのかこのゲーム.....ってポイント35万?!おいおいチートじゃないかよ.....んで、どんなステがあるんだ?」
    ステ振りとはステータス振り分けの事で、要するに自分のアバターの身体的な特徴を決めることである。
    そして、その画面には
STR (攻撃力)
AGI  (素早さ)
DUX(命中力)
LUK (運)
VIT  (活力)
INT  (知力)
DEF (防御力)
全部で7つあるので、均一に分けても一つ5万で十分なのだが、ここがネットゲームの闇。
    均一に分けても職業がある以上必要のないものまで出てくる。分ける時はムラがあった方が強い。もし全く同じ条件のなかどちらが強いかと言われればムラがある方だ。
「ステ振りも楽しいけどまずは職業選ばないと。」
    別の画面に切り替わり、色々な文字が浮かんでくる。
商人
(職業:LUK200:INT170:STR−240)
230
暗殺者
(職業:STR150:AGI370:DEF−310)
210
剣士
(職業:VIT300:DEF80:INT−240)
240
騎士
(職業:VIT140:DEF320:STR-220)
220
魔法使い
(職業:DUX210:INT340:VIT−270)
240
農民
(職業:全ステータス30)
210
創世者
(職業:ステータス-3000:効果2倍)
「け....結構あるんだな.....普通は4つか3つくらいだけど、さすが裏のゲームかな?」
    瀬戸はあまりのバリエーションの多さに驚いてしまう。
「うーん、この創世者って言うの気になるなぁ......好奇心でこっちにしとこっと。ゲーマー魂が燃えるよ!この職業!」
    瀬戸はカーソルを合わせて創世者をクリックする。すると次の画面に映る。
「お?おぉー!これ種族まで選べんの?!すげー....」
エルフ:人間と仲が悪く、種族間での争いも少なくない。動物や植物と会話を交わせられる。
ドワーフ:人間と協定を結び今は友好な関係になっている。力が強い。
人間:エルフと仲が悪く寿命が短い。知力が高い。
亜人:別名ケモノ、人間の奴隷となっており、今や奴隷となっていない者は少ない。素早さが高い。
「おぉ、一つの職業に3つの種族があるのか!つまり21通りあるんだな!これはすごい、すごく神ゲーの予感......!!」
    瀬戸は今まで見たことない種族選択に目を輝かせる。外で遊んだ頃のキラキラしていた自分を思い出し、童心が蘇った気がして少し心が痛む。
    悩んだ末に瀬戸が選んだアバターはこうだ。
名前:カミナ
種族:人間    職業:創世者
STR (攻撃力)39000+-3000
AGI  (素早さ)90000+-3000
DUX(命中力)40000+-3000
LUK (運) 59000+-3000
VIT  (活力) 63000+−3000
INT  (知力) 50000+-3000
DEF (防御力)29000+-3000
「よしっ、じゃあゲームスタート!楽しみだな〜!」
    そう唱えてスタートボタンをクリックした途端意識が薄れる。
「なん...これ.....聞いてな......っ。」
    彼は今、自室でパソコンのゲームをしている。大学を中退し、完全に引きこもっていて、かつネットゲーム廃人だ。
「もうこのゲームも飽きたなぁ。ちょっとやりこみ過ぎたかな.....?」
    瀬戸はそう言って、パソコンの画面でレベルのカンストされたステータスを開く。
「うん、完全にやり過ぎ。でも、今に始まった話じゃないんだよね〜。」
    ここまでやり込んでしまうという自制心の無さと自分の現状に呆れてしまってため息を吐く。しかし、やはりそれは中々変えられる筈もなく......
「あっ、そろそろ別ゲーでも探すか、いつもサイトで好きな評論家のランキングでも見て探してたけど、今回は初めて自分で探そうかな。いつもちょっと怖くて出来なかったけど。」
    そう言って、派手に描かれたまさしくゲームと思しきアイコンを“ゴミ箱”と書かれた所へマウスを動かす。つまりはアンインストールするという事。
「よし......アンインストール完了っと。さて、どんなゲームがあるかな〜楽しみだな〜。」
    新しいゲームを探すという事に楽しさから歌を歌うように喋ってしまう。瀬戸自身は気持ち悪いと自覚しているらしいが、やはり生まれついた癖なのでどうしようもない。
    そこで、瀬戸にとって楽しそうなタイトルが英語表記のゲームを見つける。
「おっ、これなんか面白いそうだなぁ。なになに、“コンフランテーション・オブ・ジャスティス”?」
   瀬戸は大学生のはずの年齢なので、その程度の英語ぐらいは読めるつもりだったが、念のため別のタスクを開いて検索をかける。結果は“正義の対決”だった。
「正義の対決って....なんかクサいなぁ。でもこれ、俺がプレイしたことないゲームだし、誰も知らないゲームだし.....まぁ偽アカウントでログインしちゃえば、何か引っ掛かる心配もないだろ。ほいっ、インストール!」
    ふざけたように言って、マウスの左クリックのボタンを押す。インストールの間は暇なので瀬戸はゲーム説明を見る。
「えーっと、“貴方に貴方だけの貴方の世界を”」
「“アカウントは貴方”ぁ?」
    瀬戸は理解が出来なかった。だが、自分に自分だけの世界を貰えるというのは、いわゆる何をしてもいいゲームというのヤツだろうか。と推測する。
「ん、この手のゲームって結構重いけど、これはそうでもないのか。ものの3分だぞ、インストールのはずなのに実用的なタイマーかよ。」
    何言ってるのかサッパリ分からない。瀬戸はその地味な灰色のアイコンを開く。シンプルだが、ゲームとなればかえってそれは不気味でしかない。
    これを最初に見た瀬戸はホラゲーかと思ったのだが、説明を見る限りそうでもない。
「なんだこれ、ログイン画面出てるけど、アカウントはどうするんだ?」
    しばらくすると画面に小さく「あなたを書いて下さい。名前以外は嘘を吐かないで下さい。分かります。」との文字。
「うぅ、なんだそれ.....まぁ別に年齢くらいいいんだけどさ.....分かりますって怖いな。」
「名前は.....誕生月からもじって神無で良いか。」
    瀬戸の誕生月は10月で、10月は異称で神無月と言うのでもじって神無にした。
「おっと、ステ振りあったのかこのゲーム.....ってポイント35万?!おいおいチートじゃないかよ.....んで、どんなステがあるんだ?」
    ステ振りとはステータス振り分けの事で、要するに自分のアバターの身体的な特徴を決めることである。
    そして、その画面には
STR (攻撃力)
AGI  (素早さ)
DUX(命中力)
LUK (運)
VIT  (活力)
INT  (知力)
DEF (防御力)
全部で7つあるので、均一に分けても一つ5万で十分なのだが、ここがネットゲームの闇。
    均一に分けても職業がある以上必要のないものまで出てくる。分ける時はムラがあった方が強い。もし全く同じ条件のなかどちらが強いかと言われればムラがある方だ。
「ステ振りも楽しいけどまずは職業選ばないと。」
    別の画面に切り替わり、色々な文字が浮かんでくる。
商人
(職業:LUK200:INT170:STR−240)
230
暗殺者
(職業:STR150:AGI370:DEF−310)
210
剣士
(職業:VIT300:DEF80:INT−240)
240
騎士
(職業:VIT140:DEF320:STR-220)
220
魔法使い
(職業:DUX210:INT340:VIT−270)
240
農民
(職業:全ステータス30)
210
創世者
(職業:ステータス-3000:効果2倍)
「け....結構あるんだな.....普通は4つか3つくらいだけど、さすが裏のゲームかな?」
    瀬戸はあまりのバリエーションの多さに驚いてしまう。
「うーん、この創世者って言うの気になるなぁ......好奇心でこっちにしとこっと。ゲーマー魂が燃えるよ!この職業!」
    瀬戸はカーソルを合わせて創世者をクリックする。すると次の画面に映る。
「お?おぉー!これ種族まで選べんの?!すげー....」
エルフ:人間と仲が悪く、種族間での争いも少なくない。動物や植物と会話を交わせられる。
ドワーフ:人間と協定を結び今は友好な関係になっている。力が強い。
人間:エルフと仲が悪く寿命が短い。知力が高い。
亜人:別名ケモノ、人間の奴隷となっており、今や奴隷となっていない者は少ない。素早さが高い。
「おぉ、一つの職業に3つの種族があるのか!つまり21通りあるんだな!これはすごい、すごく神ゲーの予感......!!」
    瀬戸は今まで見たことない種族選択に目を輝かせる。外で遊んだ頃のキラキラしていた自分を思い出し、童心が蘇った気がして少し心が痛む。
    悩んだ末に瀬戸が選んだアバターはこうだ。
名前:カミナ
種族:人間    職業:創世者
STR (攻撃力)39000+-3000
AGI  (素早さ)90000+-3000
DUX(命中力)40000+-3000
LUK (運) 59000+-3000
VIT  (活力) 63000+−3000
INT  (知力) 50000+-3000
DEF (防御力)29000+-3000
「よしっ、じゃあゲームスタート!楽しみだな〜!」
    そう唱えてスタートボタンをクリックした途端意識が薄れる。
「なん...これ.....聞いてな......っ。」
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コメント
桜餅師匠
幸の鳥さんコメントありがとう!これから地道に緩りとがんばって行きますので、どうかご贔屓を!
桜餅師匠
白夜さんコメントありがとうございます!
まだまだ未熟者ですがよろしく!
幸の鳥
普通に面白い続き待ってますししょー
白夜
続き早く見たいです。