自殺するなら異世界転生を‼︎

ハト

第18話

時刻はわからないがちょうど日が沈みあたりが本格的に暗くなった時だった。
焚き火はあっちから持ってきたライターを使って火をおこした。
着ていた服もある程度乾いてきた。そしてあっちから持ってきたお菓子で簡単にエネルギー補給を済ます。

「はぁ、今日一日色々あったな~」

しみじみと今日1日を振り返る。

「自殺しようとしてた俺をよくわからない天使さまが来て異世界に行かないかって言ってきて、よくわからないまま連れていかれて一人で森をさまよってモンスターから隠れて川を見つけて今に至るか」

今日1日で信じられない体験をいっぱいしてきた。

「半日くらいか?なんだか一週間くらいに感じたな~」

しばらく焚き火にあたり体をあたためる。程よく体温が上がっていたところ、今日1日の疲労が一気に押し寄せてきた。

「眠くなってきたな・・・。瞼が重い」

しかしこのまま無防備に寝ていいのだろうか。
戦闘ができないガリ勉陰キャ野郎が寝起きすぐでモンスターから逃げられるわけがない。
しかも寝てる間に気づかずやられるなんてことも十分ありえる。
そう思い寝るかこのまま起きてるか頭の中で葛藤する。

「さて、疲労困憊で感じたことのない眠気が襲ってきているわけでどうするかな」

数分考え込む。しかし結論は起きているという結論に至った。
その夜死ぬほどの眠気に襲われながら起き続ける。
その間、数秒間うたた寝していたかもしれない。そして暗闇の中からたまに聞こえて来る物音にビビりながら夜を明かした。何度木に逃げ登るシュミレーションしたことか・・・。
何時間経ったろう、辺りを見渡すと少しずつ明るくなり始めてることがわかる。

「ようやく夜明けか、思ったより早かったかもな・・・」

夜の間幸いにもモンスターはでてこなかった。
それに安堵したのか体から力が抜け、血の気が引くようん感覚に襲われながら視界が真っ暗になった。
  「はっ!!」っと飛び起きる。

「どんくらい寝てたんだ?太陽の位置から考えると・・・。太陽がどっちらのぼったかわからないから方角がわからんし時間の把握ができん!」

飛び起きて一瞬での頭の覚醒で焦りがあからさまに見える。
しばらく経って落ち着く。

「生きてるだけでも儲けもんだな。とりあえずまた村を見つけるために歩くか」

そういうわけで無事夜を越し、再びあてもない村探しを再開する。

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